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25話 『街での出来事2』

具合悪いのでもしかしたら次の話は遅れちゃうかも……

 シロと共に街に繰り出そうと思ったが、そこで俺は大事な事を思い出した。


「そういや、死の騎士を戻らせねえといけねえのか」


 テイムしてあるモンスターをどうやって自分の元に戻すかは分からない。だから俺は適当にテレパシーを贈る要領で死の騎士へと帰ってこいと命じてみた。


 すると、奇跡的に効果があったのか、ほんの数分シロと喋ってる間に俺たちの元へと戻ってきた。


「どうだ? なんかいい情報はあったか?」


 帰ってきた死の騎士に俺は早速成果を聞く。


『噂程度なのですが、どうやらゴブリンの軍隊がこの街へと向かってきているそうです』


「へぇ。ってことは俺達が雪山で戦ったのは多分その軍隊の一小隊って感じかな?」


『その可能性は高いと思われます』


 死の騎士が持ってきた情報には他にも色々とあった。

 まず、冒険者という職業だ。どうやら俺のようなプレイヤーやNPCたちが生業としてやっているらしい。

 この街にもその冒険者たちが集まるギルドがあるだとか。

 その情報を聞いた瞬間に俺は後で寄ってみようと思ってしまった。異世界というか、まぁゲームの世界でも良いのだが、やはり冒険者には憧れる。

 まさかこの世界にもあるとは思わなかったから、これもいい収穫だろう。


 あともう一つ俺にとって嬉しい情報があった。

 それは、この街にスキルチェンジが出来る店があるという事だ。

 これからシロを守っていく上で、確かに召喚魔法と攻撃魔法、守護魔法は強いが、どうせなら遠距離ではなく近距離でも戦いたい。

 故に、召喚魔法と守護魔法でシロを守りつつ戦えるスキルに光魔法をチェンジしたいのだ。

 この店も後で探し出して寄る必要がある。


「あ、そうだ。なんか良さそうなご飯がある店の情報はなかったか?」


「マキト~……お腹……ペコペコ……」


 シロに言われると俺まで更にお腹が空いてきてしまった。

 これはまずい。一刻も早く死の騎士に聞いて美味しいご飯が食べれる場所へと向かわなければならない。


 早々に死の騎士から良さげなご飯の食べれる場所を聞き、俺とシロはそこへ向かう事にした。まさか本当にご飯の情報まで持ってきてくれるなんて主人のことがよく分かってるモンスターだ。


 だけど、そんな死の騎士は今は俺たちと共には居ない。

 そもそも、死の騎士には食事が必要なかったのだ。だから、俺たちがご飯を食べてる間に死の騎士にはスキルチェンジが出来る店を探してもらうことにしたのだ。


「よし。それじゃ、入ってみるか!」


「うん! お腹空いたし! 早く行こ!」


 俺が扉を開け、店に入る。ちなみに、店の名前は『ルイスの美味しいレストラン』という個人店? だ。


 店内に入って辺りを見渡してみたが、やはり個人店のようで、ホテルのような綺麗な感じではなかった。


「ま、とりあえず食べてみないと分かんねえよな!」


「うんうん!」


 シロと共にこの店のオススメを注文し、出てくるのを待つ。

 十分ほど待ったところで、俺たちの前に料理は運ばれてきた。俺たちが頼んだのは日本でいう『ハンバーグ』だ。


「やべぇ、めちゃくちゃ美味そう……」


「美味しそ〜!!!!」


「おま、気をつけて食えよ? 熱いからな」


「分かってるってー!」


 その後、俺とシロはハンバーグを容易く平らげ、早めにお会計を済ませた。噂通りの美味さで助かった。


「ふぅ。次はスキルチェンジショップだな。とりあえず死の騎士を呼ぶか」


「まんぷくぅ……」


 ひとまず店の前で死の騎士を呼び戻し、俺たちは死の騎士にスキルチェンジショップまでの道案内をしてもらった。

 しっかりと要望通りの仕事をしてくれて助かるばかりだ。


「なんかめちゃくちゃ怪しい店だなぁ」


「見てみてー!あそこなんかも壊れそうだよー!」


 これ以上シロに喋らせると色々めんどくさくなりそうなので、死の騎士に頼んでシロと共に街で遊んできてもらうことにした。ここからは俺一人で充分だ。


 シロたちが街に行ったのを見計らって、俺は店の中へと入り、怪しげな婆さんに話しかけた。


「ここって本当にスキル変えれるのか?」


「あぁ。対価としてお主のスキルを一つ頂くがの……ほれ、変更したいならそこの水晶玉に手を乗せてみよ」


「ふーん。これに乗せればいいんだな」


 婆さんの言う通りにして、俺は水晶玉へと手を乗せた。

 その瞬間、俺のスキルの一つである光魔法が消え、新たに覚えるスキルの一覧が現れた。


「へぇ。無くなるスキルはランダムなんだな」


 都合よく光魔法が消えてくれて良かったが、これでもしもモンスターテイムやらが消えてたら少しどころか結構まずい事になっていただろう。


「おっ! ???スキルあるじゃん! これにしよっと!」


 光魔法を失って覚えれるスキルの一覧にはありとあらゆるものがあった。

 結構覚えたいスキルもあったが、一番下にあった???というのにどうも目が惹かれてしまったのだ。


「お、お主、それはランダムじゃぞ!!」


「────へっ?」


 婆さんの突然な声に気の抜けた声を出してしまったが、もう遅かった。

 俺の体からなにかが消え、そして入ってきたのだ。多分もうスキルが変更されてしまったのだろう。


「ま、まぁ、ランダムもな! 運が良ければ良いのでるだろうし! 婆さん! ありがとな! ま、また来るよ」


 完全にランダムと言われたら少し不安を覚えてしまう。これで役に立たないスキルとかだったら正直終わりだ。

 足が震えるのを感じながら俺はスキルチェンジショップを出て、死の騎士たちを呼んだ。


 唯一の攻撃魔法を失って得たものがゴミスキルだったらと思うとどうも見る気になれない。


「うんうん。とりあえず冒険者ギルドに行ってからにしよ」


 一人下を向きながら呟き、死の騎士とシロが来るのを待つことにした。

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