崩れ去る未来03
学校も終わり生徒は部活や下校やらでガヤガヤとしながらも教室から出て行く。
「蓮くん一緒に帰ろ!」
リンは何食わぬ顔で蓮と帰るため誘う。
だが蓮はハァとだけため息をつき言う。
「朝も言ったようにカップルって誤解されるだろ。もうそろそろよそうぜ付き合ってもないんだから」
「ええっ!?あれは朝だけじゃないの!?」
「天然ボケもいいところだなおい」
蓮は鞄をもってその場から立ち去ろうとする。が、リンはそれを引き止めようと大声で蓮に向かって叫ぶ。
「蓮くん一緒に帰らないと蓮くんの机の引き出しのエッチな本蓮くんのお母さんと一緒にみるでごわすよ!」
「なんか語尾が変だぞ。あとなんで知ってんだお前!?金か金が欲しいのか金さえ渡せば黙ってくれるか」
「お母さんに聞いたもん」
「あのくそあま……」
そもそも母親が知ってるなら金払って口止めする必要なくね?と蓮は思う。
だが、これ以上広まるのは避けたい…おとなしく一緒に帰るか……
「わかったよ。その代わりまっすぐ帰るからな」
「えへへやったね!」
ここまで嬉しそうな顔されたら帰らざるを得ない。
………まあこいつが嬉しそうならいっか。
……んでなんで俺は家に帰らずにここにいるのかな
「あ、蓮くんあっちのクレープ食べようよ!」
グイグイっと蓮の袖を引っ張り連れて行く。
ここは食べ物のお店が沢山ある商店街みたいなところだ。
色々な食べ物屋があり食べるものには困らないところなのだがかなり激戦区だろう。
そのうち材料泥棒とかが発生しそうである。
それよりまた俺は気づかぬうちに鈴に連れて来られたのか……こいつ俺を一回気絶させて連れてきてるんじゃないのか…。スタンガンか!?スタンガンなのかぁ!?
「蓮くん……私の胸ないんだからジロジロみないで…」
「誰がひんぬーなんて見るか。それよりもスタンガンがな……」
「ひどいなーもう……」
時間は過ぎて行き日もだいぶ暮れあたりは暗くなってきている。
「そろそろ帰るか送ってくよ」
「へー蓮くんにしては優しいね」
「お前俺が普段優しくないみたいな言い方しやがって」
「あはは んじゃ帰ろっか」
そのときだった……
パキン……パキ…ペキパキ…バキン!
突如空がヒビ割れまるでガラスが割れたような音が響いた。
その割れ目から覗くワームホールのようなもの……そして……
「女の子………?」
そこから出てきたのは女の子だった。
ゴスロリ服で片手にはステッキのような物を持っている。
肌は驚くほど白く人形のような女の子だった。
………いや魔女と呼ぶべきなのだろうか。
いつの間にか割れ目はなくなっておりまるでそこは初めから何事もなかったかのようだった。
「…………」
「おじょーちゃんどこの子?どうやって出てきたの?」
ラーメン屋のおじさんがその女の子に話しかける。
「………うさぎじゃなくてモルモットだな」
「は?」
女の子はステッキを真上にかざす
「人間はみんな………しね」
女の子の体から黒い霧のようなものが発生し
それはどんどん広がっていく。
「おい……逃げるぞ」
蓮はリンの手を引き走ってその場を去る。
「ディスペアーの力の前にひれ伏せ…人間ども」
突如黒い霧から真っ黒な槍状のものが飛び出し黒い霧に囲まれていた人に突き刺さる。
それも……何本…何十本……何百本と。
「ギャァァァァァァ!!!」
人々の断末魔に耳を塞いで2人は逃げた。
「………逃げたうさぎが2匹……」