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エピローグ

 前皇太子プリンチペと平民アーヘラを中心とした冤罪断罪茶番劇から1年の時が過ぎた。今、帝国は新たな皇帝の即位に沸き立っている。


 帝国始まって以来の女帝の誕生に国中の女性は歓声を上げる。女帝即位と同時に発表された貴族法にも驚かされたが、これもまた女性たちは喜びを以て受け入れた。これで少なくとも女だからというだけの理由で無能な兄や弟の風下に立たされていた立場が逆転するのだ。


 女帝マレカ一世の即位を以て、以降の貴族家の相続は女系相続と為す。そう宣言された。貴族家がそうなれば、次第に裕福な平民もそれに倣うことになっていくだろう。


 勿論、現在女子がいない家もある。その場合は男子の相続が認められるが、原則は女系相続だ。


 これまで何もせずに後継者の地位にふんぞり返っていた各家長男は慌てた。そして切磋琢磨していた次男以降は快哉を上げた。


 相続の変更によりこれまでの婚約関係を見直す家も多く、新たな婚約者は長男ではなく優秀な次男三男へとスライドするケースも多かったのだ。


 宮廷の大臣や官僚は男性が多く、国政や領地運営の実務を担うのはやはり男性が多かった。女系相続にしたからといって大きな変化はないように見えた。


 けれど、確実に各家は変わっていった。妻を蔑ろにする夫、妻を冷遇する夫は婚家から追い出されるのだ。夫婦は互いに良好な夫婦関係を築くように努力をするようになった。男女ともに、だ。


 男尊女卑の風の強かった帝国は女系相続に切り替えたことによって、男女平等となりつつある。尤も、時代が進めば女尊男卑となる可能性も高いのだが、それを見据えての法整備も整えている。


 帝国の問題がこれで全て解消されたわけではない。けれど、少なくとも3代続いた毒婦と盆暗皇子による冤罪断罪茶番劇は消えた。


 そうして、マレカ一世はオトメゲーノジュバク帝国中興の祖として歴史に名を残すことになるのだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] その国号ではピンクに誑かされるのは仕方ない まずは国号変えるべきだろう
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