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感染者の創造  作者: 岡田健四郎 原案:岡田健八郎
発祥の地
11/13

変貌した村

 薫子は黒木の言われたとおり、ずっと床下で黒木が来るのをずっと待っていた。

 それにしても遅かった。数回も銃声がしたが、まさか黒木が射殺されたと言うことは……いや、ありえない。なんたって、自分の身長を越える巨人を撃退したんだ。きっとあのメタボ警官だってやれる。

 すると、黒い長いズボンが見えた。黒木は普段からポールシャツに葬儀ではくような黒いズボン姿だった。

「黒木?」

 思わずいってしまう。その時、左手が床下の薫子の首を捕らえ、床から引きずり出し、軽々と首を絞めたまま持ち上げた。

 それは警官だった。両目を真っ赤に充血させ、恐ろしげな奇声を発している。そして拳銃を向けてきた。薫子は拳銃を両手で奪い取り、それで警官の頭を撃ち抜いた。警官は鮮血を撒き散らしながら、倒れこんだ。

 薫子は拳銃を握ったまま、黒木を探しに家を一周したが、黒木の姿はなかった。

 一体どういうことだ?まさか、撃たれて崖から落ちたのか?そうすれば大惨事(薫子にとって)だ。すぐに見つけなければ!

 薫子は拳銃を構えたまま、当てもなく彷徨った。



 黒木は、誰かに起こされたような感じがした。まってくれ、もう5分……そう思ったが、突如、左肩が痛み出した。

 痛みで目を覚ました。横には、見知らぬ日本人女性が居た。白衣姿で、スタイル分からないが、恐らく良い。何より、顔が端整だった。まるで、怒りと言う感情が存在しないような、優しそうな目だ。とても笑顔が似合いそうだ。

「良かった、無事だったんですね!」

「き、君は?」

「私は山岸百合です。薫子姉さんの妹です」

 一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。世界は広い。姉妹が偶然2人とも日本に来ていても、おかしくはないだろう。

「お、俺は…」

「黒木先生ですね、姉から話は聞いています」

 先生ではない、科学者だと言おうと思ったが、世間からすれば先生も科学者も同じなんだろう……

「姉を追ってここまで来たんですが、姉はどこですか?ていうかその肩の傷は何ですか?」

 見れば、あの警官に撃たれた後が痛々しく残っていた。

「もう訳が分かりません、村人にも襲われるし」

「襲われた?」

「はい、皆殺意をむき出しにして、殺そうとしたんです」

 黒木は周りを見た。そこはいわば木1つない岩場の様な場所だった。

「ここは危険だ、どこかへ移動するぞ」

「どこってどこへ?」

 そんなことは構わず、黒木は立ち上がり、近くにあった階段を駆け上がり、小さな平家に入った。百合は慌てて追いかけ、平家に入った。

「あの、勝手に入って大丈夫ですか?」

「ああ、どうせ村人は狂ってるんだ」

 そう言いながら、傷口にある弾を抜き、鎮静剤を打って縫合した。

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