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4/21

4/21話

少女は女性の傍に座り込むと女性に声を掛けた。

「ルアナ、ルアナ。起きて、起きて。」

少女が女性を揺さぶると、女性は小さく唸り声をあげて身をよじり、ゆっくりと目を開けた。

「ルアナ、大丈夫?」

少女に声を掛けられた女性が驚いて飛び起きた。女性は少女を抱き寄せ、周辺を窺った。

「姫!無事でしたか。・・・・ここは、どこですか?」

周辺を見ていた女性と青年の目が合った。素早く少女を背後に隠すと女性が身構えた。背後から少女が声を掛けた。

「ルアナ、彼は僕を助けてくれた。ほら、僕しゃべってるよ。」

少女が女性の腕をぐいぐいと引きながら顔を覗き込んだ。青年から目を離せずにいた女性がようやくそれに気づき少女の顔を凝視した。そして、何度も確認するように頬を撫でた。

「本当に無い・・・・マスクは?」

「彼、すごいんだ。あっという間にとっちゃった。」

少女が青年を指差して嬉しそうに笑った。その言葉でようやく女性は青年に対する警戒を解いた。そして再度周辺を見回し、暗闇の一角を指差した。

「あちらに洞窟があります。ひとまずそこに隠れましょう。ロウナ様のお力を借りることになりますが、よろしいですか?」

女性が立ち上がりながら、少女を見つめた。それに対して、少女は力強く頷いた。それを見て、女性は青年の方へ顔を向けた。

「助けてくれてありがとうございます。ここでは話も出来ません。ひとまずあちらへ。」

女性は小さく頭を下げて一緒に来るように促した。

「もとより俺の目的はあんたらだ。なんと言われてもついていく。」

二人のやり取りを少し離れて見ていた青年はようやく二人の傍に寄った。それを聞いて女性は少女を連れ、洞窟へと向かった。全員が洞窟に入った事を確認すると、女性が少女を促した。洞窟の入り口に立った少女がゆっくりと息を吸った。

『木の葉よ、入り口を隠して』

その言葉に呼応するように木の葉が入り口を隠した。再び少女が息を吸った。

『この場所は見つけられない。ここにいる限り私たちは見つけられない。』

少女は何かを確認するようにしばらく入り口を眺め、ゆっくりと息を吐いて振り返った。

「ルアナ、出来た。多少の話し声ぐらい大丈夫。」

嬉しそうに小走りで青年の前を通り過ぎた少女が女性の隣に座った。少女に笑顔を向けた後、青年に視線を戻した女性が口を開いた。

「あなたの目的は私達だと言いましたね。あなたもロウナ様の力が目当てなのですか?」

静かだが厳しい口調で女性が青年に問いかけた。青年は顔半分を覆っていた覆面をずらして笑顔を見せた。

「俺はヘスティアの宝を盗みに来ただけだ。そもそも嬢ちゃんの力なんて知らないしな。」

青年の言葉を信じるべきか逡巡した後、意を決したように女性が話し始めた。

「では、自己紹介をしましょう。あなたが盗んだものがどういったものなのか。私はこの方の護衛官をしているルアナと言います。この方はロウナ様。ローグとフィヨンの交易の街、タミナの姫です。」

ルアナと名乗った女性はそこまで話して口を閉じた。続きを言いあぐねているルアナの様子に気づいた青年が真剣な表情で口を開いた。

「言いにくい・・・か。・・・じゃあ、俺の話をしようか。」

青年が再び二人に笑顔を見せると、ルアナは少しだけ表情を和らげた。

「俺の名はジーク。ティンファンの者だ。五年前、ティンファンから来た全キャラバンをローグが殲滅した。派遣兵団が殲滅させられたのはシャーマンが関わっていたからだという疑惑を受けてね。・・・で、ヘスティアの宝の噂を聞いて、それを壊してやろうと思ったんだよ。」

ジークの言葉に再びルアナが警戒して、ロウナを背後に隠した。

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