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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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朝が来て

時刻 "6:30"


「よぉ~。」


ふと気が付けば、いつものあの空間の中にいた。

そして聞こえてくるあの不愉快極まりない声。


だがアルフは悟っていた。

この夢をきっと見るんだろうな、と。


「んだよ、そんなつれない顔をしやがってよぉ~。わかってたんならそれ相応の顔をしやがれってんだよぉ~?」

"はぁ…。"


返す言葉さえもなく、ただただアルフはため息を付く。

その反応が返って面白いのか、白き闇は"ククク"と軽く笑う。



"んで、今回は一体何の用なんだ?"

「それが結構多いわけで、たぶん今回だけじゃ伝えきれないと思うんだわ。」

"つぅと、後数回この夢を見ることになるってか?"

「…それがそうでもないらしい。ついさっき、俺を呼び出すスキルを習得しただろ? だからこうして夢の中で会う必要はもうないんだわ。」


突然白き闇から伝えられる真実。

だがアルフは、案の上"そりゃそうだろうな"と予想はしていた。


表情を一切変えないアルフに白き闇は軽くうなずいた後、言葉を続ける。


「じゃあなんでこの夢を見せているのか、その疑問の答えについてなんだが。」

"やっぱり何か理由があるのか?"

「あるにはあるんだが、それを上手く言葉には出来ねぇんだわ。ん~…、んじゃあ」


何か歯切れの悪い様子で語りだすが、その後に突如として白き闇が無言となり、静寂がその場を包み込む。

突然無言になる白き闇に、アルフは首を傾げながら様子を窺う。


"…どうした?"

「………。…やっぱ無理か。いや、なんでもねぇよ。」


会話がかみ合わない。

さらにアルフの疑問は増していく。


そんなアルフを余所に白き闇が珍しくため息を付いた後、何か意を決したように語り始めた。


「くそっ、――もだめ。――もだめ。ほんっと気持ち悪いな、これ。つまりだ。アルフ、お前は――なんだよ。――――れてなんかねぇ。いいか、お前の持つ――を捨てろ、――を捨てろ。俺がお前に伝えられるのはこれだけだ。」

"…は?"


会話がかみ合わないどころか、完全に理解できる内容ではなかった。

白き闇が言った言葉一つ一つの意味さえもわからない。


何がどうしてそんなことを伝えたのか。

そして何よりも、何かを伝えようとしたとき、一部分だけが完全に聞こえなかったこと。


つまり、何かしら制限が掛けられている。

今のアルフに知られてはいけないことを、白き闇は知っている。


制限の掛かった単語、その後に続く意味不明な言葉の羅列。

きっと何かしら重大な意味が込められているはず。


「おうよ、そこまで理解してくれりゃ後は気づくだけだ。んじゃ、そろそろ時間だぜ」

"…わかった。ちなみにこの夢は起きても忘れてたりは"

「しねぇから安心しろ。今の俺とお前は不完全ではあるが1つになったからな。後は記憶の共有が済めば、ここに来る前のお前に戻る。ただ、その記憶の共有がお前にとってはいいもんじゃない事だけは確かだ。」

"…覚悟しとく。"

「んじゃ俺、さっさと起きろ。そろそろ起きないと…」


視界がどんどん真っ白に染まっていく。

全てが白に包まれた時、あいつの最期の言葉が聞こえてきた。


" め ん ど く さ い こ と に な る ぞ ? "





ゆっくりと重い瞼を開ける。

数回瞬きを挟み、ぼやけていた景色がゆっくりと正確になっていく。


ふと気が付けば、お腹辺りに何かしらの重みを感じた。

お腹の方へと視線を向けると、そこには小さく丸まって寝息を立てているユリアの姿があった。


だが若干、若干ではあったが多少なりと来ていた服がはだけており、うっすらと透き通った肌が顔を覗かせている。


『…あー。』

"アイツが言ってたのはこういうことか、なるほど。さて、急いでユリアを…"


とその場から離れようと顔を持ち上げると、目線の先に笑顔を浮かべてこちらを見ているアンジュの姿が視界に入った。


『…あー。』


"どうやら遅かったようだね、ハハッ"


『…お兄様?』


アンジュの表情は凍り付いたように一切変えず、アルフへ現状の説明を求めんとばかりに呼びかける。

なんとかアンジュの誤解を解こうと、言い訳を浮かべようにも状況が状況なだけに正直諦めムードに浸っていた。


『別にユリアとは何にもないよ。昨晩、会議を終えて帰ったらユリアとばったりあってな。あんな状況の後だったから、色々と話を聞きたくてな。気が付いたらここで寝ていたようだ。』


ありのまま、そのまま起きたことをアンジュに伝えることにした。

それが果たしてアンジュにとって納得のいく説明だったのかどうかはわからない。


ハァ、とため息が口から吐いた後、アンジュはゆっくりとアルフの近くへと歩み寄る。

隣にまで移動すると、ゆっくりと腰を下ろした。


『アンジュも、あれからどうだ?侵蝕に関してはもう平気なのか?』

『おかげ様で、ね。以前に見た侵蝕汚染とはくらべものにはならないほどの苦痛だったけど…』

『だが、ユリアを背負ったまま助けを呼んでくれたんだろう? そのおかげで俺もこうして助かった。ありがとうな、アンジュ』


狼らしく、頬でアンジュの頭を撫でる様に摩る。

それが気持ちいいのか、嬉しそうに撫でられている。


『それで、結局アイツはなんだったの?』

『…わからない、という答えしかでなかった。ただ、あの会議に呼ばれて話をした際のみんなの反応からして、かなり尋常じゃないということだけはわかった。』

『…そうなんだ。』


静かに身震いするアンジュ。

あの時にカービスからの侵蝕汚染を受けた時を思い出し、その恐怖、怨嗟に体中が支配され、身動きすらままならなず、呼吸すらまともにできない。


ただただ静かに体中を得体の知れない絶望に侵蝕されていく。

そんな状態を、アンジュはきっと思い出していたのだろう。


『…アンジュ、大丈夫か?』

『ええ…、大丈夫。お兄様の方が一番影響を受けたはずでしょ…? お兄様の方こそ、大丈夫なの?』

『若干、キツかったがエネラ先生たちのおかげで今は問題ないよ。』

『そっか…、ならよかった。』

「…ん~…」


アルフの御腹辺りで蹲っていたユリアが微かに動いた。

どうやら目が覚めたようで、大きく手を伸ばす。


重い瞼を開き、辺りを見回す。

アルフとアンジュの姿を確認し、ボソッと"おはよぉ~…"と言葉が口から零れた。


ゆっくりと体を起こし、未だに眠気眼の目を擦る。


『おはよ、ユリア。挨拶よりもまずはその恰好をなんとかした方がいいと思うんだけど…』

「ふぇ…?」


とここで初めて今、自分がどんな格好になっているのか自覚する。

アルフはユリアのそんな姿を見ないよう、ソッポを向いている。


一気に眠気が吹き飛び、そして表情が真っ赤に染まる。


「きゃあっ!」


バッとアルフから離れ、急いで服装を整え始める。

そんなユリアに、アルフは静かにため息を吐いた。


『いや、人間相手に見せてるわけじゃないから、そう恥ずかしがらなくてもいいと思うが…』

『そういう問題じゃないと思うんだけど…』



特になし

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