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第18話『良い夢は…。本当の意味で』


 ノーラとイーシャの相性は良く…


 互いに寄り添い合って、セタの

 寝台のいつもの場所で休んでいる


 人の姿をしていた少女は、こうして

 ネムコとしての生活が…


 セタや大好きだったネムコの…

 ノーラとの生活が始まった


 だがセタはまだ複雑な感情の中に

 いて、何とも言えない気持ちを、

 誰にぶつけてよいか?という

 状態であった



「…怒ってますか?」


 とシャーマンの女性の幽霊はいった



 セタは『怒ってない…が、

 ミアのときもそうだが、私の知らない

 ところで動いて、今度は何もしないで

 みていた…』


 と言って溜息を吐いてから


『あんな意味ありげなおまじないを

 放置していた私にも責任がある…


 ネムコに熱のあるおかしな発想の人間で

 あれば、見つけ出して何かしらを試して

 みたくなる…という衝動を、その可能性を

 …考えていなかった』


 セタは一呼吸置いてから

 中空にいる幽霊をみて、 


『本来は…。お前が、幽霊である存在が

 何をするか、しないか、それを決める

 のは、すべてお前の自由だが…


 それでも…。何か出来ることが

 あったのではないか?…

 と、私は後悔と共に思っている…』



 幽霊は「……途中まで、本当に

 うまくいくとは思っていなかった

 のです。…一度だけ、


 たった一度だけ、本当にネムコの姿

 になってこの宿の庭にまでやって来て

 しまったことがありましたが…」



(ああ、なるほど…。アレは本当に、

 本当だったのか…)セタは庭に現れた

 ネムコらしき小動物の正体を知った


「そのあとは残念ながら、うまくいって

 いなかったのです…。ネムコの精霊が

 集まっては消えて、"結晶化"したのは

 その一度だけ


 ミア風に言えば、ひとときの素敵な

 キラメキというのでしょうか?


 それだけでも素晴らしい実績だとは

 思いますが…。まさか、もう一度…

 しかもまだ、"その状態"を長い時間、

 保っているとは…」

 


『…その状態を保っている?』


 セタの目つきが鋭くなる


『その言い方、もしかしたら…

 イーシャだけでなく、ノーラも

 "時間の経過"によって、元に戻る

 可能性がある、ということか?』



「………………それはわかりません」



『……が、可能性はある…


 元の少年の姿に、本来のノーラの姿に

 戻る可能性がある、ということだな?』



「……………はい。恐らくそうでしょう

 今回の対象、その…イーシャと名付けた

 純粋無垢な少女が…


 "それ"を証明してくれました」



『……………………そうか』


 


「………セタ。昨日の今日です。

 休んだらどうです?」



 セタは昨夜から一睡もしていない

 色々と考えることがあって眠れなかった


 考え込んでいるうちに、昔の孤独であった

 頃の自分を思い出し、暗く沈んでしまい

 そうになる自分を、ノーラとイーシャの

 温もりに触れることによって、何とか

 防いでいた


『…………わかった。寝るよ…

 ちょっとは"良い夢"が見れるかもな…』


 意味深なセタの発言に幽霊は

「……叶うといいですね。その夢が…」


 と伝えて、室内から去っていった


 

 ・・・



 セタは寝台に横になると、ノーラと

 イーシャの傍に寄り、二人を交互に

 撫でた…


("待つ"としよう…ノーラを…

 イーシャを…。そして戻ったら、


 そうだな…。


 別の方法で"一緒に"ネムコを

 探そうか…。



 互いに、あの時の情熱を持って…


 お前と同じネムコ好きのイーシャも

 手伝ってくれるはず…)


 セタは鼻をすすり、涙を浮かべながら、

 すやすやと休んでいる、安心しきった

 穏やかな顔をしているノーラをみて、


『なあ、ノーラ…。

 約束だ…。一緒にネムコを、


 お前の言っていたネコをみつけて

 この世界で…


 "本当に"…。お互いが望んだ、

 "本当の意味"で…


 一緒に飼おう』


 とノーラに伝えてから、

 自分もゆっくりと目を閉じた

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