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プロローグ


鷺ノ宮理鷲編のプロローグです




 ザーザーと音を立てて雨が降る。


「全く、鬱になるよなぁ。こんな天気じゃ」


 二人の人物が靴音を立てながら、道を進んでいく。

 両サイドには壁は無いものの、屋根はあるため、運良く雨が凌げていた。


「そうですね。書類仕事ももう少し少なければ、少しは楽なんですが」


 後ろをついてきていた秘書の、声のトーンをいくつか下げた言い方に、男は肩を竦める。


「ウォルランド様もそう思いませんか?」


 ウォルランドと呼ばれた男は苦笑いする。


「まあなぁ」


 確かに、自分たちの持つ書類がもう少し少なければ、とウォルランドも頷いてしまう。

 そんな風に秘書へ返せば、視界の(すみ)が光る。


「何だ?」


 ウォルランドが目を向けた先には、雨が降り続けているにも関わらず、ずぶ濡れになった人影のようなものがあり、それを捉えるとウォルランドは目を見開いた。

 そして、暗かったはずの空の合間からゴロゴロと音を鳴らす雷の光が一瞬だけ地を照らす。その間は本当に少なかったのだが、人影が少女だとウォルランドは判断できてしまった。

 次の瞬間、ウォルランドの視線に気づいたのか否か。少女の目が彼を捉える。


「えーー」


 そのまま目が合うと、ウォルランドは思った。


 ーー黒。


 何故、そう思ったのかはウォルランドには分からない。

 だが、少女の方は目が合ったことに驚いたのか、目を見開き、動きを止める。

 ザーザーと音を立てて降る雨にハッとし、ウォルランドが一歩前に出ようとした瞬間、少女は現れたときと同様、光とともにその場から消えた。


「何だったんだ、今のーー」


 そんな光景を目にし、ただただウォルランドは書類を持ったまま、その場で呆然とするしかなかった。



読了、ありがとうございます


誤字脱字報告、お願いします



実はこの『アインスノイール~四家物語~』、親、子と世代ごとに話が繋がってます


今回の(四家側)主人公は鷺ノ宮理鷲ですが、あらすじ通り、もう一人います



次回、本編スタートです



それでは、また次回



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