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アリア・リアファイル  作者: 蒼山
第四話
14/43

Long ago

挿絵(By みてみん)

   ◇◇◇   ◇◇◇


 大きな衝撃の後、その子供の目の前は真っ暗になった。

 わけも分からないまま、ただ体が動かない。


 指先は? 動かない。

 瞼は? 開いているのかどうかすらも分からない。

 そこまで考えて子供は不思議に思った。

 おかしい、ちっとも痛くない、と。

 もし唇を動かせるのなら、面白くて笑ってしまうほどに痛くない。

 こ れ は 絶 対 痛 い は ず な の に 。

 意識だけは確かにある。

 けれど、四肢が動かず五感も麻痺した状態では生きている心地がしない。


 いつまでそうしていただろうか。

 実際は数秒だったのかも知れないが、その子にとってはとても永い時間。

 それは、突然締め括られた。


 何者かによって現実に引き戻され、その子は目を覚ます。

 ようやく光を映した瞳は、その子の脳裏に凄惨な光景を焼きつけた。

 紙くずの様に潰れた車内。

 じわじわと広がっていく赤い色。

 驚倒しそうになるが、最初から横たわっていた子供の体はそれ以上角度を変える事なく、ただ、壊れた背もたれを軋ませる。


 握り締めた右手の内に感じる柔らかな温もりと、背後で男性の擦れるような声が聞こえたのが、その事故での最後の記憶。


「キャバクラ、断らなきゃ良かったなぁ」


 子供には、何のことだかさっぱり分からなかった。


   ◇◇◇   ◇◇◇

※第四話の本筋・本サブタイトルは次のページからになります。

短くてすいません、ご了承ください。

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