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たとえ姿が見えなくても

作者: 虹彩霊音




ファントム「遊びにきた」


幻「………」


ある日のこと、突然のことだった。


友達の足が消えていた。


幻「痛い?」


ファントム「全然、ていうか足の感覚ないし」


幻「本当?」


ファントム「気にする必要もないよ。困ることもないだろうし」


――――――――――――――――――



次に会った時は、もっと消えてた。


ファントム「サッカーでもやろうよ」


幻「腰から下がないんだからできないでしょ。ていうか、どうやって立ってるの」




幻「病院とか、行ったの?」


ファントム「またその話か。病名も原因もさっぱりだってさ」


幻「……そう」



――――――――――――――――――



また次に会った時には、もう首しかなかった。


ファントム「やっほ」


幻「………大丈夫なの?」


ファントム「至って元気です」




ファントム「あはは、この状態で外で歩くとさ、すれ違う奴らみんなビビるんだ、反応がすごく面白い。ま、こんな見た目だし仕方がないよね。……君だけだよ、まだ私と一緒に居てくれるのは」


幻「……私だって、貴方以外要らないよ」


ファントム「嘘つけ。君、好きな人居るくせに」


幻「ヴィエ゛ッ!? いないよそんなの! ばーかばーか!!」


ファントム「うるせー! バレバレなんだよ! あーほあーほ!!」


幻「うるさいうるさい!! 私には貴方だけ居ればいいんだ!! ………行かないでよ……」


ファントム「……バカだなぁ、私はどこにも行かないよ」



――――――――――――――――――



そして


幻「………嘘つき」


彼女は私を置いていった。


その日から、友達はいなくなった。


だから、私が居る必要もなくなった。


彼女を追いかけるために、この世から発つ。



そのはずだった。



幻「うぐ……!?」


強い風が吹いた、私の体は軽いから簡単に転がされてしまった。


幻「……なんだ、ずっと近くに居てくれたんだ」



――――――――――――――――――



幻「……よし、今日は彼に告白するぞ! あぁ、でも断られたらどうしよう……ぅぅ……」



とんっ



幻「……うん、行ってくる。頑張るから」




行ってらっしゃい、まぁ頑張りなよ

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