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第11話『ラナとの問答』

『あら?おはよう…クロ』



「あ…。ラナ…様?

 おはようございます」



『どうしたの?こんな朝

 早くに?』



「ちょっと"庭"に用が…

 ラナ様も早いですね…」



『そう?…まあ早起きは習慣と化し

 ているからね。


 いつも夜明け前から動いていたから

 …。今のサラのように毎日祈りを

 捧げていたの…


 セタと一緒に、あの子を褒めて

 あげてね』



「はい」




『で…。今アナタは(自分で)言って

 いた"庭"ではなく、宿の塀の外に

 出て…。こんな人気の無い早い

 時間帯に、


 いったい何を調べていたの?』



「……えぇ、と。その…」



 ネムコ"らしき"生物の目撃証言から

 の…調査探索という何とも"説明し

 にくい内容"


 それに想定していなかったラナ

 との接触も相まってクロは返答に

 窮してしまった

 

 本来であれば昨日サラが帰った

 後に調べるつもりが…。サラは

 起きてから


『ちょっと話があるんだ…』とセタ

 の部屋に一度向かい、その後中々

 戻ってこず、クロはサラの見送り

 をする為に部屋で待っていたが…


 サラが戻ってきたときには、

 すでに日が暮れる間際で… 

 

 クロは自分の時間の使い方を反省しな

 がらも(しょうがないな…大好きな

 サラの為だもん…)


 と庭の確認を諦めて


(まあ、"人気の無い"次の日の早朝

 にゆっくり探索をしよう…)


 と決め、今日の朝を迎えた



 ・・・


「……………」



『……まっ、いいでしょう。

 ところで、最近のサラはどう?』


 返答に窮したクロにラナは余計な

 詮索をするのは止めようと決め、

 話を変えた


『"本当のところ"…という意味で、

 問題なく"元気"にしてる?』



 クロは内心ホッとしつつも…

 その質問に対し、考えた…


(ラナ様に…自分にだけみせている

 であろうはずの本当のサラの状態


 そのことを…


 情況を…。ありのままを…

 伝えるべきだろうか?)


 事実…。クロの目には、最近のサラ

 は少し無理をしている。頑張り過ぎ

 ている、そんな風に見える…


 そして、この質問をした…

 "元神官"のラナ様も…


 多分そのことをわかっていると思う

 …。だとすれば、本当のことを言っ

 ても問題は無いだろう…


 きっとわかっているはず。


 でも…。それを見せたくないという

 サラの意思を尊重しないと……)


 そんな考えをしている"隠しきれ

 ない"クロのわかりやすい表情を

 みて、ラナは暗に察し、


『………そう。わかった。よ~く

 わかったから。そんなに考え込ま

 ないでいい。


 まあ、そうね…

 同じ境遇の人間だからわかってる


 ちょっと聞いてみただけだから

 気にしないで…。


 でも、サラには内緒にね…

 あの子も気にするから…


 じゃあ、またね。あの子の為に、

 気を遣ってくれて、ありがとう…


 私に足りない愛情を、アナタと

 セタの"純粋さ"が補ってくれて

 いるようで、すっごく嬉しいわ…』


 ラナは微笑みを浮かべながらそう

 返すと、クロの艶のある髪と頭を

 ひと撫でしてから


『うん。やっぱり…よい触り心地』

 と感想を述べて、去っていった


   

 今まで軽い挨拶程度で、ほとんど

 話したこともない存在である、

 元神官のラナの背中を見つめ

 ながらクロは、


(………ラナ様って。どこか少し

 セタ"様"に似ているな…)



 と心中で感想を発してから、クロ

 の頭の中を巡る考察の対象は、


 "ネムコの探索"から、"ラナとサラ

 二人の神官"そして自然と辿り着く

 セタの存在…


 既にそちらの方に切り替わっていた 

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