喫茶店『ダール』
初投稿+短めですが、温かい目で見てください!
王国内で、沢山の人が訪れる広場から少し離れた静かな場所で、経営している喫茶店『ダール』その店主であるクロフォード・ルクサークは店のイスに座り、眉間に皺を寄せ、目を瞑って思った。(開店すんの…だりぃ…)と。
今は午前九時前で、もうすぐ店を開かなければ行けないのだが、店主はたった今起きたばかり。この店の二階は店主の寝起きする場所で、一階は喫茶店。八時に一度起きたのだが、そんな時間的な余裕から「早起きする必要はない」と二度寝。気づいて起きたら開店前なのだが慌てずに一階に降り、イスに座って思った言葉だ。
九時丁度に人が来るわけもなく数分間、ボーッと座っていたが「あー忘れてた…。」と口に出してイスから立ち上がり、外に出て、ドアに木の板で吊ってある「閉店」と書かれた文字を「開店」と書かれているものと入れ替える。その後、掃除も終わり、何時でも人が来てもいい万全な状態にしてから「よし。これでいい。」と言葉と共に二階へ行くための階段を全力で上り、体を横にして目を閉じた…。
カランカラーン、一階に人が来たのが分かる様に、ドアの内側に付けていたベルが鳴った。「御免下さい!クロフォードさん」可愛い女の子の声がこの店内に響くが、一向に店主が現れる気配がない。「あれ?」と思い階段を上る。そして部屋に入って見ると「クロフォードさん!?」ベットにたどり着く前に尽きたのか、床で寝ている店主を見つけた。
「来ていたなら声をかけろ」
「私、ちゃんと声をかけましたよ!?」
「そうか、で?何をやりに来た?」
「そうか…って。はぁ…実は今週学園「わかった。帰れ」で朝ご飯って人の話を途中で切らないで下さい!」
あの後、寝ている店主を見つけ叩き起こして、一階の喫茶店に引きずり下ろした。までは良かったがこの店主、叩き起こされたのを根に持っているのか話を最後まで聞かない。
「私を誰だと思っているのですか!」
「ここ、エスカテレス王国で才女だの可愛いだの周りから言われ続け、天狗になっていたところを5年前、俺にボロカスに言われ、腹を立てたお前が俺に決闘を申し込みに来て自信満々に魔法を撃ってきたが、無傷で俺の勝ち。その翌日からあの手この手で色々策を練って挑みに来たが全て意味がなく俺の勝ち。後に色々角が取れて丸くなった第二王女アイリーン・D・クライテルス様?」
「ぐっ!人の黒歴史を掘り起こさないで下さい!」
「ぷっ…黒歴史だってよ!クハハハ!」
『火の精霊よ私に力を貸して!そして彼に裁きを!』
自分の黒歴史を掘り起こされ、挙げ句に笑われたアイリーンが腹を立てた勢いでクロフォードに自分の得意とする精霊魔法を使うが。
『魔法無効』
クロフォードが一言。それだけでアイリーンの精霊魔法が跡形もなく消え去った。
「ったく。角がまだ残ってるのか?てか、店内は魔法禁止だそ?」
「相変わらずデタラメな魔法を使いますね。」
「魔法じゃない、言霊だ」
「言霊を使える人は世界中探してもあなただけでしょうね。」
「つっても、3つだけしかセット出来ないけどな」
「3つあればこの国を取れます。」
「取らねぇーよ、めんどくせぇ」
クロフォードの持つ『言霊』。これは、自分の発した言葉道理になるもの。その効果は絶大で仮にクロフォードが『全ての人間眠れ』と言うと強制的に寝てしまう。しかし、この言霊のデメリット?はセット出来る言葉が3つまでだが、3つも出来れば国をとれる、とアイリーンはあきれてしまう。
「はぁ…貴方はそういう人ですよね。それより、今週中、学園で朝ご飯が食べられないので此処で食事してもよろしいでしょうか?」
「いいも何も、此処は喫茶店だ。食いたきゃ勝手にこい。」
「ありがとうございます!」
アイリーンは花が咲いたような笑顔で感謝をした。
「そのかわいい顔を5年前のお前に見せてやりたいよ。」
「かわっ!?///その話はやめてください!」
恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤に染めてアイリーン出て行った。
喫茶店『ダール』此処には様々な人が訪れる。国王、王女、学園長、帝国の王子、Sランク冒険者、通称『災害』ディザード…。
店主であるクロフォードの人柄なのか、『ダール』でしか食べられない料理を食べるためなのか、それは誰にもわからない。
しかし、喫茶店『ダール』店主は想う…………誰も来るな。




