6:あなたらしく生きる為に
私は皆んなとは違うんだ! みたいな漫画や映画や歌詞が蔓延していて、まるで一種の宗教のように自分を疑わない人が増えている気がする。
自分も昔はそうだった。自分自身が特別だと思っていた。けれど、違った。死を望むほどの絶望も、生を志すほどの希望も少なくない人が経験していて、それってありふれたことではなかろうか。
他人をシャットアウトすることが、自分らしく生きることと同義であるとは私は思わない。
大事なことは、他人を認めること。自分一人でできることが、この世にどれだけあるだろうか。恐らく一つもないだろう。勿論、盲目的に信じるべきだ、とは言えない。ずるをする人も、そ知らぬ顔で裏切る人も山ほどいる。けれど、全人類が殺人犯やテロリストでないように、皆んなが皆んなそうではない。
あなたも私も、「あなた」も「私」も同じ、ありふれた一人称のような存在。だから、私たちは人類の一員で、社会の一員なのだ。
他人との会話の中で、関わりの中で。初めてあなたは自分自身の長所に、短所に気づく。他人の長所に、短所に気づく。
残りの人生であなたはどれだけ長所を伸ばせるか、なんて私には分かりはしないけれど、どうかあなたがあなたらしく生きる為に。自分以外も信じて欲しい。