仮入部
ぼくときょうちゃんは結局野球部に入部した。
1年生は全員で11人。2年生6人。3年生8人の計25名で構成されることになった。
残念ながらマネージャーとかそういうはいない。
ちなみに監督は数学の石丸先生で、ぼくのクラスの担任だった。
石丸先生はカップ麺の食べすぎてお腹がでてきてますって元気よく自己紹介してくれた。
野球はあんまり興味なさそうだった。
「うちの中学の野球部は、いっても2回戦止まりで、そんなにつよくないらしーぜ。」
ってきょうちゃんが言ってた。
ぼくは自分のチームが強いかどうかよりも先輩が優しいかどうかが気になって仕方がなかったので、「ふーん。」と適当に流してしまった。
仮入部の日。
先輩達が自己紹介してくれた。
ハムスターみたいな顔の先輩がキャプテンで、浅上純也先輩。真面目そうだと思った。
副キャプテンは身長が高くてひょろってしてて、チャラそうな田中秀人先輩。
3年の先輩っぽい女子が「シュートがんばってー!」って熱烈に声かけてたので、女子に人気なんだろう。それはさておきどうしてサッカーにしなかったんですか。って心の中でツッコミをいれた。
石丸先生が遅れてきた時、「仮入部初日という大切な日なのに、間食して遅刻はよくありません。」って浅上先輩につっこまれていて、図星しそうな先生を見て先輩達が和んでいた。
総じて部の雰囲気も良さそうなので、ぼくは胸を撫で下ろした。