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ジェット騎士団〜影の守護者たち〜  作者: 如月
第一章 絶望と脱却
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期待

ガーネット→忠実、勝利、優雅


アメジスト→誠実、覚醒、高貴


ブラッドストーン→勇気、献身、救いの力


ダイヤモンド→純潔、不屈、永遠の絆


エメラルド→幸福、希望、幸運


パール→健康、富、完成


ルビー→情熱、愛、威厳


ペリドット→安心、平和、和合


サファイア→慈愛、賢明、不変


トルマリン→忍耐、寛大、芸術的センス


トパーズ→潔白、知性、直感


ラピスラズリ→尊厳、崇高、克服

宝石の国『ウルカ』。あらゆる宝石が揃うこの国は、常に他国から攻撃を受けつつも約3000年という長い歴史を持つ。なぜこれほど長く独立を保てるのか。それは、精鋭な騎士が揃った最強の軍隊、『宝石騎士団』があったからである。宝石騎士団は国家公認の騎士団であり、総長をトップとして1()2()()()()()()()()()()。12の騎士団はそれぞれ、『ガーネット』、『アメジスト』、『ブラッドストーン』、『ダイヤモンド』、『エメラルド』、『パール』、『ルビー』、『ペリドット』、『サファイア』、『トルマリン』、『トパーズ』、『ラピスラズリ』と、宝石の名前がついている。騎士団の役割は国の防衛、人命救助や要人の護衛、治安の維持などである。国民は彼等を尊敬し、同時に目標とした。いつか自分も騎士団に入り、立派な騎士となって国の為に働く。各地域にある『騎士養成学校』の中で、多くの者達が険しき竜門を登ろうと奮闘し、見事登った者達は正式に騎士となり、騎士団本部『ドラコナイト』で働き、各騎士団に配属される。そして今、2人の少女が本部の門前に立っていた。


「いよいよだね。」


「…うん、いよいよだね。」


「リディはどこに配属されたい?私はもちろん、ダイヤモンド!」


「私は…イザベルと一緒だったらどこでもいいかな…。私1人じゃ、何も出来ないから…。」


「大丈夫だよ!リディは頭も良いし、努力家だから私がいなくてもやっていけるよ!自信持って!」


「う、うん…ありがとう…。」


彼女の名前は『イザベル・コーラン』。騎士養成学校を今年卒業し、いよいよ憧れだった騎士団に友人の『リディアーヌ・べアール』と一緒に入団する。ここにくるまで、彼女達の道のりは大変なものだった。

最初の1年は基礎体力づくりの為に水泳やマラソンを行なった。朝から晩まで走ったり泳いだりした。運動神経が人並みの彼女達にとって、慣れるまでに1年かかった。毎日教官に怒られ、心が折れそうになることもあった。それでも、夢だった騎士団に入る為に耐え忍んだ。

1年経ち、体力がつくと、今度は実技を行なった。剣術、槍術、弓術、格闘術など一通りの武術を受けた。傷口の縫合や骨骨接ぎなどの応急処置、乗馬、武器や馬の手入れの方法も学んだ。武器は木でできた練習用の物とはいえ、体に当たれば血が出てアザになり、痛かった。身体中を負傷した。それでも彼女達は耐えた、憧れの騎士になる為に。

実技は武術だけでなく、作法もあった。言葉遣いや振る舞い、宮廷での作法などを学んだ。このあたりは特に問題なくできた。

座学もあった。主に騎士道精神や国の歴史、世界情勢、地理、言語などである。数学や科学も受けた。これも彼女達には問題なかった。

そして更に1年経つと騎士団に仮配属され、本物の騎士の仕事を経験する。イザベルはダイヤモンド騎士団、リディアーヌはルビー騎士団に入った。実戦には参加しないが戦地に行って、偵察や負傷者の手当、伝令などをし、作戦のたて方や兵士達の配置の仕方、隊列の組み方などを学んだ。国内では街の治安維持や城内の警備を行なった。先輩騎士の働きを手本に、本物の騎士になる為の最後の試練である。約3年の学校生活を送った後、教官達によって吟味され、優秀な成績を収めた者のみ、合格の証である「ラナンキュラスの花」を贈られる。不合格の証である「ザクロの実」を贈られた者はもう1年やり直すか、もしくは諦めることになる。イザベルとリディアーヌは共に合格した。2人は抱き合い、泣いて喜んだ。そして今日、本部で正式な騎士となり、騎士団へ配属される入団式が行われる。


「さあ、早く行こう!式に遅れちゃう!」


「う、うん…!」


イザベルはリディアーヌの手をとり、先導した。爽やかな風が、彼女達の背中を押す。今日から騎士となる。2人は気持ちを昂らせ、新たなスタートを切った。

しかしこの時、イザベルは知らなかった。自分がこの後、絶望の色に染まることを…。

○ラナンキュラス

・花言葉:合格


○ザクロの実

・花言葉:愚かな

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