1話 完璧な男
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突然で悪いが、”完璧な男”について考えたことはあるか? やさしさ、財力、運動神経や学力など……
俺はその正解が見いだせなかった。わからないならすべて身につければいい。こうして俺の物語は少しずつ進んでいく。
香川県立高松東南学園。学力はそこまで高くはないがまあまあで、部活は実績を残す部ばかり。校則もゆるく、青春を楽しめると地元で評判だ。俺の名は、畑 静礼。完璧な男とは俺を指す。まぁナルシストというやつもいるが、そういうやつは俺を超えてから言うんだな。
学年で1位の学力。県内でも屈指の運動能力。そして顔はイケメン。ちなみに俺はテニス部に所属しているんだが、それには理由がある。まぁあとから話すんだが……
「キャー!」
「やっぱりイケメンだよね」
「流石」
俺が登校するだけでこの騒ぎっぷりだ。ふっ流石だろ? ただ……
「やっぱりこっちだよね~」
「可愛いよなぁ」
「ちょっとツンとしているのがいいんだよなぁ」
そう。俺より人気があるこの女……鈴本 音羽。学年で1位と言われる美貌を持つ。まぁ俺の好きなタイプではないんだがな。ただ俺は、こいつを落とさなければならない。
なぜ落とさなければならないのか? 俺は自分自身で完璧と証明するために、俺と同学年の奴を最初に順々に落としていった。まぁ判別は自分でやっているが間違いはないだろう。たぶん……
あとはこの女だけなのである。俺たちは今高2だから次は先輩でも行くかな、はっはっは。そのためにあいつに負けないように勉強し、同じテニス部に入った。あいつはそれほど男子を好んでない。どこかの残虐姫のようにな。だが俺は1年間準備してきた。いける自信はある。
「あの鈴本さん……」
「何? 告白とかならお断りよ」
「は?」
反射的に声が出た。
「”恋愛”なんていいことはない」
その言葉は俺にも刺さるんだよな……まぁ今は関係ない。
「俺でも?」
「あなたは特に軽そうだし。むしろほかの男子より低いと考えているわ」
「なんだとてめぇ……だったら俺はお前を絶対落として証明してやる」
「よく言うわね。ところで証明という言葉は何?」
「こっちの話だ」
わざわざ言う必要もあるまい。
「まぁ私を落としたいなら毎日告白でもしに来たら?」
嘲笑して言う音羽。
「言ったな? 後悔すんなよ?」
「え……」
俺は絶対にこの女を落とす。この難敵を落としたら、俺は完璧な男になれるかもしれない。いろんな感情や過去と戦いながら進んでいく”俺ら”の物語だ。
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