まとわりつく光
私の記憶
つまらない記憶
どうでもいい記憶
気になる記憶
幼い頃は
漠然と光と重苦しい雲のようなものが
立ち込める世界に居た記憶があった
記憶があったといっても
そんな世界があることなんて
誰も証明してない
だから、幻覚のような不思議な記憶
ただ、そこが本当の自分の居場所の
ような気がして
此処ではない
あちらへ、戻りたいと思ってた
成長して前世なるものを知ると
それが前世というものだったのか?
確認しようもないが
多分、そうあって欲しいという
思い込みに過ぎないのだろう…
それとも、自分は天国のようなものに居た
特別な存在だったのが
こちらへ来たのだ
だから、自分には何か今世で
使命のようなものがある
まぁ…一つ間違えばカルトの考えにも
通じるものだ
母親の内職のミシンの音のズーンとした
重苦しい響き横で眠って
頭に響きわたる独特の感覚
それとあいまって
あの光と雲の世界は
一層、現実的な記憶として
私に固定していった
もう、確かめようもない
どうしようものない記憶
あのズーンとした重苦しい響きが
時折、脳を過去に引き戻すが
そんなものは脳内の化学反応だろう
現実はそんなに幻想的でも神秘的でもない
ある訳のない光と雲に包まれたズーンとした世界
戻れるというより
戻る場所が最初からないのだ
さて、今日も目の前にある
つまらないものを片付けて
つまらない日常と
つまらない感覚を生きよう
最近、天国やらより
そちらのが手離したくないものになってね
私も年齢を重ねて
神秘より現実のが
好きになってしまった…
なんだろね
自分でもわけがわからないの