トゥー
「ふぅ……。」
俺は買い物を終えると、ベンチに腰を下ろして一息ついた。
4時間もあちこち回りすぎたせいか、足が流石に疲れてきている。
ああ、彼女? 奴は死んだよ。重かったしね。
とはいえ、流石に日々の運動不足が祟ったか何だか動きたくない。眠い。
「ふぁ……ねむ……今日はもう帰ろう。」
欠伸を噛み殺して俺は三転倒立をキメ、そのままブレイクダンスをしながら悠々とその場を後にした。
¥ ¥
「……ん?」
帰り道の途中、見知った顔が向かいから歩いてくる。
一人は金髪にアロハシャツを着ており、ジーンズを吐いている(誤字にあらず)男だ。
この男はミッケルと言い、瞼にピアス、鼻にピアス、唇にピアス、ピアスにピアスという徹底した格好をしている。
もう一人は最近ジムに通い始めているせいか、やけに逞しい眼球を持った精悍なつま先の男だ。
この男はジニーという。彼は文字通りつま先と眼球しかない。そのせいか、自身の背が低い事を悩んでいる。
「そうは思わねぇか。なぁ、ミッケル。」
「あぢふぁslぎうあsぃghblじsyvぃうzshbぃzhfぃbzhしぅfはlし」
「そうだよなぁ。そう思ってくれると信じていたぜ。これだから最近のトイレって奴は……」
二人は俺に気づかず談笑しながらこちらへと向かってくる。
丁度良い。こちらから話しかけてやろう。
丁度買ってきた模造刀もある事だし、エキサイトだ。
「やぁ、顔が負けてるねジニー!」
「「!」」
俺がそう言って飛びかかるとジニーは即座に反応した。
ジニーはその逞しい眼球から鮮やかな虹色の光線を俺の模造刀に向けてブッパした。
その光線に当たった模造刀は、見るも悍ましい、すっげぇスタイルのいいポリ袋に変わってしまった。
流石ジニーだ。
「驚かすなよ、新一。誤ってお前を撃っちまったらどうなるか分かんねぇんだぞ。」
「jshdgヴぃさhdvんzsぃうvびおzfhぼいはsfbjzぃlfbhぴうfhぶdbhがdf8」
「ごめんごめん。つい、二人を見かけたもんだから……」
「ったくしょうがねぇ奴だな……。おいおい、ミッケル、そう怒ってやるな。いつもの事だろ?」
ジニーにそう言われ、ミッケルは両腕の関節から新たな腕を生やそうとするのをやめた。
……流石に不意打ちはびっくりするもんな。ふざけんな。
なぁ!? 左だろそこは! いい加減小三のことぐらい思い出せよなぁ!
興味が知らねぇ迷子がポリートアミメ(幼少の時に見た事に限る。予算は増やせない。)にだったんだろ!?
折角接続先の修正してやっってんのによぉ! みじめったらねぇぜ!
「それにしても、何してんだ? こんなところで男二人で。」
「そりゃお前、時間帯で考えてみろよ。早朝、男二人。今は帰宅途中だ。……後は分かるだろ?」
「ぢうはごいじゃdwgにあsdhvぃあsdhヴぃうしゃdヴぃうはうぃ」
ミッケルは恥ずかしそうに耳を掻き毟っている。掻き毟ったところからは新しく蝶の羽が生え始めている。
信じらんねぇ。ちくしょう!! こいつら、舐めたマネしやがって!
返せよぉ! 俺の給料二か月分返せよぉ! 大人だろぉ! 惨めなかっこしやがってよ!
「なるほどね。量産機に出番はないって事か。」
「それは早とちりだが……ああ、そうだ。良かったら家に泊まってくか? これからミッケルと追い酒なんだ。」
「ksdkslllkllllっぃhそいvhsどlllllllvhkshvsづううう」
ジニーがそう言うと、ミッケルは徐にジニーをつまみ上げて自身の目に押し込んだ。
ジニーの声は聞こえなくなった。ざまあみろ。
「すhさぎふg8gひううぉがそhぎうsどいうghしでょいgそいgひすごsd」
「ああ、済まねぇ。随分長く引き留めちまってたな。じゃあな、ミッケル。」
「ミミ・ギギ。」
俺がそう言うと、ミッケルは畳んでいた両翼を広げ大空へと旅立っていった。
ファ〇ク!
続きです。
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