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第88話『迷いの中から、お帰りなさい♪』

「セタが迷いの中にいると思ったから…

 仕方なく、待っていたのよ…。

 通る道はわからなかったから、

 運命に賭けてみたの…」


 ミロハンの村に行くまでには

 街へ繋がる大通りとは別に

 郊外へ向かう道が左右に

 二つある…


『…そう。でも…ファルなら

 多分わかったと思う…。

 察する…。うん…。何というか…


 よくわからない能力(ちから)で。

 …違う?』



「さぁ~ね…」



『ファルが旅をしている間…

 私はファルがどこで何をして

 いるのか?…まったくわからない』



「…それはそうでしょう。

 だって教えていないから…」



『…ファルは旅をしているとき

 私が何をしているか?

 わかる気がする…』



「……さぁ~ね。わからない…」



『…私がこんな風になってしまって

 拗ねているの?』



「さぁ~ね……。そんなことより…

 私の隣にいる御方とは…

 どうするの?…しおらしく箱に

 入り、結する…。

 つまり、婚約をするの?」



『えっ…!…その。それは…』

 

 道中"運悪く"ファルを拾ってから

 というもの。ミロハンは空気を読んで

 黙っていた…。というよりファルの

 見えない圧に屈して何も発せられない

 でいた


「どうするの?…"しない"のなら、

 このまま引き返しなさい…

 時間の無駄よ…。私と旅をする

 方が何倍も有益で楽しいわ!」


 セタとミロハンは、ちらと互いを

 みて、黙ってしまう…


「……まだ判断が出来ない。

 ということね?」


『うん…』とセタが言った後に

「セタさんと同じです…」とミロハン


 ファルは「たくっ…。じゃあ、私が

 二人を邪魔しているみたいじゃない!

 降りようか?」


 とファルが面倒そうに言うと

「いいえ…。居てもらっても、

 よいです。ですが…」とミロハンは

 セタの目を一度みて…


「もし、可能なら…。荷台にて

 じっとしていて下さい。…とは

 言いません。

 その場所を譲って頂きたい!」


「………………ん?なぁに?

 今何か言った?」



「いいましたよ!…はっきりと」



「はんっ!じゃあ、男らしく力で

 奪いなさい!


 行動が早い物から"順に"報酬を得ら

 れる決まりになっているの…。


 おいしい獲物が手に入る…この結果、

 果実は、私があなたを押し退け

 て得たものよ…。当然の権利よ…。


 絶対にひかない…あげない…

 ああもう、無理よ無理。手遅れ…


 諦めて、下車して徒歩で村まで

 帰りなさい」


「……なんで!僕の馬車から僕が

 降りないといけないんですか!

 降りるのはアナタだ!…薄汚い浮浪者

 らしく歩いてどこでも行けばよい!

 こんな失礼な人間は初めてだ!


 セタさんがいなければ…。その価値の

 無い首、切り落としているところだ!」



「…ほぉ。…ふふ♪」

 と口元で笑みを浮かべるファルは、

 セタの肩に甘えるように頬を付けて、

「…だって。


 …ねぇ?

 セタ…?こんな男の何がいいの?」


 と訊いた


『…………』セタは口閉じ、考えている


 ミロハンは「あっ…。あの…。その…

 違います。これは…」と取り繕うが

 セタは『違わない…』と否定し、

 ミロハンの目をじっとみてから、

 ファルに視線を向けて、


『降りましょう…。ファル…

 ありがと。気づけました…本心に』


 と伝える


 ファルは「うん♪…お帰りなさい」

 と頷き、

「……そうね。降りてさっさと帰り

 ましょう!…うん。人間、動物、

 "好き"には素直が一番よ!」



『…そうね。好きである…その対象(モノ)には、

 純粋に、素直に生きてる人間の方がいいね…

 正しいね…』



「うんうん。


 ミロ…なんとかさん?

 アナタも全てとは言わない…

 ただ…"好き"には、素直に生きる

 といいわ。私たちのように…」


 ・・・


 ミロハンは馬車を一度停めるように

 従者に伝えると…


「本当に降りるのですか?」


 とファルではなく、セタを見て

 聞いた


 セタが『はい…』と返すと、

 ミロハンは溜息をついてから


「……僕は。…この僕は、

 素直に生きているじゃないですか。

 今のだってすべて本心…。

 これは素直では無いと言うのですか?」


 とセタとファルに向けて

 ふり絞るように言うと


「………さぁ~ね。自分に何度も

 特に寝る前に自問自答し、聞いて

 みなさい。


 …と意地悪したいところだけど…

 何か理由がありそうね…アナタの場合、

 それが"目に見えぬ"焦りとして、滲む

 ように出ているのがわかる…。違う?」


 ファルの問いかけにミロハンは

 黙ったまま、ファルの顔…特に伸びた

 髪に覆われている目元をじっとみてから、


「ああ…。そうですか。なるほど…」

 と発してから「ふっ…」と息をついて


「その通りです…。見えないのなら…

 "こんな気持ち"

 …わかりますよね…」


 と言った


 ファルは「…だって。どうする?」

 とセタに聞くと…


『うん…。わかった。ひとまず

 行ってみようか』とファルが望んでいた

 回答が、セタから返ってきた

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