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Final story + First story  作者: サイカ
第一章 始まりの異世界
13/38

十二話目 大商人と疑惑

ストックが消えるまで2日に一回のペースで仕上げていきたいと思います。


ではどうぞ。



 Side レーベル


「ここらへんだったか!?」


「いえ、もう少し奥です!」



「・・・・クライス。ちょっと止まってくれ。」


「え!?な、なぜですか!早く行かないと2人が・・・!」



「・・・戦闘音が聞こえてこないんだ。つまり、もう決着はついている。

二人が勝ったか・・・それとも・・・」


「そ・・そんな・・シュン!シズカ!返事をしてよ!!」



クライスが動揺し始めた。

確かにまだ出会って数時間だが、さっきまで生きていた人に会えないのは辛いだろう。


だが・・・



「・・・・なにかおかしいぞ。」



確かに状況は絶望的なんだが・・・人がやられたような気配じゃない。

ふと上を見てみると・・・



「まだここにいたのか、ウィンドドラゴン・・・・・ってあれ?」


「降りてこい!二人の仇を・・・・ってあれ?」









「先生ー!こういうことってよくあるんですかー!」


ドラゴンの背中に乗って手を振るシズカと





「クルクルクルッ!」


うれしそうに鳴いているドラゴンがいて、





「なあ、また体力無くなりそうなんですけど・・・回復してくれ。」


なぜかドラゴンの足につかまれているシュンがいた。







 ――――少したって――――






「な、なるほど・・・。そんなことがあったのか。

お前たちの人外のスペックを少々侮っていたようだ。」



「突っ込みませんよ~。なんで兄さんと同列なのかなんて突っ込みませんよ~。」


「そんなに珍しいことなんですか?」


「ああ、まず一つ目に人間に対してモンスターは好戦的なのが一般的だ。

それにあちらの気持ちに応えてやれなければ、人間の仲間にはならないだろう。

小型モンスターならまだしも、ドラゴンとなればなおさらだ。

ちなみに、教え子がモンスターテイムに成功・・・つまり『テイマー』になったのは初めてだ。」


もう15年も学院で働いているが、『テイマー』を見たことないのは

俺が火属性の教師ということも関係している。

『テイマー』は光・水に多い。

火で『テイマー』になれるものはとても少ないのだ。


・・・・まあ、シズカは5属性すべて持っているんだが。



「さ、さて。今日はいろいろ大変(?)だったがこれで授業は終了とする。

学院に戻ろう。」



「先生~。ドラゴンに乗って帰ってもいいですか?」


「ああ、そうだな・・。見える範囲ならいいぞ。」



ということで、シズカはドラゴンの背中に乗り、シュンは足につかまって空を飛んで学院へと帰った。








学園の近くに来て、ドラゴンから降りてきたシズカがこんな質問をしてきた。



「レーベル先生。ぼくのドラゴンって今からどうすればいいんですか?

まさかそのまま中に連れていくことはありませんよね?」



「そんなことはしないぞ。

もっとも、昔はそうしていたし、小型モンスターなら中に入れても問題ないが。

今は大型モンスター用の保管道具を貸し出している。


・・・・・使われたのは10年も前だったらしいがな。」



「それって大丈夫なんですか・・・?」


「ああ。中の環境は何か入ってない限り変わることはないからな。」



そういって、火の塔の倉庫から小さなケースを取り出した。

表面に不可思議な文字や模様が描かれている。



「これって相当高いものですよね、レーベル先生?」




「お、わかるか。さすが大商人の息子だな。

物の値段は詳しくないが、これ一個で家くらい買えるだろ。」




「そ、そんなに高いものなんですか!?」


「クライスって大商人の息子なのか!?」




「二人揃って質問するな。

クライス、答えたいものだけでいいからな。」



「は、はい。それが高いものなのは本当です。

今回のようなドラゴンを収納するものとなると下級貴族の家の値段と大差ありません。」



「そ、そんなにか!?」



「は、はい。それと・・・・大商人の息子としてじゃなく、一人の一般市民として見てほしいです。

今の僕には何かを変える力はあまりないので・・・。」




「そんなの当たり前だろ。

自分は大商人の息子じゃなく、クライスと話してるんだからな。

しかしできるなら・・・・・・・少しアイテムの融通をあべしっ!」


「はいそこ、裏取引をしない。クライスも気にしなくていいからね。」


「う、うん。」



「終わったか?じゃあクライスは先に塔に帰っていてくれ。シズカとシュンは俺についてきてくれ。」


「「?なんでですか?」」


「来てくれればわかる。」



そういい、五属性の塔に囲まれたひと際大きい塔に入った。



「先生・・ここは一体?」


「なに、お前たちに聞きたいことがあるだけだ。ちなみにここは教師の部屋と学院会がある塔だ。」



後ろの二人が首をかしげているが、たぶん学院会が何か分からないんだろう。

俺はどんどん塔を登って行き、最上階に着きひとつだけある扉を開いた。



「学院長!おられますか?」


「おお、よく連れてきてくれた。感謝するぞ、レーベル君。」



「いえいえ、これも仕事のうちですから。」




「「あの・・どういう状況ですか?」」




「まあ座りなさい・・・・君たちに聞きたいことがあるだけじゃ。

さて・・・・単刀直入に聞こう。」
























「君たちは一体何者じゃ?」




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