タイトル:【悲報】追放された最強の聖女、実は世界で唯一の『バグ修正』スキル持ちでした。
「君のスキルは『バグ修正』? 何それ。味方の回復もできず、攻撃もできない無能に用はない。出ていけ」
勇者パーティのリーダーである聖騎士に、そう冷たく告げられた。
私のスキル『バグ修正』は、この世界を構成する論理の矛盾――いわゆる『バグ』を見つけて消去するものだ。
パーティの皆は、私が戦闘の役に立たないとしか思っていない。
「わかりました。……でも、後悔しないでくださいね」
私は静かにパーティを去った。
――数日後。
魔王城に乗り込んだ勇者パーティは、絶望の淵に立たされていた。
魔王の周囲に展開されているはずの『無敵バリア』が、本来の仕様を無視して永久に解除されなくなっていたのだ。
実は、これまで順調に攻略できていたのは、私が陰でこっそり魔王軍の『設定ミス』や『挙動不審なバグ』を修正し続けていたからだった。
私が去ったことで修正プログラムが止まり、世界は本来の難易度――つまり『理不尽なまでの超高難易度』へと巻き戻ってしまったのである。
パニックに陥る勇者たちをよそに、私はギルドで美味しいお茶を飲んでいた。
王様から「世界が崩壊しかけている! 頼む、戻ってきてくれ!」と泣きつかれたのは、その翌日のことだ。
私は首を横に振る。
「ええ、修正はしますよ。ただし、元のパーティとは二度と組みません。……あと、報酬は金貨1万枚で」
世界を救うのは、私一人で十分だ。




