23話 『街に到着』
モチベ復活でござる!
維持でも続けるですぞー!
夕日も沈み、夕方から夜になった時俺たちの後ろから鎧の音が聞こえてきた。
この洞窟から聞こえてくる鎧の音は一人しか居ないだろう。
夕方から夜に代わるのに多分だが、1時間から2時間程度。
洞窟を見てくるのに戦闘があったのを見越しても、この帰りは早く帰ってきた方だろう。
「死の騎士が帰ってきたって事はもう大丈夫だな」
「やっと帰ってきたー!!」
死の騎士の姿が見えた時、シロは少し心配だったのか死の騎士へと走って飛びついていた。
「それで、洞窟はどうだった?」
死の騎士へと近付き、俺は洞窟内部の様子を訊ねる。
『一体のモンスターと戦闘。特に苦戦することなく勝利。他にモンスターの気配はなし』
「そうか。ありがとな」
「スケルトン一人でモンスター倒したの!? 凄い!!!」
「いやいや、死の騎士は一人で結構モンスター倒してるからな」
死の騎士の様子を見るに、言っていることは事実で間違いないだろう。鎧に少しの傷があるが、特に目立ってはいない。
これでこの洞窟は俺達が占拠出来たと言えるだろう。
「よし。それじゃ、今日はこの洞窟で野宿だな。明日は早くに起きて街へと向かうから、シロ。もうお前は寝とけよ?」
「はーい! 眠いしすぐ寝るー!」
シロをすぐに寝かせ、俺も眠れる体制を取る。
寝なくても大丈夫な死の騎士に夜の間の守りを任せ、俺は目を閉じた。
そして、洞窟の入り口から眩しい太陽の光が射し込むと共に俺の目は覚めた。
どうやら特に俺達は襲われたということはないようだ。安全だったのも死の騎士のお陰だろう。
「シロ!起きろ!!さっさと街に行くぞ!!」
「んー……まだ寝るぅ……」
「死の騎士。シロを担いでくれ」
『御意』
死の騎士が寝ているシロを担ぎ上げ、俺と死の騎士は洞窟を出た。あとはこのまま街へと向かうだけだ。
街へと向かいながら雪山を降りている途中、俺はモンスター以外の普通の動物を発見することが出来た。
これは結構良い出来事だと個人的には思う。
そして、丁度早朝から昼に掛けて歩いた時、ようやく街の入り口へと辿り着いた。どうやら街に入るには検査があるようだ。
「うわー!街だー!!!でかーい!!」
「問題は死の騎士だよなぁ……」
街が目の前にあり、入る為の審査があるのは全然分かる。だけど、問題は死の騎士だ。こいつは全身鎧で一見はモンスターに見えないかもしれないけど、実際はモンスターであるし、それに一番の問題はスキルにある。『威圧』と『恐怖』この二つがオンとオフ出来るなら大丈夫だが、出来ない場合は街には入れないだろう。危険すぎる。
「マキト。次私たちだよー!」
「やべっ。ま、まぁとりあえず注意されたら諦めるか」
俺たちは門番に検査をされ、何のために街に来たのか聞かれた。嘘をつく必要がないと判断し、俺は旅の途中と正直に答えた。
死の騎士については特に何も聞かれる事はなく、普通に街に入ることが出来た。死の騎士が配慮してスキルを止めてくれたのだろう。
「よし。これで街に入れたな。まずは、そうだな。風呂に行くか!」
「風呂ー? なにそれ!!」
「体とかを綺麗にすんだよ」
「それなら行くー!!!」
街に着き、まず俺たちは風呂に入ることにした。
何となく死の騎士が全身真っ黒の鎧だからか、注目を浴びている気がする。
まぁそんなことは気にせず、俺とシロはお風呂を探して街を歩き始めた。