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今は筋肉より女子力ですべてを解決する時代――え、彼女、この弁当、自分で作ったんだが――

掲載日:2026/09/02


 最近のラブコメを読んでいた俺は、天恵を得た。

 もう、熱血の時代もラッキースケベの時代も終わり、勉強もしくは家事能力が高い男がモテる時代だ。

 少年マンガもラノベも、家事代行できちゃう格好いい主夫の時代だ。

 

 そう、時代は変わった。

 俺は、ダンベルを静かにあげて、おろした。


 バルクアップした筋肉がパンプアップして、まるで餌に群がる鯉のようだ。ああ、頭が――、筋トレのしすぎだな。

 俺は、静かに、懸垂を開始した。

 そう、妹に怒られるから。静かに、筋トレするしかない。頭脳の9割を、妹にとられました。妹の勉強を邪魔したら、家族から袋だたきにされ、そのまま、夜の街を闊歩することになる。


「よし、モテるための筋トレはここまでだ。筋肉でモテなかった。俺は男磨きから降りるぜ」


 俺は、某男磨き系sakanatubeを見るのをやめた。

 次の時代が来てる。そこはかとなく、風、なんとなく、どこかから、すごい乱気流のように。

 生活を整える系、女子力高める系のsakanatubeを見ることにした。

 今度こそ、女子力で、モテて見せる。


 ◇ ◇ ◇


 女子力の高い人間の朝は早い。テストステロンの高い男と一緒だな。

 しかし、女子力は、男子力とは違う。

 まず、起きたら、爽やかにカーテンをあける。男子力なら、まず、目覚ましを破壊するように、かっこよく、目覚ましの息の根を止める朝から始まる。そして、起きると同時に、冷水シャワーを浴びにいくんだ。


 女子力を高める俺は、朝日を浴びながら、ヨガマットで、ゆっくりと静かに(これ大事、妹のために)ストレッチから開始する。そう、できるだけ滑らかに優雅な白鳥が首をさげてからあげるように。

 そして、ストレッチを終えたら、よく分からないが、まぁ、温かい飲み物を、まったりと飲むのだ。男は黙って、ブラックコーヒーだが、女子力高い人間は、きっと、ハーブティーにちがいない。

 しかし、家になかった。

 俺は、粗茶をついだ。まぁ、いい。まだ初日だ。

 モーニングルーティーンをしながら、俺は考える。俺の部屋にも、ファンシーなものや観葉植物をおかないとな。

 おっと、ベッドメイキングをしておくか。軍隊式で。あとで女子力式を勉強しよう。


 さて、俺は、シューズを履き、日課のランニングに出かけると、見せかけて、散歩、ちょっとはやい競歩をすることにした。女子力高い女子は、朝から10kmも走らない。ソレは、もう男過ぎるから。最高でもジョギング程度で、爽やかな朝の空気を感じるのだ。己の肉体との対決ではないのだ。

 俺は、爽やかに、短パンでランニングをした。そう、ふとももの筋肉をむき出しにして、な。筋肉が走りたがっていた。


 女子力の高い朝の食事、俺は、いつものプロテインとかゆで卵とかで終えることはできない。ブレイクファストは、ブレッドアンドバター、卵は、きちんと潰して、サラダにパラパラとかけて仕上げる。女子は、パンが好きなようだ。男にとって、パンは軟弱ものが食べるもので、日々、タンパク質のみを流し込む日々だが。食事なんて、ハラに入ればおなじ。大事なのは、栄養価だけ。これが男の中の漢。グルテンでグルグルしちゃうし。


 けれど、今日は、女子。見た目を重視だ。そう、女子は、見た目大事だから。女子は、顔で、人生が変わる人生を歩む生物だから。男の顔なんて誰もみない。男は、能力なのだ。筋肉という能力を鍛えても、モテなかった。学力という能力は、無理だ。そこで、俺は、女子力にすべてを賭ける。家事、生活を整える、ライフスタイルの時代を駆け抜ける。

 俺は、ドレッシングを高く、多角的な角度から、オリーブオイルのようにかけながして、満足する。

 そして、きちんと、お箸をつかって、食した。ひさびさの、なんか、皿におさまった朝の食事だ。

 時刻は、そろそろ6時。母も起きてくる時間か。

 俺は、瞑想をして、朝の登校時間までを、完璧な女子力で過ごした。

 ぽくぽくぽくーー。


「お兄ちゃーん、わたしの食パン食べたでしょー」


 瞑想を醒ます何か危ない走馬灯が見えそうだった。


 なんやかんやそんなこんなでこうやってそうやってこう――。

 月日が経ちました。


 ◇ ◇ ◇


 昼休み。俺は、普段のように、丁寧につつまれたお弁当の袋をといて、水色のコーティングの二段重ねの弁当をあける。 


「か、彼女できたの」


 声をかけられた方を向くと、クラスメイトの、たしか結構ずっとクラスが一緒の、あれ、誰だっけ。まあ、いいか。


「なんのことだ。俺は、今、女子力をあげているだけだ」


「嘘。絶対、嘘。絶対、それ、彼女が作ったお弁当でしょ」


 彼女が作った弁当?俺が毎朝早起きして、女子力のすべてを詰め込んだだけだ。弁当は、キャラ弁こそ至高。海苔を巧みにつかいお米を完璧にセルフプロデュースし、色取り取りの野菜と渋いミートボールが綺麗なクマさんをつくりあげる。わかるか、神は細部に宿るように、女子力とは繊細さなのだ。


「俺は、気づいたんだ。もう筋トレで女を引き付けるクジャクでいてはいけないと。俺は、女子力で目立つ」


 女子の胃袋をつかむのだ。そして、生活になくてはならない存在になるのだ。最近のラノベや漫画を読めば分かる。今は主夫の時代。家事代行はモテる。よって女子力はモテる。

 クラスメイトの女子は何かをあきらめたかのように去っていた。オレ、嘘ついてないよ。正直者だよ。


「お前もついに分かったか。現実の女はクソ。独身貴族こそ至高だと」


「いや、気づいてないが」


 俺のかつての筋トレ仲間がムキムキに近づいてきた。話の脈絡って知ってる?その腕にある血管のようなものなんだけど。

 俺は女子のために人生を捧げる男。

 お前は結婚絶対したくない系男子。


「さあ、共に独身街道を歩もうじゃないか」


 肩を組んで、どこか教室の天井を指さしている。

 周りでは「やっぱり、あの2人って」「マッチョはゲ◯。ア◯リカの常識だよ」「絶対、受けはあっち」と、最悪な会話が聞こえてくるが、女子力の高い人間は怒らない。なぜなら女子力とは笑顔と一滴の涙なのだ。


「俺は健全に最高の女と過ごすから」


「いずれお前も気づく。筋トレができ、料理が作れ、生活力がある。あれ、女子なんて要らなくないってな」


 教室で堂々と、シャツを脱いでバサッと無駄に肩をかけながら主張した。

 独身街道なら一人で歩めよ。俺は、対抗して脱ぎかけたシャツを我慢した。女子は、人前で上半身裸にならない。そう、いざという時に、チラッと見せるのだ。それが女子力。


「独身はいいぞ。なにせ、自分との、マッスルとの純粋な対話ができるからな」


 筋肉マンはそう言い残して、去っていった。

 そんな宗教者のような対話したくない。女子とキャッキャッと会話したい。


 ◇ ◇ ◇


「絶対、嘘だ。彼女できたんだ」


 わたしは、自分の机にぐでぇと伏した。

 どうして、現実はこうも残酷なのだろう。わたししか狙ってなさそうだったのに。


「女子のストーカーって珍しいよね」


 わたしの、気の置けない友人は、わたしに興味なさそうに、お昼の自販機で買ったミルクカフェオレをチューと吸った。


「違うよ。ほら、わたし、ちゃんと話してる。うん、ストーカー、話せない」


「それは不審者の間違いなんじゃ」


「とにかく、誰が相手か探らないと」


「きっとあれだよ。妹がお兄ちゃんに弁当作ってあげる~みたいなノリだって」


 興味なさそうに、友人は、またもや、明後日を見ながら飲み物に集中している。

 

「それはない。妹ちゃん、完全に今時の料理したことない成績のいい真面目で可愛い子だもん」


「それが今時な理由について。てか、わたしでも、弁当ぐらい作れるけど」


「わたしも作れるけどさ。でも、それはわたしが女子力を鍛えたからであって、今時の子は、女子力よりアウトスタでダンスでも踊ってるか、勉強する真面目っ子だよ」


 ああ、女子力鍛えたのに、誰も気づいてくれない。女子力って、もっと、筋肉みたいに目立たないかな。女子力って、どうやって見せつけたらいいんだろう。筋肉なら、脱げばすむのに。


「あっ、そうだ。あいつ女子力あげてるんでしょ。だったら、こっちは、男子力をつければいいんだよ」


 なんだろう、男子力って。あれかな、なんか男みたいで、全然、女子に思えねー面白い女路線ですか。

 そこから、恋につながる少女マンガ脳でしょうか。

 貧乳でショートカットな女の子こそ正ヒロインですか。わたし、胸はそこそこ自信あるんだけど。隠れ巨乳を自称できるよ。ずっと隠すけど。


「で、男子力ってなんですか」


「もちろん、筋肉でしょ。そう、今は、女もボディメイクする時代。ア○リカならモテるのは、ボディメイクを完璧に仕上げたボディビルダーみたいな女子だよ」


 知ってる?ア○リカは、20年進んでるんだよ。そして、可愛いは正義の日本なんだけど、ここ。

 ファリック・ガールはまだ早いよ。


「わたし、ムキムキはちょっと。わたし、ほら、着痩せするタイプだから」


「まぁ、脱げば、やわやわもちもち感あるよね。細そうなのに」


 わたしの友人は、わたしの二の腕からその先まで揉んでこようとしていた。蚊を叩くように、わたしは払いのけた。


「無難にさ、結局、男なんてさ、美容院にでも行って髪型変えれば、ドキリとするんじゃない」


「それ、女子力でやらなかった?」


「あの頃も今も、あいつ、自分にしか実際興味ない系の男だと思うよ」


 た、たしかに――。

 なんで、わたしの好きな人は、いつも、よく分からないことをしているんだろう。今も、なんか丁寧な食事をしているし。前は、教室でプロテインを作り始めていたのに。あれは、辞めて欲しかったけど。今は今で、また、おかしい。ほら、マイハンカチがでてきた。もうハンカチ王子の時代じゃないのに。


「わかりました。わたし、わかっちゃいました」


 友人は吞んでいたカフェオレを握りつぶした。


「大事なのは、結局、単純接触効果。つまりは、インパクトなわけ。当たって砕ける。これが恋愛の真実」


 友人は、どういう脈絡でこんなことを話し始めたのだろうか。

 脈絡って知ってる。コーヒーに、ミルクを流したときのあの模様のようなものなんだけど。


「あのー、砕けたくはないんだけど」


「いいかね、ワトソンくん。単純な推理なんだよ」


 わたしはワトソンなの。シャーロックホームズが頼りにならなさそうんだけど。全部バリツで終わらせそう。


「やつは、おまえの存在にすら気づいてない。そこで、食パンアタックを提案します。いい、男子なんてパンツ見せとけば落ちる、以上」


 食パンくわえて転んでも、パンツまでサービスするつもりないんだけど。

 あれ、たしか、彼女ができたかどうか、話していたような・・・・・・会話って不思議。



  ◇ ◇ ◇


 ある日、俺は、運命に出会った。

 ラブコメで、何度も見たことがあると錯覚しているテンプレだ。

 

 俺はいつものように、女子力を鍛えていた。可愛いエプロンをつけて、鼻歌まじりに朝食と弁当をつくっていた。いつのまにか、家族の朝食を作り、妹の弁当までつくっていた。お母さんは、大喜び。やばいぜ、自己肯定があがる。筋トレしていたときは、無駄な体力を使ってばかりとお説教されていたが。

 筋トレするぐらいなら、家事を手伝えと。一理ある。

 俺は中華鍋をカッコ良く使いながら今日も女子力の鉄火場にいた。妹は、お兄ちゃんキモカワと言っていたが。


 すべてのモーニングルーティーンを終えた俺は、朝早く、楚々とした優雅さで、登校していた。遅刻ギリギリなんて、女子力の風上にもおけない。

 けれど、その日、奇妙なことが起こった。

 なぜか、超超超余裕の登校をしていたのに、どこからともなく『遅刻っ、遅刻っ、ちこく~っ!』と叫び声が聞こえてきた。


 そして、俺は、その声を聞いたから、女子力的に、角でぶつかったりしないように、余裕をもって、車間距離をあけるように、完璧なトラブル対策をした。

 そのはずだった。

 なのに――。


 曲がり角から少女は、大回りで、俺の方へとダイブ。

 なぜか食パンをくわえていた。苺ジャムが塗ってあった。


 俺は、ガッチリと彼女を受け止めた。

 まぁ、女子のタックルで崩れるほど柔な鍛え方はしていない。


「あ、あ、あっ、えっと、ナイスキャッチ」

「そうだな」

「それじゃ」


 少女は、くわえたパンをちゃんとくわえたまま去って行った。

 そして、俺はしばし呆然として、今のが運命だと、決めつけた。


 そう、なんか、これが恋なんだと、分かったのだ。

 というか、柔らかかった。

 第二ボタン、飛んでいっていたけど、気づいてないのかな。淡い水色が見えた。


 ◇ ◇ ◇


「なんか付き合えたけど、複雑なんだけど」


 わたしは、屋上で友人と話していた。

 見下ろすと、グラウンドで運動部が無駄な汗を流す青春をしている。


「ほら、インパクトなんだって。リジェクトなんだって」


 友人は、本日三本目のカフェオレをのんでいた。

 大丈夫かな。将来、糖尿病にならない?


「わたしの女子力・・・・・・」


「いやいや、自分磨きしてても行き遅れるって」


 わたし、まだ女子高生なんだけど。

 自分を磨いてて良い時期でしょ。みんな、その時期でしょ。

 でもさ――。

 

「複雑すぎる。あんな一撃で落ちていいの。男って単純なの」


「単純でしょ。単細胞だし」


 まさか、ラブコメ的出会いイベントが正解だったなんて。

 というか、ホントに、名前すら覚えられていなかった。え、わたし空気扱いだったの。

 まぁ、いいけど。今は、わたししか見てないし。


「でもね、今、負けられない勝負しているんだ。恋はつきあってからが勝負なんだから」


「また、意味分からない二人が、意味分からないことしてる」


「女子力で負けるわけにはいかないのっ」


 女として、女のプライドとして。

 ジェンダー平等?知らない。わたしは、勝つ。


「負けたら筋トレすれば」


「絶対嫌。わたしは、今が、ベストな肉体だから。それで、そっちは恋愛しないの」


「ホームズは独身なんだよ、ワトソンくん」


 ワトソンって、結婚してたっけ。どうでもいいか。

 わたしは、独身貴族まっしぐらの友人を抱きしめた。


「あのー、隠れ巨乳さん、どんどん育ってませんか」


「これが女子の包容力なのだよ」






◇ ◇ ◇


「お兄ちゃーん、たすけて。わたしがお弁当作れる女子力高い女子だと思われて、男子にモテすぎて困ってるー」


「お前も、女子力の高い男子を捕まえる道に行くのだな」


「ううん、自分の女子力鍛えるよ、普通に。それで、料理、おしえて」


 中華鍋を俺は構えた。


「よし、彼女さんに教わろう。そうしよう」





 そういえばKDP出版使ってみました(今更すぎる、いつもレイトマジョリティです)。「妹の友達の百合っ子にーー」(以前、遠い昔、あの頃は若かった、なろうで出していたのですね。削除済みの)、ええ、0冊を刻んでいる(ちょっとは宣伝しろってことなのかな)。AIってすごいね、今まではやり方意味不明すぎたけど、AIはすごい。


 ちなみに、この短編作品にAIは1ミリも使われてません。作者の愛(AI){うるさい}で作られています。文章でAI使ったら負けだと思っている。表紙は頼ります。しかし、KDP、表紙のデザインセンスはなかった。うん、デザイナーって大事だね。AIを使いこなせていない雑魚。

 

 でもAIに頼りすぎると、なんか思考力落ちそうだし。ググれ以上に、AIに聞けで考えなくなりそう。

 まぁ、やり方わかったし、こっちはこっちで頑張っていずれ完全初出書き下ろしで小説作れるよう頑張る。


 

 仮面のメイドガイをなんか書いてる途中に思い出した。なぜだろう。どうでもいっか。

 強面が料理する。なんかヤクザみたいな主夫のマンガもかつてあったような。今もあるだろうけど。

 ギャップ萌え文化。


 筋肉筋肉〜、リトバス時代だよなぁ、私のなかでは。


 インザメガチャーチ読んだ。時は、今、大推し活時代なんですね。取り残されてるわ。あはは、レイトマジョリティからすでに、もうなんか時の速さに負け始めてるよ。でもさ、なんか最近の若者は、心理的だね。肉体感覚がなんかないね。テンションとか意識とかMBTIとか。


 たぶん、なろうのあとがきなんて誰も見てないし、自由にしていいんだよね、もう。なろうはオワコンから相当日数立ったし、もはや、生存報告のように作品を書く弱小作家。ブクマ100以下は底辺作家みたいなことを言っていた時代もありました。いまや、なんか、誰が書いているのかな、ぐらいな感じ。

 エッセイ見たら、なろう過疎化とかじゃなくて、AI利用についてやチアーズプログラムばかりだった。


 まぁ、ネタをつめこみすぎて、もっと選別しろよと思われそうな作品になったなぁ。もはやボケることしか考えてないぜ。


 忘れてた。お読みくださりありがとうございました。歳とともに、言葉は過剰になっていきますね。残暑がまだ暑いですね。雨にもお気をつけてね。

 

追記

 kindle注文は相変わらず0だけど、たぶんunlimitedかで少し読んでくれた日はチラホラ。ありがたや。


9/23

まだ注文0のままだ。うん、500円は強気すぎるのだろう。まぁ、いいか。売れなくても困らないし。ちょっとメンタルに来るだけ。

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