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第48話『"らしくない"ことの当然の理由を知って…』


 だいたいいつも"感覚的に…"

 という理解の方が…彼女においては

 正しい


 そう気付かされていた…また気づいて

 いたはずのセタは、もう一度

 昨日のことをぼんやりと思い出し

 考えてから


(やっぱりおかしいな…。それとも何か

 私が"おかしいこと"があったのか?)


 と、まとまらない思考のまま呟き…


 朝の温もりを与えてくれているノーラと

 イーシャを愛おしさ全開で撫でてから、

 

 ゆっくりと起き上がり、窓際に立って、

 戸を開け…。醒めない意識と肌に…

 晴天の中に吹く朝の風をあてる…


(爽やかであるが、まだこの季節。冷たさ

 が残っているな…)


 そう、ただ何気なく感じていると…

 

 起きてきたネムコ達…我が子たちの

 足元にすり寄りながらの「あ~ん」と

 いう懸命な声がする…


 いつもの"お腹が空いた"の

 わかりやすい合図だ…


『わかってるよ…。下に降りよう…』


 その前にお迎え…

 隣のファルの部屋に行く…


 出てきたファルは、セタの『おはよう』

 に無言でコクリと頷く。"機嫌は"まだ

 直っていないようだった


(どうしたものか…)


 そんなセタの心情をよそに…足元の

 ネムコ達はご飯をよこせと鳴いている


『クロの部屋か…』とセタが独り言のような

 …どこかファルへの声掛けに…

 何も言わない無言のファル



 ・・・


 クロが出てきて、昨日から続いている

 セタと…ファルのわかりやすい様子に


「セタ、ファル、おはよう…。

 ああ…まだ続いているみたいだね…」と


 二人に向けて遠慮して触れないという

 ことはあえてせず、あっけらかんと…

 ただ"ありのまま"を伝えた


 セタが『まあな…。下に行こうか?

 我が子達が待ってる』と返すと


「そうだね。ご飯が待ちきれない…

 すっごくお腹が空いたのね…?」


 と、足元にいる存在に対して

 クロが優しく話しかける


「あ~ん」「なぁ~ん」


『はぁ…。では私は"セタ様の部屋"の

 二人を起こしてくる…。ブルーノと…

 アミ…ウーノス』



「んぅ?…アミ…ウーノス?」



『いや…まあ、起こしてくるよ…

 クロはファルと一緒に先に

 行っててくれ…』


 と言ってセタは歩き出し…


『警護と言うが、あの二人は

 いつも寝ているな…。私より先に

 起きていることが無い…。


 まぁ、今のところは別に構わ

 ないが…』



「ほうだえ~…まっ、いいん

 じゃなぁ~い…」とクロが欠伸を

 抑えながらテキトウな返事をした



「…………」ファルは変わらずに

 無言のまま



 ・・・



 階段の前で半従者の男とあった

 セタ達を呼びに来たのだ


 セタはクロとファル、そして

 ネムコ達を先に行かせ…


 男に(ちょっと…)と合図して

 残るように伝えた


 二人が階段を十分に降りたのを

 確認してから、


『実は…な。昨日から気づいて

 いると思うが…』とセタ



「何かあったのはわかりましたが…

 まだ機嫌が"だいぶ"悪いのが

 わかりやすく…わかります。

 どうしました?」



『ファルが怒っている理由の一つは

 何となくわかっている…。


 "疎外感"からだろう…。が…。

 ちょっと気になっていること

 があってな…』


 セタは男に、昨日ファルがノーラと

 イーシャを"状況的に"というらしく

 ない理由付けをして…。その二人に

 触れて、さらには泣き声を聞いていな

 がら、対象を"間違えた"ことを伝えた 


「へぇ…。そんなことがあるのは

 信じられませんね…」



『だろう?…中身だけ別になった

 みたいだ…。特にノーラは…

 ここに来てからファルがどれだけ

 係わり、触れているのか…と』



「そうですね…。ノーラを間違える

 のは、まずありえないですね…」



『…ふぅむ』



 とセタが発すると、タイミングを

 見計らうように扉が開いて

 アミスが少し眠そうにゆったりと

 出てきた


「"話し"を…ぼんやりしながら、

 (ここで)聞いてました…。


 昨日のやりとり…。途中からしか

 わかっていなかったので…。あそこ

 まで怒る、それ以上の理由が…


 今の瞬間まで、

 よく…わかりませんでした」



『おっ…。おはよう。相方はどうした?』



「おはようございます。もう一人は…

 まだ…」とアミスは言ってから

 部屋の中を確認して「寝ています…」



『何だ。……起こさないのか?』



「……いいです。昨日怒られて…

 夜はほとんど、眠れなかったよう

 ですから…。今日は…まだ、

 このままで…」



『…そうか。では行こうか』



「はい…」



 ・・・



『それで今…

 お前は理由がわかるのか?』


 と階段を降りながらセタはアミスに

 聞いた。アミスは踊り場で

 立ち止まって少し考えてから


「………あぁ、きっと…

 でも外れてるかもしれません

 それでもいいなら…」


『…何だ?教えてくれ』とセタ


 そのタイミングで、


「俺は先に行ってますよ…。ネムコ達

 には先にご飯をあげてますから…」


 と男は気を利かせてセタに伝えると

 階段を足早に降りていった



『なぁ、アミス…。

 言ってくれ』



「…はい」



『………』



「セタ様が…。ファルさんが…

 ファルさんなら…絶対にわかっている


 そのようなことを…あえて聞いて

 しまった…。からです…きっと」



『……………………』



「…どうですか?でも…。セタ様も…

 悪気はなかったと…思います」



『……………いや。悪いのは私だ

 ファルのことを知っていながら…

 くだらない質問を投げてしまった


 結果…。わざと…


 "らしくない"理由を付けて間違えた

 答えを返した…。その時の気分にも

 よるだろうが…。ファルの性格から

 いって、うん。当然だな…』



「…………セタ様」



『……ありがとう。アミス…


 私もまだまだ至らない存在だ…

 ファルに謝ろう』



「…はい」



『それにしても…。私は、立派な

 "身代わり"を持ったものだ…


 本物はこのように情けない姿だが…

 まっ…。今後もよろしく頼む。うん…。

 では、下に降りて皆でご飯を食べよう!


 サラも来るだろう』



「はい」

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