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第58話『疲れる一日』

 この日のセタは忙しかった

 

 朝食後にアリーナ親子が宿を訪れ…

 いつもの懐かしい調子が戻ってきたのか?

 ちょっとした生活上の愚痴めいた

 同意しかねる内容(こと)を延々聞かされ…


 その話しを中断する理由として都合よく

 新しく赴任してきた新米の神官であり

 サラの妹であるクリスが訪れ…


 あまり他人には話したくはないサラが

 居た頃の彼女の神官としての住人との

 接し方や振る舞いや活動についての

 真面目でこと細かい質問に答え続け…


 昼にはブルーノの妹と弟が村に到着…


 幼い二人の出迎えの流れからの昼食後

 には…。ミールが宿を訪れて…客間で

 アミスの後任についての説明を受ける


 その間、ブルーノの妹と弟の対応を、

 ディルベットに任せ…。セタの従者で

 ある少女は"お姉さん"と呼ばれること

 に気を良くして、ネムコとの接し方を

 セタの部屋で親切丁寧に教えていた


 そうこうしている内に、ブルーノが

 宿に戻り…"運悪く"ミールと鉢合わせ

 となり、動揺を隠せずに下手な言い訳

 に終止した挙げ句、問い詰められる

 展開のブルーノを見かねてセタが間に

 入って説明をして、とりなしをした…


 その後、ミールを"見送る為"という

 理由でブルーノは共に外に出て…

 セタは取り残される形で玄関前の

 階段に疲労を感じながら腰掛ける…


 ミールが来たことを知ったファルは

 庭に出ていて、長椅子に座りミールが

 帰るのを待ち…。帰ったのを庭の

 砂置き場で作業中の男に確認すると

 宿に戻り…階段にいたセタの誘導で

 部屋に戻る


『はぁ…。怠け者には何とも

 疲れる一日だ…』


 とのセタのぐったりとした言動に


「そう…。でもそれは、自分で相手を

 迎え入れての…。望んだことでしょ?」


 とファルが淡々と返した


 セタは『まあな…。でもいっぺんに

 来るのは予定していなかった…

 今ごろ、ノーラやイーシャも慣れない

 対応で疲れているかもな…』


 と我が子であるネムコのことを想った


「昼に来たブルーノの…弟と妹は

 セタの部屋でしょ?」



『ああ…。従者のディルベットが

 みている』



「そう…。"隣り"騒がしいかな?」


 ファルは騒々しいのを嫌って

 昼食後、部屋に戻らなかった


『さあな…。まぁ、ネムコ達が

 お休みしている時間帯なら、

 一緒におとなしくしていると

 思うが…。どうかな…』



「………ちょっと休む?」



『ああ、休もうと思う』



「それなら、私の部屋に来てよ」



『わかった…。先に自分の部屋を

 確認してから、向かうよ…』



「うん…待ってる」


 ファルはセタがミールと会って

 何を話していたのか?はだいたいの

 想像がついていた

 だが、それ以上に敵対関係である

 ミールと会っていることにちょっと

 した嫉妬心を抱いていた



 ・・・



 セタが自室に戻ると、

 ディルベットとブルーノの妹と弟は

 ネムコ達…ノーラとイーシャと共に

 寝台の上ですやすやと眠っていた


『はぁ…』とセタは何とも言えない

 感じの吐息を落とし


(そんなに疲れることが、あったの

 かな…。まあでも、そうか…。

 ここに来たのは今日だからな…


 しっかし…。アレだ…

 時間が経つのはあっという間だ…)


 と思いながら静かに扉を

 閉めて部屋を出る


 すると…階段を上がって来たブルーノ

 が少し重い足取りで廊下を歩いて近づき

 セタに話しかける


「…セタ様。ありがとうございました。

 少しミール様と話してきました…」



『…大丈夫だったか?』



「はい…。まぁ、セタ様のご厚意という

 よりも、ミール様自身のセタ様とネムコ

 さん達への"好意"に免じて、少しだけ

 減給すると…」



『そうか…。それはすまなかったな』



「いや…。でも、"この話し"は、

 聞かなかったことにして下さい…

 フレアの人間の問題ですから」



『わかっているよ…。代わりに

 今日の夕食は"すべて"私の奢りだ…

 可愛い妹と弟と一緒に好きなだけ

 食べてくれ』



「はい…。ありがとうございます」



『で…これからどうする?

 この部屋で、ネムコ達と一緒に

 二人は休んでいるぞ…』


 とセタの言葉にブルーノは

 部屋を少し覗いてから、顔を戻し


「…まぁ、いいです。ここに来るのに

 疲れたのでしょう…。無事にこの村

 に着いてよかった」



『幼い子どもを付添い無しで積み荷の

 便に乗せて送り出す…

 お前の母親は中々に豪胆だな…』


 ブルーノはその発言に内心

 困惑しながら、


「いや…。別にそういうわけじゃ、

 ないんです…。母はあまり子どもが

 好きではないので…」



『ふぅん…。そうか…。まぁとにかく

 無事に着いて何よりだ…。で、

 どれだけ、この村にいる予定なんだ?』



「………その。決めてません」



『…うん?決めてないのか?』



「…はい。"来て欲しい"とは伝え

 ましたが、細かいことは…」



『……………そうか。まぁ、

 お前の部屋が狭いなら別の部屋も

 空いてるぞ…。


 気が済むまで好きなだけいれば

 いい…。私がいいと言えば、特に何か

 言われるようなことはないだろう』



「…はい。"しばらくは"

 いると思います」



『………それにしても。アレだな…

 可愛いものだな、元気で素直な

 子どもは…。ネムコのように…』



「はい…」



『ここに来たとき…。すっごく

 嬉しそう、楽しそうだったぞ…

 お姉ちゃんが大好きなんだな…

 二人は』



「…どうでしょうか?

 その割には姉の存在を忘れて

 よく眠ってますよ」



『…きっと、姉さんが夢に出てるの

 だろう。

 お前も私の部屋で休んでいいぞ…

 ちょっと狭苦しいから、私の従者

 を起こそう…』



「いいえ…。今のままで

 いいですよ。まだいますから」



『そうか…』



「はい…」


 そのタイミングで僅かに開いていた

 セタの部屋の扉が開き


「あ…セタ様」と寝ぼけた声と(まなこ)

 ディルベットが起きて出てきた


 セタは『…お疲れ様。慣れないお守り、

 大変だったな…』と労いの言葉


 少女は「あ…。いいえ。ちょっと

 一緒になって寝てしまって…」



『いいんだよ…。

 それで、ディルベット…。あとで

 ゆっくりとでいいので、ファルの部屋に

 お茶を二つ…。


 あっ…ブルーノはどうする?』



「いいえ。それなら自分でとりに

 行きます」とのブルーノの返答に



「わかりました。では…"三つ"持って

 きます」と少女は従者らしく言って

 すたすたと誇らしく廊下を歩いていった


 その後、ブルーノはセタの部屋に

 入り、セタは約束通り隣りのファルの

 部屋に入っていった

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