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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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ルイシャの特訓

時刻 "2:50"


見た所、最初の初期ステータスでMP、いわゆるマジックポイント。

今更だが多分これは魔法を使う際に必要な値…だと思う。

だと思うなんてごまかしは、俺自身がその魔法というものを使ったことがないからだ。


今までは、"一撃の致命"やら"引っ掻き"なんかの物理スキルを使ってはいたがこれらの使用時にはMPは減っていない。

魔法っぽい感じの"遠吠え"や"隠密"、または"闘志を震わす遠吠え"でさえも使用時にはMPは減っていない。


ちなみに思念話術なんかもそれこそ魔力を垂れ流しての使用だっていうのにMPが減らないことから魔法ではないらしい。

一度、アンジュに協力を願って5時間ぐらい雑談してもらった際にも減るのかどうか検証してみたが結果として1すら減ることがなかった。


今確認できるスキルで未だ試していないのが"威圧"というスキル。

だがこれもきっと魔法という部類には入らないのだろう。


よって、俺は未だに魔法を使ったことがない。

まあこの銀狼<シルバーウルフ>って種族は魔法は苦手らしい。


まず魔力関連の基礎ステータスの低さ、そしてレベル2に上がった際の他のステータスに比べての上昇率の悪さ。

これらを見て魔法は苦手と判断した。苦手、というよりは必要性を感じないだけと言い換えた方がいいかな。


まあ実際、こうしてみると魔法なんかに頼るよりは銀狼が得意とするスキルや技術を伸ばしていけば魔法なんかなくとも問題はなさそうだ。

一度、オゥクロプスたちを灰燼と化したジャーニーのあの魔法、"原初の紅き花の開花<エ・フィオ・ルド・レア>"。

あれの発動条件はまだわからないが少なくとも発動までの詠唱時間、また発動してからの反動の大きさ、また巨大がために見てからすぐ回避できそうな点。

それらを踏まえて敵側に魔法使いが居てもなんともなさそうに思える。


でも威力だけは確かだった。

あの魔法、微かに触れただけでオゥクロプスは一瞬にして灰燼と化した。


触れただけであの威力、直撃なんかもはやまともな防衛手段を持ってしても凌ぐのは遥かに難しいだろう。

なので魔法は見かけたら逃げる、または絶対に当たることなかれ、の2点が俺の中で絶対順守となった。


そんな魔法の才を、ルイシャは持っていた。

ルイシャのレベルは1。そしてその時点でのMP値は12。


初期の俺は2だった。

こうしてみると本当に魔力の才はカスだったんだとわかる。


また初めてアンジュのステータスを図った際のMPの値は65ぐらいだったっけ。

んでレベル2に上がった際の俺のMPは51。


…あれ、ちょっとまって。あれ、51?

最初は確か2だったよね。レベルが1上がっただけで51?


うーん、これはスキル"魂を喰らう者"がぶっ壊れスキルの可能性が出てきたなこりゃ…。

…まあいいか。


とまあ色々考えてみて、ルイシャのMPは平均値よりも若干高い。

というわけで"思念話術"の習得に向けてアンジュと共に特訓紛いなことをしている。


ちなみに魔法ではない"思念話術"なのに、どうして俺は魔法云々の話をしたのか。

魔法ではないが、魔力を扱うスキルは魔法ステータスが高い奴だとその分早く習得しやすくなり、且つ熟練度レベルも上がりやすいとエネラ先生が以前、思念話術の熟練度レベルを上げようと一緒に練習していた際に雑談講義な感じで教えてくれた。


そのため、本来俺には魔力の才が皆無なのにも関わらず、この幼さとレベル1であんな早く覚えたこと自体珍しいらしい。


そして今、ルイシャはアンジュと見つめ合いながら必死に"思念話術"の練習をしている。

だがうまくいかないようで、徐々に時間だけが過ぎていく。


アンジュと交代しながらルイシャと見つめ合う。

あの時、エネラ先生は互いの目を見つめ合いながら伝えたい思いを強く描き、念じ続ける事。これが一番早い"思念話術"の習得方法だと俺に教えてくれた。


だからこそあの時と同じ練習方法をルイシャに課しているのだが…。


「…。」

『あまり落ち込まないで、ルイシャ。出来るようになるまであたしも補佐するからね。』

『焦ることはないよ。話したい事はいっぱいあるだろうけど、まだまだ時間はあるだろうから焦らずにやっていこう。』

「…ッ!」


不安な表情を浮かべていたルイシャもすぐに笑顔になってコクりと小さく頷く。

するとそこにエネラが赤い液体を持って部屋に入ってきた。


「頑張るのもよろしいですが休憩のお時間ですよ。」

『もうそんな時間か。』

「一応魔力を使っての練習ですから、長時間の魔力の扱いは体に負荷が掛かりますからね。」


まあ確かに検証のためにアンジュと5時間も雑談していた際、検証が終わったころには俺はぐっだりしていたっけな…。

窓を見て、陽の高さを確認すると大体ルイシャと"思念話術"の練習を始めてから大体2時間ちょいは掛かってるか。

5時間で俺がああなってたから今のルイシャは相当負担が掛かってしまうはず。


『とりあえず今はゆっくりと体を休めて、また明日頑張ろうか。』

「…ん。」

「ではルイシャちゃん、これを飲んでお体を横にしましょうね。」


そういってルイシャに赤い液体が入ったガラス容器を手渡した。

受け取ったルイシャはそのまま口まで持っていき、ゆっくりと飲んでいく。


全てを飲み終え、空になったガラス容器をエネラへと渡す。

それを受け取った後、ガラス容器を足元に置く。


そしてルイシャの肩に手を回し、優しく体を倒して横にさせる。

蜘蛛の巣で出てきたベッドに横になったルイシャの額に手を当て、小さく何かを呟くとルイシャはそのまま眠りについた。


「昼食の時間になっても若様たちが来ないから何をしているかと思って部屋を覗けばルイシャちゃんに"思念話術"を習得させようと頑張っておられたのですね。」

『ああ。喉が焼けて声帯も潰れ、声が出せなくなったルイシャに何とかしようと思ってね。』

「本当に若様はお優しいお方なのですね。」

『だって不便だろう? 会話がまともにできないんじゃ意思疎通だって難しいから。それに、まだあの子はまだ12歳だ。そんな若さであんな苦労は…』


脳裏に何かが過る。

それはここではない以前の記憶。その一瞬。小さな男の子が黒い棺の前に立っている。


たったそれだけなのに、その映像からはとてつもない嫌悪感を感じる。

何か胸辺りで不快感を覚え、今にも吐きそうになる。


「…若様?」

『お兄様?』


突然様子がおかしくなったアルフを心配そうに見つめるエネラとアンジュ。

だが次の瞬間には目の前が真っ暗になり、アルフはその場に倒れた。


「若様!」

『お兄様ぁ!』


意識が消えるその刹那に聞こえた2人の悲鳴に似た呼び声。

アルフはそのまま気を失った。



特になし

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