ワン
時は「ストロベリー☆キャンディ」歴25.765年。季節は14月の月初め。
息が燃えるほど寒い、クッキロポリンリー(但し公衆便所にあるものだけは除く。あれは良い音が出ない。)が恋しくなる季節だ。
場所はR-97通りのメンテナンス直前区画。しみったれたアイマスクがご愛敬だ。
みんなも知っての通り、今日は丁度良いほどに栓が閉まらないのは言うまでもないだろう。
さて、では遅れてしまったが自己紹介をしよう。俺の名前は横山新一。至って普通の登場人物だ。
今日はなんと、彼女と買い物デートをすることになっている。
それほどまでに考えられていたとは言うまでもなく、ただただ刮目して見ていてほしい。
さてと、そろそろ8時間ほどになるが、彼女はまだ来ていないようだ。
「お待たせ~。ごめんね? 待った? (裏声)」
噂をすれば、彼女がやってきた。
彼女の名前はノギス。可愛いメモリがチャームポイントの至って普通の工具だ。
「こんにちは。死ね!」
俺はすかさず彼女に飛星十字翔を叩きこむ。
紙袋が潰れるような音とともに、手近にあった死の書が飛翔する。
「もう、とっぴんぱらりのぷぅ! (裏声)」
彼女は服の裾を少し舐めながら不服そうにこちらを見ている。
考えなしにもほどがあるだろうに。
「ねぇ、そろそろ行かない? 飼いたい者がいーっぱいあるんだから。ね? (裏声)」
「しょうがねぇなぁ。んじゃあ行くか。」
小悪魔めいた上目遣いに押されてしまう俺もなかなか情けないが、ここは当初の予定通り右にススメ。
鑑賞モードなんかがあればもう少し粘れるが、しょうがないだろう。
「んじゃあ、最初はどこに行くんだ?」
「それはもちろん、西町五村の勉科塗。あそこにいくと幸せになれるんだぁ♡(裏声)」
烏骨鶏だけに滑稽ってか。楽には済まなさそうだなぁ。
そう思いながら俺は彼女を手に、ノッピー三十五色(レールで挟むものだけを言う。基本は水陸両用だが空を飛ぶものはまだ明かされる時ではない。)に乗り込み、圧縮される感覚を舐りつつ明後日の方角へと進みだした。
試作品でかつ初投稿となります。
初投稿のため至らないところや誤字、脱字等が見られるかもしれません。
もし見かけた方は遠慮なくご報告して下さいますようお願い申し上げます。
また、作品のネタバレを防ぐために今後の展開に関する質問はお控え願います。