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Final story + First story  作者: サイカ
第二章 首都のギルド
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二十五話目 中位魔法と再現



 Side 静



「静!支援魔法頼む!」


「りょーかい!クライスは前線で兄さんと一緒に団長さんを止めて!」


「う、うんっ!」



SPDなどの能力を封印している兄さんはクライスと同じくらいのSPDか、それより遅い。

よって、最初の一撃はクライスになり、武器である双小剣が空を舞うが、団長は避け続ける。



「盗賊の君はもう少しフェイントを入れたほうがいいね。

それじゃ、どこに攻撃してくるか・・・・簡単にわかるよっ!」


「うわぁっ!」



「「クライス、大丈夫!?」」



返事がない・・・どうやら、一撃でクライスは気絶してしまったようです。

さすがはこの世界でナンバー9に入るだけありますね。

普通に戦ったら、30秒も持たないでしょう。



「・・・さて、そろそろ本題に入ろうか。

君たち、まだ本気で戦っていないよね?」



「「・・・・。」」



「だんまり?それでもいいけど、私としてはここで話したほうがいいと思うよ。」



それはもちろん分かっています。

ギルドで情報を抑えてもらえば、こちらの情報が簡単には漏れないし、その情報の糸口すら見つけられなくなるでしょう・・・しかし。



「団長の言っていることは分かります。

しかしそれは、団長を含めたギルドの全員を信用出来れば・・・・の話ですよね?」



「その通りだね。でも下っ端にはもちろん話さないし、せいぜい幹部の5人、

あと情報の開示を求められればだけど、王族くらいだけ。・・・これなら、信用できる?」



「兄さんはどう思う?」



「ん?なんだ?聞いてないから分からん!・・・ごめん。

だから、その両手杖で叩かないで!結構痛いんだよ!?」



「まったく・・・で?兄さんは信じれると思う?」


「んー、信じられるか信じられないかは分からんが、こちらのメリットが多いのは確かなんだろ?

だったら、教えてもかまわないんじゃないか?

向こうが知りたいなら。」



「・・・なら封印を解除していいよ。

ぼくも属性は全部使うし、ポップも出すから。」


「おい?ここでポップは出せるのか?

飛び過ぎれば、外の人たちにも見えるだろ?」


「じゃあ後衛としてポップを置いて、ぼくも前衛に入ればいいんじゃない?」



始めて兄さんと一緒に前衛をすることになるだろうけど、たぶんなんとかなると思います。

兄さんも、けがするなよ。と、この結界ではまず起こらないことを心配してますが、どうせまた結界の効力について聞いてなかったんでしょう。



「・・・来るかい?君たちの本気で・・・。」


「・・はい。・・・行きます!」



相手との相性は特に気にしなくていいはず。

闇も火に対しては、弱体も強化もない。



だったら・・・相手の弱点魔法で攻める!



青魔法ブルースペル:ウォーターアロー!」


「なっ、水属性!?二属性混合ダブルか・・・!」


「こっちも忘れてるだろ!」


「さ、さっきとはまるで別人の動きだな・・・!」



左からぼくが、右から兄さんが挟み込むように団長を追い込んでいく。

しかし・・・



「これだと私がただの戦士なら負けてたが・・・あいにく私は魔戦士だ。

黒魔法ブラックスペル:ブラックブラスト。」



どっ、という音と同時にぼくたちは吹き飛ばされた。

どうやら、魔法力を収縮して相手を吹き飛ばす魔法・・・ブラストらしい。

兄さんは持ち前のステ全開なので軽々しく受け身をとりながら立ち上がったが、ぼくはそのまま地面を転がってしまった。



「静!?大じょ「よそ見はさせないよ。」うおっ!あぶねえ!」



兄さんは押され気味、ぼくは近くで倒れている・・・。

ポップを使うなら今ですね。



「いてて・・・今だ!ポップ、出て来て!」


「クエッ!」



「なっ!?ドラゴン!?『テイマー』か!」



さすがに数が増えるとは想定してなかったでしょう・・・。

それに放つブレスは、さっきの団長の魔法と同じ種類でいけるでしょう。



「ポップ!ウィンドブラスト!」


「クエッ、クエッ・・・クエーーーー!」



「待て静、自分まで吹き飛ばすきだろうおおおっ、やべえっ!?」



「さっき、私が使った魔法の再現!?

国の近衛兵でも覚えるのにかなり時間がかかったのに、ドラゴンがたった数分で!?」



吹き飛ばされ、兄さんは壁に顔面激突、たぶんかなり痛い。


団長は自分の魔法だからか壁際まで飛ばされたが、そこで何らかの魔法で踏みとどまった。



「これがレーベル殿が言っていた才能の原石・・・ですね。

確かに、これほど戦える一年生は10年に一度居ればいいほうです。」


「何か言いました?陽魔法ホワイトスペル:ライトリーバー!」



「いや、なんでもな・・・・・光の刃だと!?

それは中位魔法でまだ学校では教えてないはず!?そうだろ!レーベル殿!」



「は、はい・・・。(シズカ、また図書館から魔法書を引っ張り出してきたな・・・。)」



「いやそれよりなぜ光魔法まで使えるんだ!?もしや、三属性混合トリプルか!」


「(それだけだったら、俺もこんなに苦労してないんだが・・・。)」



なぜか、レーベル先生の顔色が悪いですね。

まあ、ぼくが上級生図書室に入るとき、なんかいろいろ言われていたのは関係ないでしょう



・・・たぶん。



「よそ見はダメだと言ってたのはそっちだぜ!」


「ぐっ!なんだこのPOWは!!?Lv.1でこの力!?」



「あいにく兄さんは今Lv.1ではないですよ!

緑魔法グリーンスペル:バースト!」


「風魔法まで!?もう何が何だかさっぱりわからん!倒してから聞くことにする!」



「(ああ、紅蓮姫の悪い癖が・・・。二人ならたぶん大丈夫だろう。)」



なんだか、また人外扱いされた気がします・・・。


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