五話目 属性確認テスト
Side 瞬
へー。職業の他にも属性なんてあるんだな。神様はそんなこと入って無かったな。
「兄さんどうしよう!?もし、ここで何も反応しなかったら!」
「それはないだろ。一応神様は知ってたんだろ?
全部教えると楽しくなくなっちゃうから教えなかったんだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・あと面倒だったとか。」
「それが面倒って・・・・神様は何がしたいんだろ?」
「面白がってるだけかもな。」
そんなこと言ってる間に着々と自分の番が近づいている・・・。
ほかの人たちはなんか巨大な箱みたいなものには入っていき、出てきたときには何かのカードみたいなものを待っていた。
目を凝らしてみると、今の時点で一番向いている職業と今持っている属性が簡単に書かれたものみたいだった。
それを元に先生方が振り分けているみたいだな。
「では次の二人。それぞれBOXに入って下さい。」
お、次は自分と静みたいだな。
「またな、静。まともなカードが出ることを願ってるぜ。」
「え?ぼくたち、あんな異常なもの貰っておいて、まともなカードが出ると思ってるの?」
「いや全く。ちょっと言ってみたかっただけだ。」
そういいながら、自分は指定されたBOXに入った。
その中には鏡があり、教師曰くこの中(?)からカードが出るという話だったが・・・。
その時、鏡が光り・・・・・・粉々に崩れ去った。
「・・・は?いや、もしかしてこういう演出なのか?」
しかしいくら待ってもカードが出てくる気配はない。
砕けた破片の中も探したが、結局それらしきものは見つからなかった。
自分だけではどうしようもないので、一旦外に出てみた。近くの教師がそれに気付いたらしく、
「どうだい?納得のいくカードだったかい?ずいぶん長くかかったようだけど?」
「それが、鏡が粉々になってしまって・・・。」
「えっ!?あの鏡が?・・・おかしいな。
あの鏡には物理的な破壊はもちろん、どんな攻撃にも粉々にはならないはずなんだけど・・・?」
「そ、そうなんですか・・・・で、自分はどうすれば・・?」
「うーん。
あ、向こうに君と同じように不思議なことが起こった子がいるから、そこに行ってもらえるかな?」
「わかりました。」
その教師の指示した『不思議な子』とは、いったい誰だろう。100%あいつだろうけど。
「あ、兄さん。やっぱり駄目だったの?」
「やっぱり静だったか。ああ、鏡が光った途端、粉々になった。」
「さすが兄さん。もはや人外といっても過言じゃないね。」
「いや、過言だろ!?さすがにそこまでじゃないだろう・・・・・・多分。
ま、まあそんなことは置いといて、静?お前には何が起こったんだ?」
「鏡が光るところまでは兄さんと同じだけど、その後鏡から何十枚もカードが出てきたよ。」
「お前も人のこと言えないだろ・・・。」
そして、全員の検査が終わった。
結局、なんらかの異常があったのは自分たちだけみたいだ。
そして、さっきの教師から「一番大きな塔の一番上に行ってくれ」といわれたので、それに従って、塔に登ったのはいいのだが・・・・・そこには誰もいなかった。
「・・・誰もいないね。」
「・・・そうだな。いったい何をするんだろうな?」
「それはの、君たちに聞きたいことと、ちょっとしたアドバイスをしようと思ったからじゃぞ?
君たちは、確認テストで鏡を粉々にした男の子と、
同じく鏡から何十枚ものカードを出した女の子かの?」
声のしたほうを振り返ると、先ほどまでなかった水晶玉が机に置かれていた。




