3話
「1階は食堂だったり洗濯機だったり色々。右端のドアをくぐれば中庭、プールにバーに・・・まぁ色々あるよ。」
それ、高級マンションにしかないと思うんだけど?それとも海外だと普通にマンションにも付いてるものなの??
「いや、本当に色々あるんだよ、1階は。
んで、2階と3階は住居。10部屋づつあって、俺の部屋・・・ってか家は2階でお前の家は3階。」
「2人とも端っこの部屋にしておいたんだよ。しかも全部屋防音!」
え?一人暮らしなの?あ、嘉慶叔父さんと一緒ってことか!
あと、嘉慶叔父さん。防音て必要なの??
「それぐらいかなー。
あぁ?叔父さん?叔父さんはここに住んでねぇよ。てか、仕事で飛び交ってるから家は勿論部屋すら持ってねぇよ。・・・まぁ、管理人室に入り浸ってるけど。」
家無し・・・?つまり、私本当の一人暮らし!?
未成年の一人暮らしって・・・お兄ちゃんが良かったんだし、私も良いんだよ・・・ね??
「颯太・・・。えっと、その上に屋上があって、自由に行けるけど何も無いよ。あ、柵がないから気をつけてね。」
おお、そこは普通なのか。・・・ううん、ここに慣れている嘉慶叔父さんのことだ。
何もない、とか言っておきながら小さな花壇ぐらいはあるんだろう!?
そんな驚きと驚愕と少しの不安と多大なる期待と、家のお金の心配をしながらマンションの案内をされて。
絶対にマンション探検してやるんだと意気込みながらも着いたのは3階の端。310と壁に掛かっていた。
それより先は行き止まり。そこから見る景色が結構良かったから、部屋に入ってからも見る景色は凄いんだろうなって、期待は大!!
開けて入ると、そこは閑散としていた。まぁ、私がこれから住むんだし当然なんだろうけど。
入ってすぐの右側には小さな棚が。たぶん靴を入れるためにあるんだと思おう。
前には小さな廊下が。ドアは左と右に3つ。前にドアはないけど大きな部屋があるから、たぶんそこがリビングになるのかな?
左のドアを開けると小さな部屋が。自室にするには小さいから、物置になりそう。
右のドアを開けると、そこにはトイレと手洗い場。右側はカーテンで仕切られていて、壁付きのシャワーが。トイレと繋がっているの嫌なんだけどなー。しかも湯船ないんだ。・・・あれ、温度調節できるところがない。
隅から隅まで見ても温度調節出来る所がない。
「お兄ちゃーん、嘉慶叔父さーん。温度調節できる所がないん、だけ・・・・・・何やってんの??」
リビングに行くと、そこには段ボールから出したやかんでお湯を沸かし、マグカップに注ぐ2人が居た。
「柚鶴の分もあるぞ。」
そういって差し出された、お気に入りのマグカップ。中身は・・・ココア。
ココアは、まあ新しいやつ買ってきたんだと思えば良いんだけど。
このマグカップ、お母さんに言われる前まで普通に使っていたやつなんだけど?いつ段ボールに入れてこっちに送ったんだろう??
まさか、似た様なものを買ったわけでもないだろうし・・・??
「なんでココア飲んでるの。」
「柚鶴が来るまで物出すのもアレかなーと?お前を待ってたんだよ。」
「待ってなくて良いよ・・・」
ココアを飲みながら、大きめのソファに座ってリビングを見回すとドアが一個。
「え、あのドアは何??」
「あー、俺は自室に使ってる。」
「へー。」
ココアを置いて向かったドアの中は、確かに自室に向いていそうだった。
「んじゃ、お兄ちゃん嘉慶叔父サン。ここにそこの段ボール4つ運んでね。」
服1、服2、小物1、小物2と書かれている段ボールを指差した。
重いかもしれないし、持ってもらわなきゃ。
「はいはい。」
「柚鶴、これだけでいいの??」
「うん、あとは食器とかだけだし。」
軽々と2箱づつ持っている2人。
それを横目に、私は1人ソファに座ってココアを飲む。
お母さんが居たら怒られるけど・・・ね?
飲みながら考えるのは、今後やること。
荷物を全部出して。食材を買いに行って。あ、学校への道も確認しなきゃ。図書館もかな。それに・・・やること多いなー。
じっとしていると、段々と眠気が襲ってきた。
ねむい・・・でも寝ちゃだめだし、でも、ねむ・・・・ねちゃ・・・・ね・・・
このマンション、店はないけど大体の娯楽施設はあります。(つまりご都合主義!!)
不審者が入って来ない用のセキュリティーもバッチリです。
でも高級施設ではないので、ゴミの回収とかはやりません。自分で持っていって貰います。
そこらへんのルールとかは・・・結構あとの方に出す予定です。