十三話目 信用と伝承
お、遅れましたぁぁっ!すみません!
p.s. お気に入り15件になりました!これからもよろしくお願いします!
Side 瞬
「君たちは一体何者じゃ?」
「え・・と、話していいんだっけ?」
「だめだよ!信用できる人だけって言われたよね!?」
・・・・記憶にないな。
「その顔は、覚えていない顔だね・・・。
まあ、覚えているとも思わなかったけど。」
なにそれ、酷い。
しかし、学院長がこのやり取りでの中の『信用できる人』という言葉に反応してしまったらしい。
「・・・つまりワシらは信用できんと?」
「すみません。
まだ出会ったばかりの人を信用しろ、と言われてできる人はよっぽどの人だと思いますが。」
「確かにの。子供にしては頭が回るの。
・・・でワシらが信用を勝ち取るにはどうすればいいんじゃ?」
「まず、ぼくたちを国や研究機関に売りとばしたり、実験材料にしないことです。」
「ちょっ、静?なんか大げさすぎないか?」
「それについては心配しんでもよい。
確かにここは国のお金で運営しているが、本人の意思がない限り、どこからの干渉の受けないからの。」
なんか話が壮大になってるな・・。自分にはついていけん。
「わかりました。
二つ目はこのことを許可なく漏らさないでください。」
「ふむ。他の者へしゃべるな・・・ということかの?」
「はい。最後に――――――
この世界についてなるべく多くの情報を教えてください。」
あ、静・・・・肝心な最後で詰めが甘い。
自分でも気づくぞ、そのミスは。なんでこの世界って口に出したんだ?
「はて?その言い方はまるでこの世界で生まれてないような言い方じゃのう。」
静がしまった、って顔してるがもう遅い。どうやらばれてしまったようだ。
「い、いえ。そんなわけないじゃにゃい・・・ないですか。」
「静、もうごまかせてないぞ・・・・言えばいいだろ。別に減るもんじゃないし。」
「む、むぅ・・・。兄さんがそういうなら・・・。」
「話してくれるのかの?」
「はい・・・といってもどこから話せばいいのか・・・。」
途中、静の力も借りて何とかすべてとはいかないまでも、8割方は説明できたと思う。
話が終ったときにレーベル先生が何か考え込んでいた。
「・・・つまり、俺がシュンのステータスを見たときのノイズは俺の検査機が壊れていたわけじゃなくて・・・。」
「はい、自分のステータスが封印状態だったから、異常な反応だったと思います。
なんなら、解除してみてみますか?」
そう言って解除したステータス見てもらった。
すぐに学院長とレーベル先生がなにやら話し込み始めて・・・・・お、終わったみたい。
「今聞いたが、妹さんのほうは先ほどの実践授業でドラゴンを『テイム』したそうじゃが
・・・少し見してもらって構わんかの?」
「いいですけど・・・どうしてですか?」
「この箱がしっかり動いているかのチェックをしたいのじゃ。
他にも環境があっているか確かめたいのでの。
なにせ最後に使ったのが、10年もまえじゃ。何があってもおかしくないからの。」
「わかりました。」
そういい、箱を手渡すと羽ペンで羊皮紙にメモを取り始めた。
どうやらドラゴンの特徴や調子などを書き込んでいるらしい。
「・・・これくらいでよいじゃろ、では返すぞ。
君たちが悔いのないように生きていくんじゃぞ。」
話が終わり塔へ戻ってよいと言われ、火の塔へ戻った。
どうやら授業はB・Cクラスも終わっていたようで一階の待合室には、最高学年である7年生から自分たちと同じ1年生までが夕食を取るために溢れかえっていた。
どうやら食事はバイキング形式であるようだ。
しかし、ご飯時なのにテーブルから離れたところに入学式で見たような人たちや、クラス代表になった薄緑色の髪が見え隠れしているので、今日のAクラスの実践授業についてクライスが問い詰められているんだろう。
「兄さん、ぼっ~とみてないでクライスを助けてあげて。
その間に『箱』を置いてくるから。」
「?なんで隠すんだ?」
「いや見せたら大騒ぎになるでしょ!?ラビットならまだしも、ドラゴンだよ!?」
「まあ、そうか。んじゃ止めてくるわ。」
静は塔を登る階段へいき、自分は騒ぎがだんだん大きくなっている集団の中へ入って行った。
Side 学院長
二人が帰った学院長室では・・・。
「学院長・・・これは一体・・・!」
「見ての通りじゃ。あのドラゴンは風上位の『ウィンドドラゴン』ではない。」
ここらのモンスターは主に4つに分かれる。
一つ目は、『プレーン』と呼ばれる。
属性を持っていないという意味でつけられていたが、今では学生の相手の総称として呼ばれている。
Lv1~25くらいじゃ。
二つ目は、属性が付加された『下位モンスター』。
プレーンに属性がついたものであり、学生でも元の種族が弱ければ相手ができるレベルである。
Lv5~50の間という定義もある。
三つ目は、『上位モンスター』と呼ばれ、人間と会話出来たり、目標をもって行動したりと、人間と同程度・・・それ以上の知識や能力を持っているものが多い。
もちろん全部が人間と交友的ではない、残忍なモンスターもいる。
Lv51~75あたりじゃ。ここまでになるとAやSランクの人間が数十人いるじゃろう。
四つ目は、『災害級』と呼ばれ、もはや人間などもろともしない巨大なモンスターや魔族という奴ら
で、学院の長であるワシでも1対1で負けるかもしれぬ相手じゃ。
ここまで来ると、EXクラスの最終騎士を引っ張ってこないと国が消滅するレベルになる。ここ数年は全くいないがの。
Lv75~???じゃ。
てっきりワシは、幼生の時点で上位並みだったので、将来『災害級』となるかも知れぬ・・・。
と思い、見せてもらったのじゃが、その保有魔法力や特徴を見て危うく手足が震えだしてしまいそうじゃった。
「これから俺はあいつらをどう指導していけばいいんだ・・・。」
「なに、いくら――――の力を持っていてもまだ子供。
それに一番信憑性が高い情報では『属性をつかさどる竜現れしとき、対となるドラゴンが封印から目覚め、―――』とあった。」
「つまりこの世界は・・・。」
「うむ。数百年前の再現になるかも知れぬ。
まあ、伝承は伝承じゃ。どこかで間違っているかもしれぬからの。
・・・言っておくが、このことはあの子の言うとおり他言無用じゃ。
あの子が自分たちから言ったり、こちらに頼んできた以外は。」
「わかっています。せん―――いえ、学院長。」
「ほほ。まだその癖は抜けないのかの、『悪ガキ』レーベル。」
「・・・・・はい。」
メモ帳から抜粋
保有魔法力 測定外
属性 風・火・水・光・闇
数百年前に伝説として人々の口で語られている有る竜と特徴が酷似。
これからも注意を怠らないこと。
公立イース学院 学院長 ファルガン・ソーザ
転生一日目終了!次回から二日目に入ります!




