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広報サークルより



    嘘つきゲーム勝利者インタビュー!!



 前頁で紹介させてもらった今回の嘘つきゲームの全貌。そこにあった物語とは? 中山氏(当サークル)がゲーム勝利者の堂島氏と対談を行い、その謎を明らかにしていく。



中山(なかやま) 大雅(たいが)

 鷹閃大学公認広報サークル“Krant”所属。大学広報担当。自ら大学内の取材に赴き、ほとんど家に帰らない為、大学内にずっといるのではないかと言われるほど。趣味はロードバイク。


堂島(どうじま) 美音(みおん)

 芸能事務所“ミリオン”に所属。ユニットでは“GIRLS S”に籍を置き、ソロとしても活躍中。最近は、主演ドラマも決まり、今までにない忙しさとのこと。趣味は、ジグソーパズル。


 以下、対談内容。



中山: 今日はお時間を頂き、誠にありがとうございます。


堂島: いえいえ、むしろ、有名な広報誌に呼んでいただいて光栄です(笑)それともっと楽にしてださい。私まで緊張しちゃう(笑)


中山: すいません、助かります(笑) では、早速本題に入りたいのですが。


堂島: その前に質問いいですか? あのゲーム私だけが勝ったわけじゃないのに、取材が一人というのは?


中山: あ、その事ですか(困) 連絡を取らせてもらったんですが、御剣さんは取材はNGと言われてしまって。もう一人の方は、恥ずかしいので断りますと、出来れば話題に出しても名前は伏せてくださいと言われてしまい。


堂島: あぁ、彼ならありえそうですね(笑)


中山: すみません、こちらが至らず。


堂島: だいじょーぶです。私に答えられることであれば答えさせてもらいます。


中山: では、改めてよろしくお願いします。まず、堂島さんはこのゲームどういった経緯で参加されたんですか?


堂島: そう、ですね。ゲーム自体には凄く参加したいと思っていました。誰もクリアしたことのないゲームというのは、魅力的な響きを持っていると思いませんか?


中山: その通りだと思います。こう、揺さぶられますよね、挑戦心というんでしょうか?


堂島: それに近いと思います。ただ、参加チケットは誰でも手に入るものではないので、私自身諦めていたんですが。


中山: 参加するために必要なチケット、今回配られたのが、60枚ということでした。手に入れるには、厳しいものがありますね。転売されたものもあるとか。


堂島: 私が手にいれたのは、本当に偶然というしかないと思います。知人に交渉して譲ってもらいました。


中山: そうなんですか。ちなみに知人というのは?


堂島: すいません、この場で名前をいっていいかちょっと分かんないです(笑)


中山: たしかにそうですね。すみません、趣旨から離れてしまいました。では、次の質問です。今回のゲーム、チームを組まれて出場したという認識で構いませんか?


堂島: チーム、というものでしょうか。何とも言えないですが、一緒に勝者になった二人と協力していたことは確かです。


中山: どのような目的があって協力されていたのでしょうか? 協力の提案はどなたから?


堂島: 目的は多分、それぞれによって違ったと思います。勿論、協力すると決まった時、目的を言ってましたが、それが本当だとは思いません。なんせ、御剣さんではないもう一人はお米が欲しいと豪語してましたもん(笑)


中山: たしかに、お米が欲しいからといってこんな大胆なことをするのも可笑しな話ですね(笑)


堂島: まったくです(笑) ただ協力関係の提案は、その彼からでした。偶々、学生食堂で彼らと話し、そこから協力へと。多分、彼はどうにかしてゲームを攻略するつもりだったんだと思います。その為に、私たちが必要だった。それが手段だったんだと思います。


中山: なるほど。では、あの勝ち方は彼が考えたものだと?


堂島: はい、私でもなければ、御剣さんでもありません。


中山: 最終ゲーム、堂島さんたちが行ったのは、カードのチェンジング、それによって、嘘つきを隠すこと。と見せかけてから、本当は嘘つきを裏切るというものでしたよね。


堂島: 本来の予定であれば、三人だけが残っている状況を作りたかったんです。エキシビジョンマッチを仕掛けるために。


中山: というのは?


堂島: エキシビジョンマッチはゲームマスターとの一対一です。三人で嘘つきゲームを終了させて、カードを伏せたままにする。そして、ゲームマスターに嘘つきを当ててもらうつもりでした。こちらからエキシビジョンマッチを仕掛けるつもりだったんです(笑)


中山: それは、なんというか、凄い邪道ですね(笑) しかも、3人で勝ち残ることが出来るのが前提になっていますし。


堂島: 三人で勝ち残るのは不可能ではないと思ってたみたいです。彼は。それより終始、他のことに気が向いていたようにも思います。


中山: なるほど。なにやら話を聞いていると得体の知れない人物ですね。


堂島: そうですね。不可思議、という表現が似合っていると思います。不思議な人物です。


中山: そんな彼と協力して、ゲームをクリアした堂島さん、御剣さんも私にとっては十分不思議な人物だと思いますが、どうでしょう?


堂島: 御剣さんはかなりまっすぐな人だと思います。やりたいことも、しなくちゃいけないことも分かっているという印象を受けました。


中山: 御剣財閥の御曹司。近寄れる人物も、また、自ら近寄る人物もさほど多くないと言われてますが、今回の一件は、そんな彼も動かすものだったんでしょうね。


堂島: そんな大きな話じゃないと思います(笑) むしろ、御剣さんにとっては娯楽の一つでしかなかったと。彼は簡単に心を見せてくれる人物ではないと実感しています。


中山: 堂島さんもそうでは? 今回、わざわざ変装して参加していましたし。


堂島: 結局、バレてしまいましたけどね(笑) SNSは本当に怖いです(笑) ゲームではいろいろな発言をしましたが、役作りの一環と捉えてもらえれば。


中山: なるほど。そういえば、今度、主演されるドラマは探偵ものでしたか?


堂島: はい、私演じる高校生「あおい」が、類まれなセンスと推理で、事件を解決していく物語です。来シーズンの月曜21時から始まるので、お見逃しなく。


中山: すばらしい番宣でした(笑)


堂島: すみません、わざわざ(笑)


中山: 話を戻しますね。今回のゲームは、三人が攻略されました。そのうち、堂島さんは芸能人であり、御剣さんに至っては鷹閃大学では名前を聞かないことはないほど有名な方です。ですが、それだけに知りたい。そうでない、もう一人の人物について。彼のことは?


堂島: 私も詳しくは知りません。一応は連絡先も知ってはいますし、協力する前に何度か話したことはありましたが。


中山: 印象は?


堂島: 先ほども言った通り、不思議、ですかね。加えて、狡猾、だと思います。


中山: なるほど。ところで、堂島さんは鷹閃大学の七不思議をご存じで? 大学には、夜中、すすり泣く幽霊が現れる、といった類のものですが。


堂島: 知ってはいますが、それが何か?


中山: 今回のゲームに参加していた彼が、その不思議を「鷹閃大学の八不思議」に変えてしまった、と言われているんです。嘘つきゲームの後、鷹閃大学の学生の間で、ある噂が流れました。“(たか)を冠する大学に、(からす)がいる”と。


堂島: 鴉、それは彼のことですか?


中山: 私はそう思っています。鷹閃大学では、才気溢れる学生のことを大学名になぞり、鷹と称します。学長のスピーチなんかでも使われますね。それを引用してこの噂が生まれたんだと思います。嘘つきゲームに勝利した存在であるにも関わらず、彼の事を知っている学生がほとんど居ないんです。ましてや、名前すら認知されていない。鴉、と名がついたのは、狡猾さ、そして恐ろしさ、存在が掴めないということを暗に表すものではないかと。


堂島: ないですって(笑) 交友関係が薄いからだと思いますよ(笑) そんな大層な人物ではないと思います。


中山: そうなんですかね(笑)


堂島: はい(笑) それに彼や御剣さんがどのように噂されようと、私は純粋に、このゲームを彼らと出来て楽しかった、というのは事実です。それについては、私は感謝してます。


中山: 来年も三人で出場するつもりで?


堂島: それは分かりません(笑) チケットが取れるかも分かりませんし、あの二人がまた出ようとするか、私自身参加しようと思うかも分かりませんし(笑)


中山: なるほど。個人的にはまた見たいですね。


堂島: 考えてはおきます(笑)


中山: その時はまたお話しを聞かせてください。では最後に、堂島さん、今回のゲームを一言で表すならなら?


堂島: けじめ、です。


中山: 意外な言葉ですね。


堂島: 友達だった子に向けての言葉、それ以上は言えません。ただ、この記事が彼女の目に留まることを願っています。すみません、こんな形で記事を使わせてもらって。


中山: 構いませんよ。そのこともいずれはお伺いしたいですね。


堂島: そうなることを願ってます。


中山: 堂島さん、本日はありがとうございました。


堂島: こちらこそ、ありがとうございました。





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