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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第2章 異変と急変
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状況の整理 修正:2021/09/18

お昼が続く。


「そういえば自己紹介がまだですの! あたしはチコル! チコル・フェイジスですの!」


そう無い胸を張ってドヤ顔を決めてくるチコルと名乗る小柄な黒髪おさげのそばかす美少女。


「あああ、私は…」

『いや、君は知ってるよ…。』

「そ、そうですよねー…」


治癒魔法をかけてもらいながらかけながらどこか遠い目をしているポーラ。


『そういえば急いで帰ってきたって…』

「あたしの妹のアネラちゃん! そしてもう一人、あたしの…」


とここまで言いかけて、遠くから何か声のようなものが聞こえてきた。

それは段々と大きくなっていき、まるでここに近づいているように…


「ちぃいいいこおおおおるうううううたあああああああああん!!!」


と一人の銀髪ロングが印象的な男性がアルフたちのいる部屋に入ってくるな否や説明をしていたチコルを抱き上げ頬を摺り寄せる。


「もおおおどこにいってたんですかああああ!!怪我でもしたら危ないでしょおおおお!?」

「これがあたしの兄、ヴァレル・フェイジスですの…。」


その突然の光景に呆気に取られてはいたが、この状況にはもはや慣れているようで成すがまま、されるがままに一切動じていない様子のチコル。


ヴァレルと紹介された男はこちらにを一切気にも留めず、チコルの腹部に顔をうずめて息を荒げていた。

どうみても変質者にしか見えないその行動に、もはや残念ささえも感じるようになってきた。


「…にぃに、重傷を負った狼と友達の前ですの。そろそろ落ち着いてほしいんですの…」

「スゥーハァー!だいじょうぶだいじょうぶ!スゥーハァー!私が来たからにはもぉーだいじょうぶだ!だからもう少し…スゥーハァー…」

「はあ…、ごめんですの。ヴァレルお兄様はとても良い人ではあるんですの。ただちょっとあたしと妹2人にはとことん過保護というか…そんな感じですの…。」


これがちょっと…?

明らかに度が過ぎた行動に、やっと結合してきた頬の皮膚を無理やり引き攣らせてドン引きするアルフ。

ポーラに至っては完全無視を決め込んでいる。


「一応説明させていただきます。こちらヴァレルさんは数ある冒険者のランクで10人しかいないとされるSランクの称号を持ち、更にそのSランク内での強さは他の誰よりも抜きんでてて、Sランク最強と称されるほどの実力を持ち合わせているとされている…本当ならメチャクチャすごい冒険者なんです…」


これが…?


「スゥーハァー!」


最強と称される?


「ああああ、今日も愛おしい我が妹おおおおおお!!」


Sランク冒険者…?


「チコルたあああああああああん!!!」


ポーラの説明を受け、何度も交互にポーラとヴァレルを見る。

その度にため息を付き、チコルに至ってはヴァレルの頭を撫で始める始末。


正直、状況に全くついていけない。


が、ここでやっと落ち着いたのかそっとチコルを地面に下ろして一息つく。

ツヤッツヤなお肌になった良い笑顔を浮かべ、チコルの頭をそっと撫でた。


「ふう…、取り乱してすまない。紹介に与かったヴァレル・フェイジスだ。」


突然クールな雰囲気に落ち着いたトーンで話し始めるヴァレル。

先ほどのあの取り乱した様子を見なければ、きっとヴァレルへの印象もまた良い方向で変わっていたかもしれない…。

だが、もう何もかもすべてが遅かった。


『あ、ああ…。俺はアルフ…、銀狼だ‥‥。』

「アルフくんか、よろしく。」


ふとここでちょっとした違和感を覚えた。


『失礼なことを聞く、さっき兄妹と言っていたがそれにしては見た目も…種族自体も違うようだが…』

「そうだな。私はハイエルフで、チコルはドワーフ。んでもう一人のアネラはオーガだ。」


何やら複雑な事情を持ち合わせている様子…。


「見ての通り種族は違えど、我らは絆で固く結ばれている兄妹である。なぜ種族が違うのかは…。」

「あたしのお父様が女ったらしで女とみれば誰にでも手を出すクズだからですの。」


ヴァレルが言う前に堂々と告げる自らの両親に対する蔑んだ様な罵倒。

それを受けて頭を抱えるヴァレル。


相当苦労しているんだろう…。


『そ、そうか…。なんか嫌な事を聞いたようでごめん…』


反射的に謝ってしまった。

それを聞いてヴァレルはため息を付いた後、アルフと向き直る。


「いや、大丈夫だ。それにあの親父のおかげでこんなにも可愛らしい妹たちと出会えたんだ。そこだけは感謝している。そこだけは。」


強調するように2回言う。


「そういえばアネラたんの姿が見えないが…」

「アネラちゃんなら、ジャーニーちゃんと一緒に一足先に行っちゃったんですの」

「ふむ…、あそこには確か銀狼のアダントとエフィが町の支援を受けて奴らと相手取っていたな。アダントとエフィ、アネラとジャーニー。この4人なら十分対処できるはずだ。」

『な…。一応相手は侵蝕汚染体(カースドエネミー)化した巨骨猿と‥その骨猿たちだぞ…?』


自分の妹の名をたん呼ばわりすることに対してのツッコミを全力で呑み込んだ上、今の現状の詳細を3人に伝える。

だがそれを聞いた上でも


「ふむ、だとしても問題ないだろう。もし何かあれば私の自動迎撃スキルが発動するから大丈夫だ。」


と断言する。

それほどまでにヴァレルの持つSランク冒険者としての実力が強いのだろう。


「そもそも今回の侵蝕汚染体(カースドエネミー)戦の戦況的にアダントたちには少しばかり厳しい物があるのだ。あの2匹の実力があれば、今回のこの戦いは本来ならばすぐに終わっている。なのにここまで苦戦している理由、それはあの2匹が侵蝕汚染体(カースドエネミー)を本気で対処しようとすれば、この町に尋常ではないほどの被害が出てしまうからだ。」

『つまり支援しにきたのは…いいけど、逆に守るもの、この町が足枷に…なってるって…ことか?』

「ああ。銀狼は本来、遠吠えや咆哮など。広範囲に渡る攻撃スキルを主体に戦う魔族だ。あの2匹クラスの実力ならば、その攻撃範囲はこの町を超えてさらに遠くまで攻撃が届くだろう。それ故にその攻撃範囲を抑えつつ、町への被害を出さぬよう威力も落とし、また相手は侵蝕汚染体(カースドエネミー)だ。奴らの攻撃に1度でも当たれば奴らの仲間入りとなる。そんな敵が大勢いる中で立ち回るものほど面倒極まりないことはないだろう?」


確かにアダントとエフィが攻撃範囲が細く絞られているインパクト・ハウリング・レイや以前呪淵体・獣(カービス・ベヘモス)戦で見せたときとは比にならないほどの威力が抑えられたメテオ・ハウリングを多用していた理由がわかった。


「それに巨骨猿は他の奴らと違って防御力がかなり硬い。その身に纏う魔物の骨によってその防御力も戦闘力も変わってくるが…単純に、今回の相手が悪かったというこだな。」

「でもそんな心配はいらないですの! そろそろ町の避難誘導が終わる頃合いですの。そうすれば、誘導に回っていたBランク以上の冒険者たちが助けにいくはずですの!」

『Bランク以下の冒険者は…』

侵蝕汚染体(カースドエネミー)相手にはBランク以上、かつ奴らの侵蝕汚染への耐性バフを持つ者だけに限られる。この町には私とチコルたん、アネラたんと最近Bランクに昇格したアネラたんの友人、ジャーニーだったか?後数名ほどいた気がしたがそれぐらいだろう。他にもBランク冒険者は何名かいるが耐性持ちじゃないため、ギルドからの通達で参加は禁止されている。」


ジャーニー、確かユリアと一緒にいたPTの仲間の1人…。

火属性の強力な魔法を使いこなしている賢者…だったけか。


オゥクロプスたちを一発で消し炭に変えたあの威力は今思い出すだけでもゾッとするな…。


今回はキャラクターのセリフ、説明口調が多めになってしまいました…。

次回からはもう少し状況とかを取り入れていきます。


*S級冒険者の数を諸事情により"15人→10人"に減らしました。



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