第1章 1話 変化は突然に…
森の奥深い屋敷に白と黒の対照的な翼を持つ、魔族の少年が居りました。
その少年は、とても人間という種族が嫌いだったので、自分の住処の屋敷周辺一帯を人には見えないよう魔法で隠し、動物や魔族しか立ち寄ることがないようにして数十年何事もなく生活していました。
ですがある日の夕暮れ、そんな少年の住む屋敷に二人の人間がやって来ました。
歳は20代くらいだろうかと行ったところで、
一人は長身の細身で眼鏡をかけており、短髪黒髪青いつり目の真面目そうな男。
もう一人は長身だが前の男よりは低く身体つきは細いががっちりした印象の長髪金髪翠の瞳で笑顔がよく似合う男。
彼らが言うには自分たちは旅人で道に迷い、ここに建物が見えたから訪ねてきたそうだ。
少年は(何故?…何故人間がここを見つけらる?)と疑問を持ちながらも、それは聞かずに、下手に追い返したりして正体がバレ、騒がれたら面倒だからという理由から一晩泊めさせることにしました。
少年「それは、さぞお困りでしょう、今日はもう暗くなり始めていますから、この屋敷で一晩泊まっていくとよいでしょう。」と言いました。
それを聞いた旅人らは笑顔で
『そう言ってくれると助かるよありがとう!』と少年に感謝の言葉を返しました。
少年『では、客間にご案内いたしましょう。荷物やら重い物をお持ちのようなですから。』
そして少年に案内されるまま屋敷に入り、
辺りの見事な調度品やら豪華な作りの屋敷を見回しながら、二人の旅人は客間に到着した。
するとふとした疑問を長髪の旅人が口にしました。長髪の旅人『そういえば君のご両親に許可は貰わなくていいのか? 勝手に中に入れたりして怒られやしないか?』
それに対し少年はやはりそう来るかと面倒に思いながらも顔には一切出さずに、
少年『両親は他界しましたよ。今は一人で暮らしています何も問題はありません。』と。
ちなみに少年は魔族のため元々両親はいない、つまり嘘であるが、
長髪の旅人はそれを聞きばつの悪い表情でごめんと一言いい俯き。もう一人の眼鏡の旅人は、長髪を軽くどつき、こいつが無神経なことを聞いたと謝罪をした。
その反応をみて少年は
『ずいぶん昔のことですので、気に病む必要はありませんよ。それにこんな森の奥深い屋敷で僕のような者が一人でいれば疑問に思うことでしょう。』
旅人らは少年がその事に関して、一人で?と疑問に感じながらも悪いことを聞いたのには違いないと、軽くまた謝罪をしこの話は切ることにした。
少年『では、客間で自由にお寛ぎいただいて下さい。僕はお客人の夕飯を追加で作って参りますので出来上がり次第またお呼び致します』
そういうと少年は客間を後にするのだった。