六
疲れが溜まってあ二人は部屋に着くと無言でべッドにいき泥のように眠りについた。体が休みめと叫んでるように睡魔はすぐきて意識は眠りに沈んでいく。
その数時間後にテツとエリオは叩き起こされマリアに尻を蹴飛ばされ着替え、支給された服を着る。下は少し大きめの青いズボンと白のタンクトップ。着替えには一分もかからず欠伸しながら二人は中庭でに出る。
「今日は基礎訓練をします。貴方達は技術の前に体力が少なすぎです、学園の教育方針も見直さなければならないですね」
そうして始まったのはランニング、古城の周辺をひたすらに走る。何周かしているとようやく起きてきた騎士達が訓練を始め活気づいた声が聞こえてきた。
「ハァハァ!! テツお前息切れてないのかよ~もう何周したかわかんないぞ」
「自主トレしてたからな。にしてもまだ若いお前が俺に体力負けって確かに隊長の言う通りだな」
丘の上に立つ古城から見える海はまだ暗いが少しづつ明るさが増してくるとテツは走りながらじっと眺める。異世界にきても太陽が上がってくる風景は変わらず、黄金色に染まる空と海に瞳を奪われていく。
「にしても出世のチャンスがきたぜ!! この歳で騎士団入団って事はゆくゆくは」
「エリオ少しは現実を見ろ。出世以前に俺達が生き残れなきゃ意味ないだろ」
「少しぐらい夢持ってもいいだろ~今までろくな事なかったんだし」
呼吸が少し乱れ肩で息をしながらテツは考える。確かにエリオくらいの歳で夢を見るのは普通だ、しかし自分はどうだろうか……目指してるのは夢でも何でもない。ただ状況に流され仕方なく殺人に覚悟を決めるだけ。
「エリオお前の夢はなんだ」
「んあ~世界一の騎士だ!! テツは」
「そうだな~この世界を全て動かせる権力と誰にも負けない力かな」
「ダッハハハハ!! お前俺よりも子供っぽい夢だな」
走りながら笑い脇腹を痛めながら走るエリオに指摘され不覚にもテツは照れてしまう。具体的な目標もない、まだ若い頃に思い描いた無邪気で馬鹿らしい夢が口から滑り落ちてしまった。
「エリオ君テツ君もういいですから中庭にきてください」
丁度門の前に差し掛かった時にマリアに呼び止められ言われるままに中庭に行くと、昨日とは比べ物にならないくらいの人数が訓練をしていた。白銀の鎧を身につけ規則正しく並び教官の呼び声で剣を振り下ろしている。
素振り音が鼓膜に響いてくる大きさで初めて見る二人は瞳を見開き「おぉ」と漏らした。そんな二人をマリアは隅っこの一角に連れていき残り二人の新人と合流させた。
「え~とエリオ君とニノさんは基礎訓練をしますが……フェルさんとテツ君は戦闘スタイルが特殊なんでこっちにきてください」
エリオとニノに指示すると残りの二人を離れた場所に連れていき武器を渡す。それは互いの実戦で使う武器で蛇腹剣とパンドラで驚く。
「君たちは普通の訓練しても仕方ないので私が直々に鍛えて上げます。いいですか」
「いやいや隊長さんよ、パンドラで叩いたらやばいって」
「私も耐久力重視の鎧を着けますから簡単には砕かれません」
フェルは久々の握る蛇腹剣を何度か振り感触を確かめテツは仕方なくパンドラを起動しナイトメアを装着する。マリアはいかにも重そうな鎧を全身に取り付け両手に木刀をを握る。
「昨日は一人では私に勝てませんでした。だから今日は二人で戦ってください」
「隊長確認ですが本気でいいんですね」
「構いません。昨日のリベンジぐらいの気合いできてください、テツ君も」
重装備のおかげで機動力は落ちて更にこちらの得意の武器に対し木刀。さすがのテツもここまで舐められて黙ってはいなかった。訓練している騎士達とはかなり距離があり全力を出せると確認すると拳を合わせて金属音を鳴らす。
「どーなっても文句言うなよ隊長」