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22話 『街を目指して』

 シロと共に上から街を見下ろすが、街は未だ遠い。このまま順調に雪山を降りても、1日は掛からないとは思うが、相当な時間は掛かるだろう。

 いつまた吹雪が起きるか分からないし、夜になって雪山を降りるのも危ない。


 明るい今の内に降りつつ適当な洞窟を見つけるのが良いかもしれない。


「マキトー? 街まで一気に降りるー?」


「いや、さすがに危ないな。ここはそうだな。とりあえず安全な洞窟を見つけて休むのが良いな」


『それが良いかと。ですが、近辺は危ない可能性あります』


 突然ちょっと低い男の声がすると反射的にビックリしてしまう。

 言語理解スキルや話術のスキルを使って、モンスターである筈の死の騎士が喋るのは分かるのだが、なんていうかまるで人間のように綺麗に喋れるのが少し不思議だ。これもスキルの力なのだろうか。


「そうだな。確かにこの辺はさっきみたいにゴブリンの集団に会うかもしれないし、そうだな。夕方くらいまではとりあえず降りよう。その間に良さげな洞窟があればそこで休むのも良いしな」


「うんっ! それじゃ、善は急げだよ! 早く行こ!!明日には街に着きたいし!」


 シロが意気揚々と走り出し、死の騎士は一度俺の方を見てからシロを追いかけ始めた。


 もちろんその後俺も追い掛けたが、シロが速攻転んで雪に顔から突っ込んだのは言うまでもない。


 ───────────────────


 それから、俺たちは順調に雪山を降りていた。

 死の騎士のスキルのお陰なのか、モンスターが遠目に見えることはあるが、こちらを少し見つめるとどこかへ行ってしまった。

 死の騎士のお陰で戦闘を回避出来てるのはいい事だ。幾ら、死の騎士が単体で強いと言っても、多数に攻められたら厳しい筈。


 それに、ゴブリンとかならまだしも、何度か見た熊のようなモンスターや白い巨大な蜘蛛型のモンスターはさすがに俺一人で勝てる気がしない。


「お、洞窟だ。丁度いい時間だし、今日はここで休むか」


「そうするー! 私も足疲れちゃったし!」


 順調に降りたお陰で、夕方になる頃には手頃な洞窟を見つけることが出来た。

 後はこの洞窟の中の安全を確保する事だ。


「うーん。俺とシロは念の為入り口付近で待ってるか。死の騎士、任せてもいいか?」


『御意。見て参ります』


「えー!私も洞窟の中探検したい!!!」


 辺りは夕方で、洞窟の中は薄暗い。子供ながらの好奇心で洞窟というのを探検したいという気持ちも分からなくはないが、死の騎士が居たとしても危険であり、尚且つ最悪足でまといになるだろう。


「ねーマキトー! 行っちゃダメー?」


 くっ。上目遣いでのお願いとは何処でそんな技を覚えたんだ……だが俺は屈しない。これが魅力的なお姉さんからの上目遣いならまだしも、幼女からなんて効くわけもないだろう。


「だ、駄目だ。お前は俺とここで留守番! 」


「えー!! いいじゃん!! スケルトンだって強くなったんでしょ? ならいいじゃん!」


 シロにはまだ死の騎士という言葉は難しいのか、はたまた呼ぶ気がないのか未だにスケルトンと呼んで居る。まぁ別にそこは正直どっちでもいいが、死の騎士にとってもシロが居たら探索は厳しくなるだろう。言葉には出さないが今も内心だと困っている筈だ。


「ダメだ。死の騎士だって幾ら強くても守りながらだと難しいからな。我慢しなさい」


「むぅ……次は洞窟探検するからね!!」


「はいはい。それじゃ死の騎士、任せたぞ」


『御意』


 死の騎士が洞窟の奥へと向かっていき、俺たちは入り口の近くに座り込んだ。


「ま、無事に帰ってくるだろ」


「むぅ……」


「そんな拗ねるなって」


 シロの頭を少し撫でたあと、俺たちはその場で死の騎士の帰りを夕日を見ながら待つことにした。

いやね、本当に身勝手極まりないんだけど、この小説以外にもね新作を考えてて、だからね、この小説は多分近いうちに完結させると思う。


なんていうか、書いてて楽しいって思えるのが新作なんだ……(創作意欲が戻れば続ける可能性あります)

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