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自爆未遂(ネタバレ)の欠片~幻の2日目(リメイク版)~





 こんばんは(*´v`)

 未練がましく、ひっそり小話なぞを投稿してみます。ネタバレ自爆をしそうになった豊饒祭2日目のリメイク版です。






 初日の私たちは、玉入れ・綱引きなど あまり運動能力を持たなくても悪目立ちしない競技を無難に終えて、そそくさと救護用テントに逃げ帰る。ちなみに、ウォルセンとティタリアも同様である。



(本当は、2人とも運動神経は悪くないハズなんだけどなぁ……)



 どうにも、豊饒祭に集まる学生の親御さんや職員・研究者たちの多くは お貴族様やその所縁の人たちが多いらしく、そんな場所で 目立つことはしたくないらしい。なので、私と一緒に 無難な競技に参加して、救護班のお手伝いに勤しんでいる。あれ? でも、彼らは高貴なる方々なのではなかっただろうか。ちまちまと洗った包帯を巻いたり 薬の補充とかさせて良いのかな?



 ……と、そんな疑問を抱きつつも さらっと日付が変わって2日目、高等科の競技会である。初等科の競技会でも救護用テントは来客が絶えなかったけれど、高等科は運動会っぽい競技の種目たちに なにげない顔で紛れ込む武術や魔法の“選抜試合”なるものが曲者である。実戦に近い試合で怪我を負った者や 張り切りすぎて魔力欠乏に陥った者など、千客万来の勢いである。



(保健の先生たちが 豊饒祭に近づくにつれ、必死に上位の怪我や魔力回復の魔法水薬(ポーション)とか魔法軟膏を増産していた理由が やっとわかったよ。これは酷い)



 私にも簡単な薬を作る手伝いをさせるわけである。そのお蔭で、風邪薬とか作れる薬は増えたけど。しかしながら、あまりの忙しさに 最初は先生方が遠慮して仕事をあまり振られなかったウォルセンやティタリアまで くるくると働く事態になっている。大丈夫なのかな? ちょっぴり、すり傷を消毒されている子が恐縮してる気もするけど……うん、大丈夫。たぶん。




「アーシャちゃん! 押さえるのを手伝って!!」



「ん!」



 勢いよく運ばれてきたのは、右足が血塗れの男の子だった。診察台に乗せられた彼は痛みで混乱状態にあるらしく、他の人たちが押さえきれていない左腕を慌てて押さえる……が、すぐに振り払われてしまった。



「アーシャ!」



「ん、大丈夫!」



 すぐに駆けつけてくれたウォルセンに手伝って貰いながら、なんとか押さえつけると、クリスティン先生が呪文の詠唱に入った。



「《追うは陽炎の果実


 指に触れぬ 光の戯れ

 光を結びて(うつつ)と為しえん


 癒しの光で正しき姿へ 復元の光輝(レストレイション)》」



 強い銀光が放たれ、血塗れの右足を包み込んでゆく。



(これが、あの本に載ってた魔法……すごい)



 やはり 中位に近い光の回復魔法の力は正しく幻想(ファンタジー)と呼ぶべきものである。やや不自然に曲がった足も、白いものの覗く直視しづらい傷口も(ちゃんと治すためには見ないといけないけど)、あっという間に治ってしまった。



「これで、取りあえずは大丈夫ね。皆ありがとう、アーシャちゃんもごめんね、大丈夫だった?」



 魔法の行使を終え、激痛から解放されて大人しくなった男の子の傷の確認や、血の洗浄をしている他の先生たちにお礼を言って振り返ったクリスティン先生が、私の顔を見て 澄んだ海みたいな蒼い目を見開く。



「あら! ほっぺが引っ掻かれてるじゃない!! ちょっと診せてちょうだい」



 慌てたようなクリスティン先生と、彼女の言葉にギョっとした様子で何かを言いかけるウォルセンを両手を前に出して止める。



「んん。大丈夫」



 少し集中して 右手をじんじんする頬にかざし、左手で胸元の魔法具のペンダントを軽く握る。



「《照らすは癒しの(ともしび)


  我が身の(かげ)りを払え 小回復(プチヒール)》」



 クリスティン先生の魔法よりも かなりショボいけど……お手本も見れたことだし、ちょっとだけ本に載っていた8級の回復魔法を使ってみたかったのだ。もちろん 呪文の詠唱もバッチリである。まあ、いきなり誰かで試すのもアレなので、自分の引っ掻き傷を治すくらいがちょうどいいかと試してみたのだが。なかなか上手くできたらしく、痛みも無くなった。



「あらまあ! アーシャちゃんは光の魔法が得意なのね。折角だから、軽傷の人達で練習してみる?」



 そう言ってニッコリ笑ったクリスティン先生によって、私は魔力欠乏になるギリギリまで軽傷の人たちを相手に回復魔法を掛ける(練習する)こととなった。




 ちなみに。私の頬に回復魔法を使おうとしていたらしいウォルセンも巻き込まれていた。だが、魔力欠乏どころか、休憩時間に おっとり優しげな保健の先生から支給された ほんのりリンゴ風味がする低位の魔力回復用水薬をちびちびと飲む私の隣で 彼がぴんぴんしていたのは、やはり魔法チートのお蔭だろうか。理不尽である。



「うん? どうしたの、アーシャ。疲れちゃった?」



「……なんでもない」



 もう一度だけ言うが、その余裕(格差)、理不尽である。









 ティタリアは慣れない人への対応が苦手なので 看護組には入らず、器具や薬品の整頓や補充など 細々とした事をこなし「必要な時に必要な物が手元に……!!」という感じにサポート面で輝いていました(* ̄∀ ̄)b



 これは、クリスティン先生が光魔法を使った辺りで勘の良い人にはバレるかもしれない気がして、途中で書くのを中止したお話でした。


 もうネタバレとか気にしないで良いかな~っと、投稿。折角なので新しい呪文とか魔法水薬の味とか色々と盛り込んじゃいました♪

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