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異世界っぽいVR世界に閉じ込められたけどなんとかなりそうです。  作者: ねぎとろ


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24話 『街での出来事』

進みが遅すぎてごめんなさい(´°̥̥̥ω°̥̥̥`)

 風呂屋を目指して歩きながら俺は街に入る時のことを考えていた。


 まず、普通に街に入れたのは良いのだが、入る時にお金は払わなくて良かったのだろうか。

 普通街とかに入る時は料金を払うものかと思ってたが、この街は違うのかもしれない。


「って、現実の世界じゃ入国料なんて払わねえか……」


 いつの間にか、段々とこの世界に染まってきている気がするが、気のせいだろうか。


「マキトー! 見てみてー! お城がある!!」


「いやいや、そんな異世界転移じゃねえしある訳……ってあるし……」


 よくよく考えれば、このゲームの世界も考えようによっては異世界なのかもしれない。

 シロが指差す城や、街の風景もどことなく中世ヨーロッパのような雰囲気があるし、ラノベとかによくある異世界転移した主人公の気持ちが少しだけ分かった気がする。


「ゲームの中の街って実際こんな感じなのか……」


 なんというか確かに街自体は綺麗ではあるが、どことなく暮らしづらそうだ。

 そう考えれば、日本という国で暮らせるのは魔法や剣、モンスターと戦うことの楽しみはないが、殆ど死の危険はなく暮らせる。ある意味、日本は異世界とかなんかより全然暮らしやすいのだろう。


「なんか、日本に戻りたくなってきたなぁ……」


「マキトー!お風呂ってここー?」


 日本のことを思い出すと少し帰りたくなるが、短い間でも一緒に居たシロと別れるならこの世界に留まるのも悪くないかもしれない。


「あ、あぁ。そうだな。ここが風呂屋だぞ」


 まさか本当に風呂屋がこの世界にあるとは思わなかった。ゲームの時にはなかったが、プレイヤーがこの世界に来たから出現したのだろうか。まぁなんにせよ、実際風呂屋があるならそれは嬉しい事だ。

 にしても、ゲームの世界の風呂屋もまるで日本にある風呂屋と同じ外観という事に驚きだ。

 しっかりと女と男も分かれてるし、これならシロと一緒に入らなくて済む。さすがに家族でもない幼女、いや、女の子と入るのは気が引けるしな。


「それじゃ俺がこっちで、シロはそっちな」


「えっ……えっ? 私もマキトと一緒に入るよ?」


「えっ? 何を言ってらっしゃるの?」


 お互いに不思議そうに首を傾げているが、俺から見て確実におかしいことを言ってるのはシロの筈だ。

 いや、シロ視点からすれば俺の方がおかしいのか?


『マスター。私はこれから街の情報を集めてきます』


「お、おう。任せたぞ。俺はシロに風呂というのを教えないといけねえみたいだしな」


 死の騎士は一言俺に言うと、鎧の音を響かせながら情報収集へと向かってくれた。

 情報収集というのをモンスターがやってくれるなんて、やはり死の騎士は相当頭のいいモンスターなのだろう。

 ……それに比べて、シロと来たらこいつは頭が悪いのかもしれない。


 死の騎士が消えて、何度も男湯と女湯について説明してるに、一向に一人で行こうともしない。俺が女湯に入るわけもいかないし、その逆もまずい。一人で行ってもらわなきゃ困るのだ。


「そ、そうだシロ。お前が一人でお風呂に入れたら、今度面白い事してやるよ。な? それでどうだ?」


「……面白いことってなに……」


「それは内緒だよ。教えたらつまらないだろ?」


「むぅぅぅ……頑張る」


「おう! もしもシロが先にお風呂から出たらこの入り口で待っててくれ。オレもできるだけ早く戻るからな」


 一通りシロに日本での入り方を教えてから、俺は男湯へと入った。

 人自体は少なくも多くもないって感じだ。さすがに俺と同じプレイヤーは居なく、全てNPCだ。

 少なくないNPCが居る風呂場を見て、人間のように生活してるというのを改めて感じてしまった。


 そして、日本に居た時よりも少し長めにお風呂に入った後、俺は風呂から出た。日本との風呂の入り方に特に違いは無いみたいだから助かったのは内緒だ。


 数分入り口で待ち、少しお腹が空いてきた時にようやくシロはやってきた。


「どうだ? 言われた通りに入れたか?」


「ううん!なんかね知らない女の人が洗ってくれたのー!」


「どうせお前が上手く洗えてなかったからだろうな。ま、仕方ない。初めての風呂だしな。ちゃんと手伝ってくれた女の人にお礼は言ったのか?」


「お礼はちゃんとした! あと、別に洗えてないとかそういうのないから! 」


「はいはい。ところで、お前腹減ってねえか? 俺はもう減りすぎてやばいんだが」


 シロに話し掛けているこの間もお腹から音が鳴っている。

 というか、久しぶりにこんなにも食べ物を食べたいと思ったかもしれない。この世界に来てからずっと何も食べずに雪山に居たから、街に来て食材の匂いを感じて俺の胃袋も爆発したのかもしれん。


「私もお腹空いてるー! なにか食べよー!!」


「そうだよな。それじゃ、とりあえず街を歩いて食べ物を探すか!」


「うん!」


 この世界の食べ物がどれくらい高いのかは分からないが、風呂屋の値段は日本と比べてもそう変わらなかったし、食べ物も高くないことを祈ろう。

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