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~猫王ねこじゃけ~

 翔真がレオンに呼ばれている頃、争い元を調べる


ために探索している物が居た。


「はぁ。疲れた。レオンさんこき使いすぎだろ」


灰色の髪に緑の目、長身でスラッとした男がぼや


く。


「必要なことではあるけどマジで疲れるんだよ


な……あとであやに慰めて貰おう。あとレオンさんに


は報酬をあげて貰う。」


木々を跳び移りながら、ねこじゃけは一人呟く。


瞬間何者かの気配を察知して、ねこじゃけは息を潜


める。


(だれだ。気配的には魔族か。)


ねこじゃけは息を潜めながらも気配を探り、やがて


複数の気配を察知した。気配を圧し殺しその場所に


近づくと、声が聞こえた。


「ーーだから、ーーーでーーーやるんだよ。」


途切れ途切れではあるがなにかを話しているのが分


かる。


(何を話しているんだ……)


ねこじゃけは近づこうとしたが、その瞬間危険を察


知した。


(あーこれ以上はまずいな)


周りを見ると針や、槍、魔方陣などの罠が仕掛けら


れていた。


ねこじゃけは少し考え、やがて息を吐く。


(バレる可能性もあるが、確実に怪我するよりマシか)


片手を前に突きだし、掌を広げ呟くように唱える


『聴覚強化』


すると、木々の葉が擦れる音や、小鳥の囀り、蟻の


動く音まで、聞こえるようになった。


そして、先程まで聞こえなかった声まで鮮明に聞き


取れている。


「だからよぉ。邪族がそこまでする理由がねぇだ


ろ」


「理由がなかろうが現に被害を我々は受けている


だからこそ戦わなければならぬ。」


「だからそれも俺らに理由があるんじゃねぇの?」


「貴様!!やつらの肩を持つ気か!」


「肩を持つとかじゃねぇけど同盟を組んでから争い


とかなかったのにいきなり、そうなってるのが不自


然に感じるんだよ」


「不自然だろうが、我々は被害を受けているではな


いか!」


「だからよぉー」


どうやら身内で言い争いをしているようだ。ねこじ


ゃけは聞き逃さないようにさらに集中する。する


と、気になる発言が聞こえてきた


「まずまずおかしいだろ。邪族が俺達に攻撃するに


しても、直接的ではなく食料とかに手を出すとか


よ!攻撃するなら、住んでる場所とかを寝込みで襲


うとかの方がよっぽど良いだろ!それによ緑のフー


ドを被ったやつが[バルサンド]から出てからだ


ぜ?タイミング良すぎねぇか?」


[バルサンド]魔族の領地のひとつであり、邪族から守


る最初の門である。門守からの正式な許可無しには


通れず、素性の知れぬものは通されない。不法侵入


をしようものなら即殺される、難攻不落の場所であ


る。事実[バルサンド]は同盟開始から、ただの一度も


不法侵入をされたことがない。


「緑のフードか……」


ねこじゃけは記憶に残すかのように反芻する。


「念のためレオンさんに伝えに行くか」


ねこじゃけはそうしてその場を後にしようとした瞬


間背後から気配を感じた。


その瞬間即座に振り向いた。すると、眼前に掌が写


し出され、やがて目の前がが落ちる。


「まずい……レ、オ……ンさんに伝え……なきゃ」


ねこじゃけはそう呟きながら目の前に緑のフードを


被った者を見て、意識を落とすのだった。

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