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箱シリーズ

箱の中にとじこめられていたもの

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その子供は、なぜか箱の中に入っていた。


 どうしてそうなっているのか分からない。


 物心ついた時から、すでにそうなっていたからだ。


 箱の中には何もない。


 子供が、一人いるだけだった。


 だからその子供はいつも退屈していた。


 遊び相手はいないし、遊び道具もないから。


 しかし、箱の外の声が聞こえるため、子供は退屈に殺される事はなかった。


 自分と言う存在は確かにここにいる、と思う事ができた。


 箱の外には、様々な人間がいるらしい。


 男性、女性、お年寄り、子供などなど。


 子供は色々な人の話を聞いてそう判断した。


 いつか出て、それらの人達と話がしたいと思ったけれど、その方法が分からなかった。


 子供の退屈な日々は続く。


 けれどある日、子供は気が付いた。


 決められた回数箱を転がせば、箱が大きくなると言う事を。


 だから、子供は箱の中であばれて、精いっぱい箱を転がした。


 箱が大きくなれば、破裂して外に出られるかもしれないと思ったからだ。


 外に対する憧憬は膨らみ、箱も膨らんでいく。


 子供はどんどんあばれ、何度も箱を転がしていく。


 やがて、十分に大きくなった箱は、ぱちんと大きな音を立てて破裂した。


 とうとう外に出る事ができた子供は、外の空気を吸ってとても喜んだ。


 そして、箱だったものの残骸を見つめる。


 自分を長い間とじこめていたものだったけれど、愛着がわいていた。


 だから子供は、箱のかけらを拾い集めて、小さな箱を作る事にした。


 外に出られた自分をいつでも見守ってほしいと思ったからだ。



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