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恋を夢見ない少女の物語  作者: Momo
小学校
13/20

お父さんが来ました

遅くなってすみません!

そして、また短くてすみません!

まさか、こんな日が来るなんて!






この国では九月から学年が変わる。

お父さんの国は四月だったから、私は向こうで小学校約4ヶ月行ってて、転校した。


私のお父さんは所謂(いわゆる)転勤族で、田舎から都市部へと転勤した。

そして、お父さんの会社が国外進出をしたそうで、本部から来た部長として、お父さんがお母さんの国に来ることになった。


私が四年生になって、小学校高学年になったということで母親のスマホをもらった。もちろん母は新しい、最新バージョンのやつを購入した上でだったが。

私はこの国のトークアプリをダウンロードして、お父さんと初めてこの国で“会話”をした。

そしてなんと、四月からはこの国に来ることになったのだ。


同じ国とは言えども、飛行機を使って二時間以上かかる距離にいる。それでも嬉しかった。何せ、電話を使って会話ができるからだ!


母親は叔母さん経由で何度か私と電話をしていた。もちろん国際電話になるから、アプリでだが。

それでも、同じ国に両親がいるはずなのに、母と電話するときにお父さんと変わるのかなーと思っていたが、それは一回もなかった。


不仲だから。それは仕方がないかもしれない。

だが、私は連絡がほしかった。

当たり前といったら当たり前だ。

特別な事情がない普通の子供に、なにも起きていないときに親と話したくない子なんているだろうか。私はいないと思う。


あぁ、今年はいい年になりそうだ。













と、そう思っていたが、

一ヶ月後に思ったことは



なんだ、いつもと変わらないではないか。だった。



だって、確かにお父さんはこっちに来たよ。でも、だから、なんなんだろう。



電話?一回もしてないね。

アプリでトーク?一回だけかな?

父に会う?できるはずがない。

だって、遠いのよ?

飛行機を使わないといけないんだよ?

そんなことにお金を使えるわけがない。


だって、母が結構お金使っているし、私の学費だってめちゃくちゃ高いはずなんだから。



もちろん、私からお父さんに連絡する事だって可能だ。でも、何を話したらいいかがわからない。

いや、本当はなんだっていいってことくらいわかってる。


学校の生活、家での生活、友達のこと、勉強のこと、私がいまより小さかったときのこと、これからのこと、天気のこと、祝日のこと、好きなこと、嫌いなこと。他にも考えれば考えるほどもっと増える。

でも、なんだか、めんどくさいな、と、思ってしまった自分がいた。


どうせ、ここ数年連絡してなかったんだし、とか、話しても、分かってもらえることの方が少ないじゃん、とか、どうせ会話をしても会えないし、とか、会話をしたところで、現状はなにも変わらないし、とか。


勝手に理由をつくって、意図的にあまり会話をしなかったというのに、なんでお父さんは私にメッセージを送ってくれないの、とか、私のことなんてそんなに重要だと思われていないんだな、とか、自意識過剰で落ち込んだりして、本当に、自分ってなんなんだろうと、幾度も思った。


お父さんは仕事を頑張って、私が大学まで行けるように学費を一生懸命貯めていると、本人から聞いたことがある。

だからこそ、日本にいてほしかった、とも。

そして、私が心からこちらへ来たいと思っているのなら、行かせるつもりではあった、とも。


私は、まだ子供だから、お父さんがどれだけ頑張っているのかを知らない。でも、頑張っているという事実は、私にはわかった。


だからこそ、会話が少なくても、頑張りたいと思った。

だって、お父さんは私のためにこんなにも頑張っているのだから、私も頑張らないと、と、

つい私も言ってしまった。


でも、思い込みが激しいときって、やっぱりこういう風に言ったことさえ忘れてしまうようで、こんなにも負の感情が溢れるんだと、初めて知った。



これから、お父さんに恥じないように、無理をしない程度に手を抜きつつ、頑張っていこう。どんなに嫌なことがあっても、きっと乗り越えられる、と、そう思ったときだった。




真水千夜は、これからいままでで最大の壁にぶち当たろうとしているのだが、本人は知らないわけで。





幸せだと思っていたが、お父さんとトークができた事により、こんなにも不幸な感情を抱くことになるとは、この時、一ミリも思わなかったよーー

不定期更新なので、次回がいつになるかはわかりませんが、少なくと千夜が高校生になるまでのストーリーは書こうと思っているので、応援よろしくお願いします!


閲覧、ブックマークなどありがとうございます!

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