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Final story + First story  作者: サイカ
第一章 始まりの異世界
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八話目 合格と宝石

どうも疾風迅雷です。


最近、めっきり寒くなってきました。風邪には十分お気をつけください。


以上、昨日40度越えを叩き出した、疾風迅雷でした。


 Side 静



兄さんが落ち込んでいますが、人外なのはすでにタグでも紹介されて読者の皆さんも分かっているのに・・・。何で今まで気付いてなかったんだろう・・・。



「ところで、先生。この無色の宝石にはどんな意味があるんですか?」


「ああ、特に能力が上がるものじゃないぞ。それは、二つ以上の属性が混ざらないようにする為の・・・・まあ、セーフティみたいなものだ。」



「二つの属性が混ざると、何が起こるんですか?」


「あー。一言じゃ済みそうにないな・・・。それは授業の時に教えてやる。」



ここで、復活した兄さんがある質問をした。



「あれ?そういえば自分たちには色つきの宝石は無しですか?」


「いや、予備があるから大丈夫だぞ。」



そういって、先生は自分のポーチから皆が持っていた宝石と同じ物を取り出しました。

兄さんはSTRの赤、ぼくはINTの青を貰いました。しかし、一つ問題が・・・




「先生、これってどうやって装備するんですか?能力が上がるものなら、装備品の一部ですよね?」




そう・・・他の装備品は特につけ方には困らない形でしたが、この宝石はどう着けるのかよく分からないのです。



「おっと、勘がいいな。

実はその宝石を着けられるかどうかで、今回のクラス分け試験の結果が決まるのだ!

合格でAクラスに入れるのは、装備品・・・宝石・・が両方装備できることだ!」



「それってぼくたちの前で言ってよかったんですか?試験に偏りがでてしまうのでは・・・?」


「お前らにはサービスだ。自分達でその質問までたどり着いたからな。

それに俺はしっかりいったぞ。

『明日、クラス分けの試験があるからしっかり準備・・しておけよ!』とな。

少し考えれば、準備が装備品のことだと気付くはずだが?」



確かにその通りです。しかし、ここで兄さんがあることに気付いた。



「それって・・・ほとんど合格者なんて出ないんじゃ・・・?」



「・・・・!いや、出なくていいんだよ・・・・そうですよね、先生?」


「は?出なくていいって、そしたら人数はたったの数人・・・?っておい、まさか・・!」



兄さんも気付いたようですね・・・。

先生方からすると監視できる人数にも限界があるようです。

それにさっき配られた時間割には『モンスター実践』という教科が大半で、座学が申し訳程度にあっただけでした。

つまり、装備品を着用して来ることができたらAクラス、出来ないと別の時間割が用意されて座学が大半・・・どころか全て座学という可能性も・・・。

とどめは火の属性の人は後先を考えない人が多いようで、それを抑えるためでもある・・・。

という仮説を先生に話したところ・・・




「・・・なんで分かったんだ?どちらかというと妹のほうが人外に近いと思うが・・・。」



と言われました。女の子に失礼ですね。

でもその肝心の装備品がどう着ければいいか分かりません。

武器や防具は袖を通したり、紐で縛ったりすれば問題ないのですが装飾品だけは紐も無ければ、通す穴すらありません。

そのぼくの様子に先生が気付きました。



「だが装備できないとからくりが分かっても意味が無―――――――――」







「レーベル先生ー。自分、装備できましたよ。」







「――――――――い・・・・。わかったよ、お前らは両方とも人外だ。」



今まで何をやっていたかと思えば、装飾品をつけるのに悪戦苦闘していたみたいです。

でもさすが兄さんです。戦闘に物事が関わると頭が良くなるんですよね・・・。

前の世界でもスポーツの一瞬の判断や、作戦だけは誰も思いつかないことを平然とやってのけましたからね。

勉強でもそれが生かせれば良かったのにね・・・。



それとレーベル先生、人外は1人で十分ですよ。



「兄さん、どうやったの?」


「装飾品を首に押し付けたら、勝手にネックレスになった。他の部位でもできるかもしれないな。」



兄さんの言葉を聞き、宝石を左腕に押し付けてみた。

そうすると、腕に青いミサンガのようなものが巻きついた。

兄さんがそっちの方が動きやすいと言い始め、同じく左腕に赤いミサンガのようなものが巻きついた。

お揃いみたい・・・と気付いたのは夜になってからだったが。


兄さんの装備は皮の胸部用防具・皮の円盾・木の片手用直剣。

ぼくは皮のローブ・とんがり帽子・木の両手杖。

所々に赤色が入っているのは火属性だかららしい。



「おお、なかなか様になっているじゃないか。

じゃあまた明日、しっかりその状態で来るんだぞ。そうしないと不合格にするぞ。」



そう言い残し、先生は塔の中に入っていった。残っているのはぼくたち二人だけになった。


「じゃあぼくたちも中に入ろうか、暗くなってきたしね。」


「そうだな。」


その後ぼくたちは寮の部屋を見つけ出し(隣同士だった)、1人一部屋だったので、そのまま寝た。

」どうやらこの世界にはお湯につかるという習慣がないようで、サウナみたいなもので済ませるらしい。

いつか、お湯につかりたい・・・と思いつつ、ぼくは眠りに落ちていった・・・。




~翌朝~



「全員、集まったな。

ではクラス分け試験を始める・・・と言いたいところだが、もう結果は決まっている。

一人一人前に出て来い!」



皆が不安げに先生の下に近づいていく・・・。

ぼくと兄さんはどの基準が合格か知っていたけど、どうやら3つのクラスに分けるらしく、その不合格の中での基準が気になった。

先生は一目で『A』『B』『C』とてきぱきと分けている。

もちろんぼくたちはA、そして装飾品が着いてないものがB、何もつけていないのがC、という風に分かれ始めた。



クラス分けが終了し、どのクラスが合格クラスか発表された。

結果は・・・・・・・・・・・・・もちろん『A』が合格クラス。

生徒から文句が結構出てきたが、レーベル先生の『実践といっただろうが!』という言葉に文句は潰えた。

結局、B・C共に座学に連行されていった。

その時、数人がこちらを睨みつけていたが気付かない振りをした。



そしてAクラスに合格したのは兄さんとぼく、それともう1人・・・・・・それは昨日、宝石について先生に訪ねていた子だった。


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