親のもとを離れて生活することになりました
とまあ母親の勝手な判断により、小学校は母の国で通うことになった。
もともと父の国に住んでいた私は、母が話しかけてたとき以外で母の国の言語と触れあってはいないのだ。
話せると言ってもほんの少しだけで、ほぼ理解できないと言ってもいい。
父親は仕事の関係で私と一緒には来れない。仕方ない。とりあえず、右も左もわからない母の国へ出発だ。
飛行機に乗る時、私は号泣した。
幼稚園の友達だっている。七歳未満の子供が言葉の通じない外国へ、片親とは離れて暮らすことになるのだ。無理もないだろう。しかも、この母親のわがままに付き合っていかないといけないのだ。考えるだけで涙が出てくる。
ここまでの話で分かるように、私は母親よりも父親の方が好きなのである。
それなのに、私の気持ちを無視してまで私と父親を引き離した母親のことを私は少し嫌になった。
「この人が私の従姉妹であなたの叔母さんよ。挨拶しなさい」
「......はい。どうもこんにちは。これからお世話になります。よろしくお願いします。」
「えぇ、こちらこそよろしくね!偉いわね!ちゃんと挨拶ができて!いい子に恵まれたのね、姉さんは!」
「そうでしょ?とっても可愛い子なの!だからどうしても私に冷たくする家族のところで住ませたくなかったの。ここなら安心ね」
冷たくするなんて嘘だ。全部母親のわがままが過ぎるから、仕方なく少しだけで咎めただけなんだ。それをこの人は気にくわないのだろうね。世界は自分を中心にして回ってるって考えてそうな人だし。っていうか、私の家族を侮辱しないでほしいね。話せる言葉は少ないけど、聞く方はある程度できるんだから。読むことはできないけど......
「まあ、でも安心して!週末だけしかここに帰ってこないみたいだけど、優しくするから!」
「えぇ、お願いね。平日は寮生活になるけど、学費が高かったからいい学校だと思うわ。私は向こうに帰るけど、ここに預けるのだから不安はないわ」
え、ちょっと待って
いま、預けるって言った?
帰るってどういうこと?
待って、母さんもこっちにいないってこと?
知らない人たちと一緒に暮らさないといけないの?
言葉も通じないこの国で?
しかも寮生活だって?
私、聞いてないわよ!
私は目で母親に訴えた。
私の視線に気づいて、笑顔で彼女はこう言った
「ここにはいい人たちしかいないから安心していいわよ。いい子になさい。笑顔を忘れずに、ね?」
この日から、笑顔という名の仮面を被りながら、日々を過ごしていかなければならないことが決定した。
主人公の名前、未定なんです。募集中です。すみません......