表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と山田くん  作者: 佐倉ハル
2/7

第1話 一歩ずつ


 山田くんと隣になって1週間、何の進展もない……




 訳ではない。



 

 まず、本の貸し借りをするようになった。


 私も彼も、ファンタジーが、つまり非日常的な話が好きなのだ。


 今私は彼に借りた「ソー○・アート・オンライン」という本を読んでいる。全10巻で、今は8巻。ここまで夢中になるのは久しぶりだった。けれどあと少しで完結。全て読み終わってしまったら、また話せなくなるのだろうか……?という不安がつのる。


 好きな人が、すぐ隣にいて、話せて、……その幸せを知ってしまうと、もうもとには戻れない。


 だから私は……


 「大丈夫?」


 「えっ?」


 心臓が、ドキィって、した。


 もしかして今私、山田くんに話しかけられたっ!?


 落ち着け私。クールだ、クールに決めるんだ…。


 平常心…平常心…………………行けっ!私っ!


 「っな、なあに?…」


 っ!?!?噛んだ!噛んだよね今!?ああぁあああぁあぁ……………。なにしちゃってんのぉ!?私!?せっかく山田くんに話しかけられのにぃ……!


 「…いや、寝てんのかと思って…。起きてんならいいよ。」


 ぐはああぁっ!!どうしよう。ヤバい。彼が私のことを気にかけてくれていたということに、ニヤける……。これ、知らない人が見たら、大丈夫かコイツ…。とか思われそう…。でもおさまらない…。


 『…であるからー……』


 口元がニヤけるのを手で隠す。あぁ…目元も笑ってるかもしれない…。くふふ…。


 『じゃあここを寺田!』


 どうしよう…。授業に集中できないやぁ…。くふふふふ…。


 『…寺田?』


 山田くんが私にぃ…ぐふふ……


 くいくい…(服を引っ張る音)


 …ん?えっ…?山田くん…?


 「…先生、呼んでるんだけど。」


 「…えっ‥…?」


 チラッ………


 先生「ニコッ」


 私「ニコッ」


 ………………。終わった…。


 「あとでちょっと先生のところにきなさい。」


 「………ハイ…。」


 ああぁぁああぁあ!!!私のアホ!オタンコナスぅ!!山田くんに…カッコ悪いとこ見せちゃったよぉ……。


 「ぷっ……。ばーか。」


 「!?」


 やっ…山田くんに…バカって言われたぁっ!!どうしよう、けっしてうれしいことは言われてないのに、すごくうれしい……。


 私…Mなのか…?


 と、とりあえず、いつもと違う山田くんが見れたんだ。進展…かな?







 授業後


 先生「お前はなんでいつも……………」


 私「ハイ…………。」


 山田くん「ぷっ」




 ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ