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Final story + First story  作者: サイカ
第二章 首都のギルド
33/38

三十二話目 変装しても馬鹿はバカ

遅くなりましたっ!

いつものこと?・・・まあ、そうですね(おい

新しい生活にも慣れてきたので、更新ペースも上げていきたいです。

あくまで願望ですが。


 Side 静



「『碧魔法グリーンスペル:風結界』、解放!」



フーリさんがいつの間にか待機状態にしてあった、防御支援系中位風魔法が冒険者全員を包み込む。

どうやら、空気のクッションのようなものが衝撃を和らげる魔法のようです。



「シロ君!支援攻撃魔法をお願いします!」


「はい!―――――――陽魔法ホワイトスペル:ブリッツバースト!」



「「「うおおぉぉ!?」」」



中位魔法でもなんとか範囲で味方だけに支援魔法を掛けることができました・・・。

皆さん驚いているのはたぶん一回の詠唱で全員に効果があったことかな?

結界魔法ならできますが、通常の詠唱でできませんからね、普通。



ただ、スライムもこちらが戦闘態勢に入ったのがわかったのか、体を縮め始めた。



「お前ら、伏せろっ!・・・・あれが来るぞ!」


「あれか!?それはまずいっ!」


「だれか物質系の防御結界持ってる奴いないか!?」


「そんな高位魔法使える奴がいるはずないだろ!」



はて?あれとは一体・・・?



「おいっ、新入り二人!はやくこっちに来るかその場で伏せろ!溶かされたいのか!?」


「どういうことですか?」


「い、いいから隠れろ!そろそろ来るぞ!」



ぼくたちが隠れて、数秒後・・・スライムは自身の体からそのねばねばの物質をこちらに向けて発射。



「いいか、あの『スライムリーダー』・・・とくに風属性付加のやつはあの攻撃で並のドラゴンの鱗ですら風穴をあける・・・。

その後、穴の中に残った粘液が体内でいろんな臓器を溶かしつくすんだ。」



「なにそのスライム!?」


「思ってたのと違うっ!」



ちなみに火属性だと、火の玉。

当たれば火傷は当たり前、中からこんがり上手に焼ける。


水属性だと粘り気MAX。

へばりついて表面から相手を溶かす、残るは骨のみ。


闇属性だとランダムで異常状態付与。

毒ならいい方、昏睡・麻痺は喰らった時点で、味方がいなければほぼ即死。


光属性だと単純な破壊力。

溶かす前に当たったらドラゴンの鱗すら粉々、その隙間から粘液が入り、ドラゴンですら先制されると一撃で墜ちる。



「「・・・もうスライム最強でいいんじゃない?」」


「しかも、これでBランクだ・・・。

俺たちもAランクの奴ら(ロード)がどうなってるのか俺たちもわからん。

一つ言えるのは戦わない方がいいってこと、見つけたらさっさと逃げろ。」



「おい、そこの馬鹿と新入り!無駄話してる間があるなら、少しは警戒しろ!」


「だれが馬鹿だっ、この野郎!」




現在の状況は少しスライムがこちらに転がったり、跳ねたりして近づいてきています。

さらにリーダーの危機をかぎつけたスライムがわらわらと湧いてきました。


対してフーリさん率いる冒険者の一団は、相性の良い火属性を前衛寄りに配置して相性の悪い光属性は後ろに。


そうすると、兄さん(姉さん?)は火属性単体でギルドに偽名登録しているので最前列になっています。

ちなみにぼくがいるのは、光属性で登録+後衛職なので一番後ろで支援魔法や回復魔法を掛ける役です。

ぼくの隣には全体を見渡し、戦闘方針を決めていくフーリさんがいます。



「こっち回復魔法頼む!」

「いや、先に防御支援を!」



「ええっ!?えっと・・・どうしましょう?」


「回復魔法をお願いします。防御魔法はこちらでカバーしますから!」


「は、はい!――――光魔法ホワイトスペル:リカバリー!」



「一か所に固まれー!『おうよ!』」



冒険者の皆さんは脳筋の人もいますが適応力はとても高く、ぼくの魔法が範囲の中なら一回で済むということをすぐに理解(直感)し、支援魔法を打つたびにしっかりと一か所に集まってくれます。

どこかのばかとは大違いです。



「・・・なんかすげーばかにされたような気がする・・・。」



毎回集まるのが遅れて回復魔法を受け取れない人に言われたくないです。






「今から攻撃に転じます!前衛の方はスライムの一部分を切り離すように、後衛の方は切り離された部分を火属性魔法で攻撃してください!」



「火属性魔法苦手なんですが、どうすれば!?」


「支援に回ってください!」



「打撃系の武器しかないんですが!」


「他の冒険者のサブ武器を借りるか、こちらにナイフならあるので使ってください!」



しかしいざ攻撃に転じようとすると、足りない部分や準備不足が目立ち始める・・・。

もちろんスライムはそんなことお構いなしに攻撃を仕掛けてくる。


取り巻きの属性付加スライムは脅威ではないが、数が多くそれが混乱をさらに助長していた。



「姉さん!切断系の武器は持ってる!?」


「むしろそれしか持ってないよ・・・!」


「なら前線を何とかして!さっきから同じ人がずっと戦ってるんだ!」



『スライムリーダー』と戦ってるのは、獣人と思われる壁戦士の男性と盗賊系と思われる男性の二人組であった。その二人がスライムの粘液をこちらに飛ばさないように動いてくれているからまだ被害が出てません。



「じゃあ、SPD支援とPOW支援の魔法を頼めるか!?」


「防御系はいらないの!?」

「避けるか、弾けば問題ない!」


「その理論だと、紙装甲でもSランクモンスターと戦えるんだけどっ!?」



姉さんは支援魔法を受け取ると、すぐに走って行ってしまった。



「いいのですか?止めなくて。」


「いいんですよ、フーリさん。姉さんが決めたことですから。」


「しかし――――――




「弾く前に溶かされますよ、武器。」


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