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恋を夢見ない少女の物語  作者: Momo
小学校
16/20

母のSNSを見ました

相変わらず短いです!すみませんm(_ _)m

私の母は、写真を撮ることが大好きだった。


私の記憶の限り、覚えている限り、母が隣にいたら、必ずカメラもセットだった。


食事を食べる前に写真を撮って、食べてる最中に写真を撮られ、外食の場合隙間時間には店内を撮影したり、周りの人を撮影したりもした。


私の生活は、すべて、あのフレームのなかに納められるようになっていた。


ーーでも、それは縛られているように感じられた。


何かをする前には必ず一回立ち止まり、母にポーズをする。喜ばれたら、もう一回、二回、三回......と、かなり続く。


ピアノ、英会話と新体操を幼稚園では習っていて、発表会などでは必ず母に母のセンスで飾り付けられて、発表会に臨むようにしていた。


それでも、私はそこまで写真を嫌いではなかった。


現在はダンス部に所属しているから、カメラに撮られることも多い。メイクをすることも多い。

本当に不思議と嫌ではなかった。


母がいないときはむしろノリノリだったと言っても良い。


ただし、それはこの日まではの話でーーー








ある日、携帯でSNSにトライしてみようと思った。

友達からはどのように投稿をすればいいか教わった。

その日の出来事や、思ったこと、興味を持ったことなどを素直に書き出し、投稿すればいいだけだから、とても簡単だった。


この日、私は使っていない人がいないんじゃないか、と思ってしまうほど人気があるSNSアプリを初めて使い、今日の日記みたいな文章をアップした。


そこで、私は友達のブログが気になって、連絡先から各自のホームページへ飛び、のんびりと、ただひたすら人の投稿を見ていただけだった。


ーーあ、この子こんなこと考えてたんだ

ーーこんなに習い事してるなんてすごい!

ーーこの意見、私も賛成

ーーあー、わかる~


のようなことを思いながら、楽しく見ていた。

そこで、あるアカウントが目についた。


それは、母のアカウントだった。


私のSNSの“フレンド”の中で、総合投稿の回数はダントツでトップだった。


ーー何を投稿しているんだろう

ーー私がいない間は、どう過ごしていたんだろう


のような好奇心に刈られ、母のホームページへ飛んだ。


そこに写ったのは、九割以上が母が写っている写真で、六割くらい、私が写っていた。


母のSNSはフレンドじゃない人でも見れるようになっていて、私の名前を伏せていても、彼女の名前は本名がアカウント名になっていて、バレバレだった。


私は最近母の友達に会ったことがあって、その時、初対面にも関わらず、私の名前を読んでいた。


私は相手を知らなかった。例え直前に母に相手のことを教えられていても、多分とっさには出てこなかった。


なのに、相手は間違いなく私の名を正確に呼んだ。


その時は、まだただの違和感なだけだと、油断していた。


今日、その謎が解明した。


ーー私は、自分から個人情報をネットに書かなくても、私の個人情報は、私の知らないところで、勝手に流れているんだ


そう、思った。

背中が凍ったようになり、寒気がした。

私は、この事実をただの恐怖としか認識していなかった、いや、そうすることしかできなかったのだ。


私は戸惑った。


なぜ、私のことを知っている人が多いの?

ーーそれは、母が情報を流していたから。


なぜ、私の写真が多く母のブログに貼り出されているの?こんなに長いこと離れていたのに。

ーーこんなことは一ミリも思いたくなかったんだけど、母が私との写真を多く載せるのも、母が娘と仲良しですよアピールをするための、ただの道具だったのか?そんなのは、嫌だ。








この日を境に、私はカメラのことが嫌いになった。


カメラに写ったら、その写真が知らないところで流れるかもしれない


もうカメラに監視されるのは嫌だ!私から離れて!


もう嫌なの!十分苦しんだと思うの!


どこがまだ足りないの?

何でそんな目でこっちを見るの?

私はあなたの道具なんかじゃない!

私をそんなもので縛りつけないで!

私は動きたいの!!

自由に!

風のように!鳥のように!

羽ばたきたいの!!翼を広げて羽ばたかせたいの!?








神様、お願いだから、この些細な願いを、叶えてくれませんかね





少なくとも、安全に生きていたいと祈った、この願いを、どうか......

閲覧、ありがとうございました!

なにか質問や意見のある方、気軽にどうぞ!!

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