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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
52/107

強力な助っ人。

時刻 "3:30"


「グオオオォォォォオオオ!!」

「モオオオォォォォオオオ!!」


ディアブロアはミノタナトスへと突進していく。

ミノタナトスは異形の斧剣を地面に突き刺し、両手でディアブロアの角を掴んで受け止める。

ミノタナトスはディアブロアの角を掴み必死に抵抗するも、力に押されてそのまま後ろへと押されていく。


後少しでミノタナトスの体へと角が届きそうな所で掴んでいた角を左へとずらし、力を手放した。

突然抵抗されていた力が急に消えたため、勢い余った力に体が追い付かず、足をもつらせ転倒してしまう。


その隙にすかさず地面に突き刺していた異形の斧剣を手に取って引き抜き、回転させながらそのままディアブロアへと振り下ろす。

鈍い音を立てて、ディアブロアの背甲に直撃する。


「グォォオオオオオ!!」


背甲越しに体内に伝わる衝撃に堪らず唸り声を上げる。

その唸り声を聞いて、ニヤリと口元が大きく歪め、左腕の鎖を振り回し、ディアブロアへと投げる。


それを左肩から突出している硬化した筋肉に弾かれ、楔が突き刺さることはなかった。

だがそれを確認するや否やすぐさま鎖を起用にうならせ、首に巻き付ける。


首を4回転した後、うまい具合に楔が鎖に引っ掛かり、うまく巻き付いた。

何とか逃れようともがくも、ミノタナトスが許すはずもなく、力任せに引っ張られて思うように行動できない。


「グォォォオオ…!!!」

「モォォォ…。」


そのまま首を繋いだディアブロアを力に任せて強く引っ張るが、それに抵抗するようにディアブロアはその引っ張る力を利用して鎖を千切ろうとさらに力を込めて抵抗する。


互いに引っ張り合い、その鎖はギチギチと音を立てて歪んでいく。

ディアブロアは一部の鎖が大きく歪み、今にも壊れそうな状態に陥るのを横目で確認すると、先ほどミノタナトスが見せた行為を真似するように突然力を緩める。


「モォォオ!?」


突然緩まれたため、勢いを抑えきれずに後ろへと大きくよろめいた。

引っ張られる鎖が緩まり、その瞬間を狙って先ほどの引っ張り合いによって酷く変形した鎖を強く踏みつけ砕いた。


首に巻き付いていた楔はそのまま残ったものの、繋がっていた鎖からは解き放たれた。


「モオオオォォォオオオ!!!」


一つの武器を失ったミノタナトスは怒りに満ちた唸り声を上げ、それをどや顔で返すディアブロア。

そのどや顔に一瞬、ミノタナトスの頬がピクリと痙攣を起こしたかのように反応する。


左腕に巻き付けていた鎖をほどき、地面へと落とすと軽くなった左肩をゆっくりと回した。

その後、首もゆっくりと回し、ゴキゴキッと骨が鈍い音を立てて鳴く。


右手に持っていた異形の斧剣を両手で持ち、舞うように振り回して構えた。


「モオオオォォォォオオオオオオオ!!!」


その行為は自らの闘気を上げるためか、ディアブロアへと強く咆哮を上げ、突撃していく。


「グオオオォォォォオオオオオ!!!」


ディアブロアもその咆哮に答えるように雄たけびを上げ、ミノタナトスへと突撃していく。

後寸での所でぶつかり合うその瞬間、ミノタナトスは異形の斧剣をディアブロアへと振り下ろす。


それを背甲で受け止めつつ、ディアブロアは尻尾でミノタナトスに強打する。

ミノタナトスは大きくよろめき、追撃しようと3本角で貫こうと突き出した。


それを刃部分で往なし、そのままの勢いでディアブロアに斧の部分で振りかぶる。

硬化した筋肉で受け止めていたものの、その勢いを受け止めきれず、そのまま数メートルほど吹き飛ばされる。


だがすぐに体勢を立て直し、再度ミノタナトスへと突進していく。

ギリギリでその突進を避けると、すれ違いざまに斧を振り下ろす。


それを背甲で受け止めながら、再度尻尾による強打をミノタナトスへと打ち込む。

脇腹へと叩き込まれたモノの、その尻尾を掴むと力任せに放り投げる。


近くの木々を薙ぎ倒しながら停止する。

すぐに立ち上がり、ミノタナトスへと顔を向けると武器を振り回しながらこちらに突っ込んでくる姿が見える。


そのまま異形の斧剣をディアブロアへと振り下ろしたが、それを3本角で受け止め、そのまま弾く様に頭を力強く振りかぶる。

弾かれるもすぐさま後方へと距離を取る。その直後、先ほどまでミノタナトスがいた所に突き出される3本角による攻撃。


その攻撃を躱したと同時に一気に跳躍し、異形の斧剣をディアブロアへと振り下ろす。

それをギリギリで左へと躱すと反撃とばかりに右肩でミノタナトスにタックルをかます。


「モォォッ…!」


低いうめき声をあげ、そのまま吹き飛ばされるも空中で受け身を取って体勢を立て直しつつ着地する。


「グォォオオオオ…!!」


それを見て低く呻るディアブロア。

両者はまた一気に距離を詰め、互いにぶつかり合う…。


そんな一歩も引かぬ彼らの死闘を遠くで、未だ動けずにいるアルフとそれを必死に治癒魔法で回復させているアンジュが観戦している。


『なん、で…ここに…』

『お兄様の遠吠えが何度も何度も聞こえたから、それを目印に何とか来たのよ…!』

『助かった、が…違う、お前…ら、じゃ……ぐぅっ…!』

『じっとして! まだお兄様の体は回復しきっていないのよ…!』


必死に立ち上がろうとするが、うまく立ち上がることができず、その場に転倒する。

アンジュが必死にまた再度立ち上がろうとするアルフを押え、リジェネを掛け、その後ヒールを掛ける。


====================

Lv:2 

名前:アルフ

種族:シルバーウルフ 

HP:25/94 (リジェネ:+2)

MP:51/51

状態:リジェネ

====================


ヒールにより2割程度体力を回復し、またリジェネにより秒間回復により毎秒+2の回復により、時間がある程度立てば立ち直せるほどの体力が回復する。


…だが、アルフにはそんな時間はない。

今は何とかあのミノタナトスと渡り合っているものの…


====================

Lv42

名前:無し

種族:鳥獣種 ディアブロア族

ランク:D 

====================


能力差で見れば、アイツに及ばず…。

また実際、徐々にではあるがディアブロアが押され始めている。


ディアブロアの攻撃が回避されては反撃を喰らう回数が増えている。

そして少しずつディアブロアの背甲に皹が入り、また硬化している筋肉の鎧にも切り傷が入り始めていた。


「グオオオォォォォ……!!」

「モオオオォォォ!!」


"このまま、じゃ…まずい…!"


明らかに血を流す頻度が増えてきたのはディアブロアの方だった。

それに対してミノタナトスも無傷とは言えないが、若干の軽い傷を追っている。

だがそれは傷とは思えない軽度のモノばかりだ。


『ディアブロアさん!』


アンジュはディアブロアにヒールとリジェネを同時に掛ける。

徐々にディアブロアの傷が癒えていくがミノタナトスの猛攻に追いつかない。


『これならぁ…!!』


アンジュの手から放たれた白い光がディアブロアの体を包み込む。

光る膜のようなモノがディアブロアを覆っていく。


"アンジュの持つ、回復とは異なる支援スキル…聖なる光か…!"


ディアブロアを覆う光はミノタナトスの攻撃をある程度防いでいる。

だが、それでもミノタナトスのダメージ量とアンジュの回復と支援の差が縮まらない。


ディアブロアの体が揺れ、その3本角で貫こうと突き出すが片手で受け止められる。

そしてそのまま力強くアンジュたちの方へと放り投げた。


「グオオォォオオオォオオ!?」

『きゃあああ!?』

『ぐぅ…!?』


アルフたちの居る少し手前に落ち、砂煙を巻き起こしながら止まる。

ケホケホと咳をしながらも、アンジュは傷だらけのディアブロアへと近寄り、ヒールを掛ける。


砂煙が晴れたそこには、今まさにディアブロアへと異形の斧剣を振り押そうとするミノタナトスの姿がそこにあった。

その表情は醜く歪んでおり、今まさに勝利を確信したような笑顔を浮かべていた。


「モオオオォォォオオオ!!」

『だ、だめぇぇー!!』


アンジュが叫ぶ声と同時に異形の斧剣はディアブロアの首…その少し手前の地面へと振り下ろされた。

ミノタナトスも、一瞬何が起きたのか理解できないようだった。


ディアブロアを仕留めることができず、また自身の体が浮いたように軽い。

それと同時に鳩尾辺りに強力な衝撃波が走り、浮いていた体が一気に吹き飛ばされる。


近くの木々をなぎ倒しながらも勢いが止まる様子はなく吹き飛ばされ、少し先の岩を粉々に砕け散らせながら激突し、停止した。。

身体をゆっくりと起こし、状況を確かめようとする。


どうやら何者かに蹴られ、数キロ先まで一気に吹き飛ばされたようだった。

自分が吹き飛ばされた後が直線状にはっきりと残っている。


かなりのダメージではあったものの、動けなくなったわけではない。

ゆっくりと立ち上がると全身が凍り付くような背筋に悪寒が走る。


何か、とてつもない何かが背後から近づいてくる。

ゆっくりと、一歩一歩ゆっくりとそれは近づいてくる。


勢いよく振り向き、異形の斧剣を構えようとしたが手元にはない。

ディアブロアの手前の地面に突き刺さったまま吹き飛ばされたようだった。


『…貴様か。』


ふと声が聞こえた。

ゆっくりと顔を上げると、茂みからこちらに向かって堂々とした歩みを進めてくる巨大な銀狼の姿が見えた。


『貴様の仕業か…。』


その巨大な銀狼から発せられる声を聞く度に、全身が震えあがる。


『よくも我が仲間を、我が同胞を、我が、子を、殺そうとしたな…!!』

「モ、モォォォ…?!」


ミノタナトスの前に完全に姿を現した巨大な銀狼はその大きな口をゆっくりと開き、そして…


「 死 ヌ ガ ヨ イ 」


一言一言はっきりと口にし、それを言葉にしてミノタナトスへ聞かせる。

それを聞いたミノタナトスの体がガタガタと震え始め、苦しむように胸を押さえ、膝を付き、そして何か重く破裂したような音が響くと同時に口から勢いよく血が噴き出し、白目を剥いてゆっくりとその場に倒れた。


幾度の痙攣の後、ミノタナトスは絶命した。



特になし

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