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Prologue
―ああ、どうして現実はこうも残酷なのだろう。
僕たちはこれ程までに愛し合っているというのに。
“人間でない”。たったそれだけのことで。
『悪魔に魂を売った』などと言われる。
僕たちは何も悪い事をしているわけではないのに。
周りは僕たちを腫れもの扱いしてくる。
好きなものを“好き”と言うだけで。
どうしてこんな目に合わなければいけない?
僕はただ、彼女の事を愛しているだけだ。
それが間違っているというのか?
何が正しくて、何が間違っているのか。
そんなこと、僕にはわからない。
父さん、母さん。
僕は、どうすればいいのでしょうか――