4話 テニス部
今回はテニス部回!
土曜日。俺と音羽は朝練に来ていた。まぁ俺は正味、音羽を落とすために準備として1年の時、テニス部に入ったんだけど……
「今日のこと忘れてないでしょうね」
音羽がこっそり耳打ちしてきたので
「当たり前だ」
動揺せずに意識を無にして返事しておいた。
「おい、何をいちゃついとるんだ貴様ら」
女の人の声がした。
「げっ……坂本先生。いちゃついてなんかないですよ」
坂本 真鈴先生は20代後半の美人教師だ。性格は荒いけど……
「まぁお前らならおかしくもないが……まぁいい。ところでお前らテニス得意だろ?」
「そりゃまぁ」
一応ずっと練習して記録残してるし。
「だったら1年に手本を見せてくれ。デモン何とかというやつだ」
何この人? 頭が悪いし、人使い荒くない?
「「は、はぁ」」
困惑する俺ら。
「ちなみに勝ったほうには報酬があるからな。頑張れよ」
「オーケー真鈴ちゃん。まっかせーなさーい」
「下の名前で呼ぶな」
この人、なんで”まりん”っていう呼びにしてくれなかったんだとずっと嘆いているんです。
こうしてガチで勝負することになった俺たち。
「ハンデはなし。1ゲームマッチな」
あんまり長くなってもあれだしな。
「了解」
「サーブは交代制で音羽が先でいい」
まぁそっちのほうが盛り上がるだろう。
「あら余裕なのね」
「全国ベスト8なめんなよ」
「まぁ私は全国準優勝だから」
まぁお互い負け犬なんですけどね……
「性別の差があるからな」
俺がそう言うと、俺の背後から急に
「それ差別。人権侵害」
「うおっ!」
「あぁ、紅羽ちゃん」
「紅羽ちゃん?」
「そっ。私の後輩の 平沢 紅羽」
「先輩、だめ。対等」
「わかったわかった。じゃあ始めるぞ」
無口な女の子は苦手かも……てかロングヘアーのこんなかわいい後輩いたのかよ。
いよいよ試合開始。まずは音羽のサーブ。男子顔負けの速度だが俺は余裕で返すのだったが……
「あまい!」
見事なサーブ&ボレーで1点取られる。流石に油断しすぎか。
「やるな……だったらこっちも本気で」
俺はすぐさまサービスエースで1点取り返し15-15。
「このっ」
次は音羽のサーブを丁寧に返す。後輩どもに見せつけておかないとな。
しばらく激しくラリーが続き、みんなが息をのんで注目している。マジ気持ちいい。
「そこ、がら空きだぜ」
そう言ってドロップショットを決める俺。30-15。うーん芸術。
そのあと、サービスエースを取って40-15。マッチポイント。
「このやろっ!」
「ぐっ!」
音羽の渾身のサーブに少し押されてしまう。あんな体でよくこんなの打てるな。
「ふうっっっ~りゃっ!!」
俺が上げたロブを魂を込めてスマッシュしてくる音羽。
「よっと」
負けじと俺もロブで返し続ける。
音羽がひたすらスマッシュを打ち続け、俺がひたすらロブで返す。俺は反撃のチャンスを考えて、新しい武器を使うことにした。
「ゲームオーバーだ」
そう言って後ろにロブを打つ。音羽はアウトだと思って手を上げようとしたが……
「うおっ、ラインかすった! マジパネェ!」
いい事言う後輩がいるじゃないか。あいつは昇格だな。まぁこいつはモブ男だから、あんまいらんがな。まぁ普通の男ぐらいに昇格しといてやる。
「ラインをかするロブ。マジ気持ちいぃ」
武器を身に着けたくて、ずっと練習してたんだよな。まぁ誰も知らないと思うが。俺は天才じゃなく秀才なのだから……
「去年より進化しているな、静礼」
坂本先生の満面の笑顔だ。ま、俺は強いですからね。
「うっす……でご褒美は」
「来週のトレーニングお前だけ特別メニューだ」
「おえっ」
やっぱりこの人嫌い……鬼だ、悪魔だ、怪物だ。
倒れている音羽に手を差し出す。
「ナイスゲーム」
「どこがよ」
まぁそんな悔しがるな、と言いたいところだが納得しないからなこいつ。
「先輩、すごい」
「紅羽ちゃんだっけ? 音羽もいい後輩持ってるじゃないか」
ふっ、やっと俺のすごさに気づいたか。
「でも、私、運動できない」
しょんぼりする紅羽。
「だったら俺に聞きに来な。大体は教えられるから」
運動できるようになるために、運動部に入ったんだろう。その向上心は素直に俺も尊敬する。まぁ俺にはかなわんがなっ! はっはっは。
「これからは畑先輩についていく」
こくこくとうなずく紅羽。
「おぉそうしろそうしろ」
「ね、ちょっと……」
バテバテの女は無視しよう。
「じゃあよろしくな、紅羽」
「うん!」
なんだ、無口な女の子かと思っていたけど、こんな元気な笑顔もできるのか。こりゃ音羽が気に入るのもわかるな。
「あんた、おぼえておきなさい……」
もう一人、音羽という鬼がいましたわ。
「ひっ、あとで処刑される!」
……テニス部に入って後悔はしていない。
ここ1週間体調を崩し、テスト週間に投稿しようと思った書きだめができてないのでこのような形に……
いやマジで高校生しんどいっす。気長に待ってくれたら幸いです。
さて、今回は日常回? ですね。鬼のような若い美人先生と、無口? な女の子が登場しました。深夜に書いたので、結構自分好みのキャラになってるかも……しれませんね。
ツイッターでからんでくれる方には感謝しかないです。未熟なアマチュア作家? なので、アドバイスとか感想とかくれるとありがたいですが、言いすぎるのもあれなので自粛します。自粛警察にはご注意を。
深夜テンションであとがき長いですが、案外評判だったら次もこんな感じで書くかも?