広がり進化する戦闘スタイル
まだお昼
自分でも何が起きたのかわからない。
小型ではあるが確かに侵蝕汚染体に触れた。
だが肉体汚染が起きる兆候はなく、あの時感じた精神汚染のデバフもない。
ただ倒した時に、心が穏やかな気持ちになったような感じがする。
ポンッ
<Lv20の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv21の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv20の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv22の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv21の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv23の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv21の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv20の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
<Lv20の骨猿を倒したことにより、経験値を取得しました。>
電子音のような音の後に流れる広告のような討伐達成した証。
今のあの一瞬で9体もの骨猿たちを倒したことになる。
今現在の自分のレベルは8。
あれから日々レベリングと鍛錬、狩りにウルティアの剣術指南も務めた結果、レベルが5も上がっていた。
能力やスキルも慎重に熟考した上で色々と弄っている。
おかげで能力値は以前よりも大分上がっている。
あのスキルがなけりゃ、ここまで増えなかったんじゃないかな?と思うぐらいの上昇ぶりだった。
そのこともあって、どんだけレベルの差が付いていても能力差的にはこちらが上のようで、案外問題なく敵を狩ることが出来ていた。
そしてスキルに関しても慎重に選んで獲得していった。
今回使ったスキルもまた、レベル8になってから取得したスキル≪ 連 鎖 す る 破 滅 ≫。
これは1体の敵に致命の攻撃が命中して敵を倒した場合、付近にいる敵に対して再度発動することができる、というものだ。
これにより、アンジュの張っていた魔法障壁に張り付いていた骨猿たち全てをこのスキルによって一網打尽にすることができた。
まあ効果だけ見ればかなり強い方ではあるがデメリットもないわけではなく、もし致命の攻撃によって最初の1体を仕損じた場合、一定時間の間致命の攻撃を行えなくなる。
つまり最初の1体目に致命の攻撃によって倒せなかった場合、しばらくの間致命の攻撃が使えなくなる。
逆に成功してしまえば、途中で致命の攻撃で仕損じたとしてもデメリットは発動しないのでとにかく最初の1体をどうにかすれば問題はない。
でもまあ今の俺のステータス、主に俊敏値がゆうに600を突破したため、移動力、回避力、隠密力共にえげつないことになっている。
またレベルが8の時点で能力値が600超えもあり、限界が幾つかは知らないがかなりの高ステータスになっているのは間違いない。
それに、"致命の攻撃"も"即死の一撃"へと進化したため、ファーストキルのミスの心配はほぼほぼなくなった。
また≪幻影≫も≪幻影群≫というスキルに進化し、幻影体が同時に10体も出せるようになり、また幻影体に触れた者に対して一時的に暗闇というデバフと動きを遅くする遅延というデバフの2種類を同時に付与することができる。
― "暗黒" 相手の視界を奪うことができる。
― "遅延" 相手の動きを遅くする。
そしてその先にある≪幻影・分身体≫というスキルを獲得した。
こちらは≪幻影群≫と違い、相手に対して攻撃することも可能である実体のある分身を召喚する。
ただ≪幻影群≫は10体同時に出現できるのに対し、スキルレベル的にはまだ1体しか召喚できず、また召喚した際に初めてのMP消費技という事もあって連発できない。
だが俺自身がもう一人増えるという事は戦略においてかなりのアドバンテージとなるはずだ。
『お兄様ぁ! 大丈夫なのですか!?』
突然後ろから叫ぶように聞こえてきたアンジュの怒号。
それもそのはず、本来侵蝕汚染体に直接触れた場合、肉体汚染というデバフにかかり、自らもまた侵蝕汚染体へと変貌してしまうのだ。
それなのにアルフは骨猿たち相手に対して近接攻撃を仕掛けて消滅させた。
肉体汚染に掛かっている恐れが高い。
『…なんとも、ないみたいだ。』
自分でも吃驚している。
多分大丈夫であるのは俺だけなのだろう。
この白闇の装甲が肉体汚染を無効化しているために無事であるのだろうと思う。
だが如何せん確信が持てない。
そもそも白き闇はなんなのか?
白き闇は自らをお前だと、アルフ自身なのだと茶化す様に言っているが身に覚えがない。
その答えはきっと白き闇に押し付けてしまったという記憶の中に眠っているのだろう。
今のアルフにそれを見る方法も、そして心の余裕もないことはわかっている。
「もう! 侵蝕汚染体に噛み付きで倒すなんてどうかしてるんだから!」
「白き闇の呪淵体・獣の時と良い…なんとも…」
「馬鹿な…侵蝕汚染体に対して近接攻撃を用いて変異しない、だと…!?」
俺に対する反応は様々で、呆れた者もいれば怒りを表すもの、小さく怯えた声を出して恐怖する者もいた。
だが今は奴らに対抗する手段を持っているのが俺だけであることだけはわかる。
そしてこの力を持ってすれば、被害も最小限に抑えてこの戦いに勝つことができる。
『とりあえず、このまま残りの奴らを倒す! アンジュはそこでみんなを支援してくれ!』
『おにい、さま…!』
『無理はするな、侵蝕汚染体を見た影響で精神汚染もかなり進行しているはずだ。この場に残って自分にかかった精神汚染の浄化と共に魔法障壁の強化、そして俺が取りこぼした奴から町を守れ!』
『はあ…、もう‥わか、ったわよ‥!』
そういうと再度前を向き、未だこちらに押し寄せてくる侵蝕汚染体たちを見据える。
―ここが使い時だ。
『 ≪ 幻 影 ・ 分 身 体 ≫ !!』
自らの影から1体の鎧を纏った黒狼が姿を現した。
意思疎通は出来そうにはないが互いが顔を見合わせた時、全てを察した様子で静かに頷き合う。
そして一気に駆け出してそのまま2体同時に≪幻影群≫を発動し、合計20体もの幻影体を召喚した。
それと同時に≪ 隠 密 ≫を発動し、本体自らの気配は隠す。
20体もの幻影体は次々と侵蝕汚染体たちにすり抜けながら触れていき、次々と暗黒のデバフを付与していく。
暗闇と遅延のデバフを貰った侵蝕汚染体はその場に次々と動きが遅くなっていき、立ち止まって辺りをキョロキョロ見始めたり、中には視界が急に消えたと同時に動きが遅くなった影響で足をもつらせて転ぶ個体もいた。
これで即死の一撃の発動条件は整った。
2体の狼による即死の一撃が繰り出され、そこから広がる≪ 連 鎖 す る 破 滅 ≫によって瞬く間に侵蝕汚染体の首が消し飛び、消滅していった。
今回使用したスキル
今回新たに習得したスキル
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≪ 幻 影 群 ≫
熟練度レベル:1
出現数:10体
その場にスキルレベルに応じた幻影体を複数出現させる。
この幻影体は一定時間が経過するか、攻撃を受けると消滅する。
出現時、本体の隠密能力と幻影体へのヘイトを上昇させる。
幻影体に接触した場合、暗黒と遅延の効果を一定時間付与される。
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≪ 幻 影 ・ 分 身 体 ≫
熟練度レベル:1
出現数:1体
消費MP:例外なく自身の最大MP値の90%を消費する。
スキルレベルに応じて、自らを模った分身体を生み出す。
生み出された分身体は、本体と同等の能力値とスキルを持つ。
本体の意思関係なく独自の判断で動くため、基本的には本体の命令による強制はできない。
また召喚されてから一定時間が経つか、HPが0になると消滅する。
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